「パン」といえば、忙しい時の朝食にピッタリな主食。
手間をかけずに、あっという間に食べることができます。
しかも、美味しい!
ところで、この「パン」ですが…普通はカタカナで表記されるのが一般的。
でも、実はこの「パン」、漢字表記ができるってご存知でしたか?
しかも、その漢字の数、なんと1つだけではありませんよ!
ということで本記事では、「パン」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「パン」を漢字で書くと?
「パン」の漢字表記は、最初にお伝えしたとおり1つだけではありません!
漢字は下のとおり、複数あります!
麵麭
麪包
この「麺麭」「麵麭」「麪包」、全て「パン」のこと。
ですが、他にも「麺包」「麦餅」「麦麺」「蒸餅」など、色々な漢字が「パン」の意味として使われていましたが…。
ほぼ消滅してしまって、現在も辞書などに登場する漢字は、せいぜい紹介した3種類だけのようです…。
ちなみに、私の辞書でも「パン」の漢字を紹介しているのか調べてみました。
【パン(麵麭)】〈ポルトガルpão〉
①小麦粉などを水と塩でこね、イーストを加えて発酵させて焼いた食品。
②生活の糧。「人は―のみにて生くるものにあらず」
▽日本では一八四二(天保十三)年、伊豆韮山の代官江川太郎左衛門が、携帯・保存によいという軍事的要請からパンを焼いたのが最初という。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、漢字は「麵麭」だけが紹介されていました。
「パン」の語源は、辞書にあるとおりポルトガル語の「pão(パオ)」です。
それから、②の「生活の糧」という意味は、辞書を調べて初めて知りました。
この意味は、ポルトガル語の「pão(パオ)」の持つもう一つの意味であって、そこからきているようです。
それでは、次項では漢字の由来について説明しますね。
2.「パン」の漢字の由来!
「パン」を漢字で書くと、「麺麭」「麵麭」「麪包」。
それでは、それぞれの由来について説明していきます。
①「麺麭」の由来!
最初は、「麺麭」という字から。
「麺麭」の「麺」は、「ラーメン」の漢字にも使われますが、「小麦粉」という意味がある漢字です。
「麺」は、「めん」とは読みますが「パン」とか「パ」といった読み方はしません。
「麺麭」の「麭」は、「こなもち」「だんご」という意味の漢字。
そして、「麭」の読み方は「ほう」「こなもち」であり、「パン」の「パ」の字も出てきません…。
ですが、「小麦粉」でできた「粉餅(こなもち)」のような食べ物ということで、「麺麭」という漢字が当てられたといわれています。
②「麵麭」の由来!
続いて、「麵麭」。
前項の「麺麭」と似ている「麵麭」ですが、「麺」の部分が「麵」となり微妙に違います。
ちなみに、「ラーメン」を漢字変換すると、「拉麺」と「拉麵」の2種類出てきますが、これと同じ。
つまり、「麺」と「麵」は同じ意味であって、「麺」が正字であるのに対し「麵」は俗字です。
俗字とは、もともと正しい漢字ではなかったのですが、世の中に浸透していつの間にか市民権を得てしまった漢字のこと。
だからといって、「麵」と書いても間違いではありません。
現在は、しっかりと世に根付いた漢字ですので。
そして、「麵麭」の由来は前項の「麺麭」と全く同じです。
正字と俗字の違いだけ。
「小麦粉」でできた「粉餅(こなもち)」のような食べ物ということで、「麵麭」という字が当てられました。
③「麪包」の由来!
最後は「麪包」。
この「麪包」の「麪」…、実は「麺」の旧字です。
要するに、「麺」と「麪」は同じ意味。
ですから、正字が「麺」で、俗字が「麵」、旧字が「麪」、ということになります。
ということで「麪包」の由来は、「麪」は「小麦粉」。
「麪包」の「包」は、「つつむ」という意味ですが「まとめる」という意味もあります。
つまり「麪包」は、「小麦粉」を「まとめた」食べ物ということですね。
まとめ
以上が、「パン」の漢字表記とその由来についてでした。
参考にしてください。
「パン」を漢字で書くと、「麺麭」「麵麭」「麪包」。
「麺麭」と「麵麭」の由来は、「小麦粉」でできた「粉餅(こなもち)」のような食べ物ということです。
そして、「麪包」の由来は「小麦粉」を「まとめた」食べ物ということ。