「在」という漢字。
「現在」「在宅」「在室」「実在」「不在」など、頻繫に使う漢字です。
この「在」、「一」の次が「ノ」その次が「｜」の順に書きますが…。
「｜」が「ノ」を、突き出るべきか、また、突き出ないのか、ということで論争があるようです…。
上の「在」は「突き出る」書き方、下の「在」は「突き出ない」書き方です。
どっちの書き方が正しいのか？
頻繫に使う漢字ですので、誤字のまま使い続けるわけにはいきませんよね…。
ということで、公的機関がどういった見解を示しているのか徹底的に調査してみました。
本記事では、「在」の漢字は突き出るの？正しい「在」の書き方を根拠も含めわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください！
1.「在」の漢字は突き出るの？どっちが正しい？
最初に、正しい「在」の漢字の書き方を単刀直入にお伝えします。
「在」の漢字は、突き出ても正解ですし、突き出なくても正解。
つまり、どちらの書き方をしても正しい漢字ということ。
この根拠は、公的機関である文化庁がはっきりと示してくれています。
「常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について」という文書なのですが、この内容については次項で詳しく紹介しますね。
普段目にする字体の多くは「突き出る」タイプなのですが、パソコンフォントの中には「突き出ない」タイプも存在しています。
たとえば、下の「BIZ UDPゴシック」や「HGP創英角ゴシックUB」などは突き出ていません。
一応、「突き出る」タイプも紹介します。
これは、お馴染みの「ＭＳ 明朝」と「ＭＳ ゴシック」ですが、双方とも突き出ています。
「ＭＳ 明朝」や「ＭＳ ゴシック」は「突き出る」タイプですが、その他にも多くのフォントがこのタイプです。
WEB上や印刷物などでは、こういった「突き出る」タイプが圧倒的多数。
もちろん、学校の教科書に使われる「教科書体」も突き出ています。
そういったこともあり、「突き出る書き方が正しい」と頭にしみついてしまっているのですね。
ですが、「突き出る」「突き出ない」どちらも正しい漢字ですので、お間違いなく。
2.「在」の漢字に対する公的機関の見解！
続いて、「突き出る」「突き出ない」どちらの「在」も間違いではない根拠を紹介します。
それは、公的機関である文化庁が平成28年（2016年）2月29日に出した、「常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について」という文書。
４ 手書き（筆写）の楷書では、いろいろな書き方があるもの
手書きの楷書においては、以下に挙げるような漢字の構成要素及び漢字の例のように、字形に違いがあっても、同じ字体として認めることのできるものがある。
それらを（１）～（６）に分類して示した。
（６）その他そのほか、漢字の点画について、いろいろな書き表し方があるものとして、以下のような例が挙げられる。
ここに挙げるような違いは、字体の判別の上で問題にならない。
ア 点画が交わるように書くことも、交わらないように書くこともあるもの
◇ 上記を含め、同様に考えることができる漢字の例
引用元：常用漢字表の字体・字形に関する指針（報告）について
ということで、どちらも誤字ではないといったことが書かれています。
「在」については、下の画像の最後の方に載っていますね。
それから、「在」以外にも、「女」「外」「耳」などいずれも「突き出る」「突き出ない」どちらでも良いということです。
まとめ
以上が、「在」の漢字の正しい書き方についてでした。
「在」の漢字は、突き出ても正解ですし、突き出なくても正解。
つまり、どちらの書き方をしても正しい漢字ということ。
「突き出る」「突き出ない」は、気にする必要はありませんよ。