「うさぎ」という文字を、パソコンなどで入力して変換ボタンを押すと…。
「兎」と「兔」という漢字が現れます。
どっちを使うべきか悩みますよね…。
しかも、十二支の「うさぎ年」の場合は「卯」という漢字もあります。
「兎」「兔」「卯」…どうやって使い分けるべきか…???
ということで、この3つの漢字を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「うさぎ」の漢字の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「うさぎ」の漢字の違いと使い分け!
最初に、「兎」「兔」「卯」の違いと使い分け方法を簡潔にお伝えします。
「うさぎ」の正字は「兎」で、「兔」は俗字。
俗字を使っても間違いではありませんが、使い分けるのであれば正字を使う方が良いでしょう。
「卯」は十二支の中の「うさぎ」を表す漢字であって、動物を指す言葉ではありません。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、その理由などについて詳しく紐解いていきますね。
①漢字「兎」とは!
動物の「うさぎ」を表現する場合は、「兎」を使ってください。
「うさぎ」という漢字の正字が「兎」です。
当て字でもなく俗字でもない、正しい漢字であるということ。
そもそも「兎」という漢字は、動物の「うさぎ」の姿からつくりだされた象形文字です。
②漢字「兔」とは!
正字の「兎」に対して、「兔」という漢字は俗字です。
俗字というのは、正しい漢字を誤って使われるうちに、広く世の中に浸透してしまった漢字のこと。
元々は正しい漢字ではなかったのですが、今となっては「間違い」とはいえなくなってしまった漢字のことです。
たとえば、「崎」に対して「﨑」が俗字、「館」に対し「舘」が俗字、「高」に対して「髙」が俗字。
このように、俗字はたくさんありますが、世間では普通に正しい漢字として使われています。
ですから、俗字の「兔」を使っても間違いではありません。
ただし、使い分けるのであれば正字の「兎」を使うのが無難ということです。
③漢字「卯」とは!
「卯」は十二支の中の「うさぎ」を表す漢字。
ですから、生き物の「うさぎ」を表現する際は「卯」を使うべきではありません。
といっても、疑問が残ると思いますので、「十二支とは何か?」について説明します。
そもそも「十二支」とは、「歴」や「方角」などを表すものであって、動物のことではありません。
では、なぜ「動物」で表現されるようになったのか?ですが…。
これには諸説ありますが、覚えやすくするために動物を一つ一つ当てはめたという説があります。
ですから、「卯」は「うさぎ」のことではなく、「卯」という字にたまたまうさぎという動物を当てはめたということ。
したがって、「子」は「鼠(ねずみ)」、「丑」は「牛(うし)」、といったように「子」はネズミとは関係ありませんし「丑」は動物の牛のことではありません。
2.「うさぎ」の辞書での意味!
一応、辞書で「うさぎ」の漢字がどうなっているのか確認します。
【うさぎ(兎・兔)】
・[動]ウサギ科の哺乳動物の総称。耳は長く尾は短い。うしろ足は前足よりも長い。上くちびるは縦に裂けている。肉・毛・毛皮を利用。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、私の辞書には「兎」と「兔」が紹介されています。
そして、「卯」の記載はありません。
実は、「うさぎ」という漢字は「兎」や「兔」の他にもたくさんあったようです。
現在は、「兎」「兔」以外はほぼ使われなくなって、パソコンで変換しても表示されません。
そういった中で、「正字」の移り変わりがあったようですが、現在の「うさぎ」の正字は「兎」です。
ついでに、「卯(う)」の内容も紹介します。
【う(卯)】
①十二支の第四。うさぎ。
②昔の時刻の名。今の午前六時ごろ、およびその前後約二時間。(一説にはその後約二時間。)
③方角の名。東。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、動物のことではありません。
まとめ
以上が、「うさぎ」の漢字の違いと使い分けについてでした。
動物の「うさぎ」を表現する場合は、「兎」か「兔」を使います。
ただし、正字は「兎」で俗字が「兔」ですので、使い分けるのであれば「兎」の方を使いましょう。
「卯」は十二支の「う」のことで、動物の「うさぎ」のことではありません。
動物に対し、「卯」は使わないでくださいね。