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「オリーブ」を漢字で書くと?表記を由来も含め解説するよ!

更新日:

 
「オリーブ」といえば、オリーブオイル。

体に良い油ということで、油を使う料理は全部オリーブオイルを使いたいところですが…。

高価なので、我が家ではちょっと無理…。
 
 
ところで、この「オリーブ」なのですが、言葉の響きから考えても外来語…。
 
 
外来語ではありますが、実は漢字表記ができますよ!

しかもその漢字の数、1つだけではありません!
 
 
 
ということで本記事では、「オリーブ」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「オリーブ」を漢字で書くと?

冒頭で触れましたが、「オリーブ」の漢字は1つだけではありません!

漢字は下のとおり、4つもあります!

橄欖

阿列布

阿利布

阿利襪

 
 
この「橄欖」「阿列布」「阿利布」「阿利襪」、全て「オリーブ」のこと

読み方も全部「オリーブ」ですが、「橄欖」については「かんらん」とも読みます。
 
 
 
ちなみに、私が持っている辞書で「オリーブ」の漢字が紹介されているのか調べてみました。

【オリーブ(olive)】

・[植]キンモクセイ科の常緑高木。地中海東岸の原産で暖地に成育。六月ころ淡黄色の芳香ある小花を開く。果実からオリーブオイルをとり、材は細工物に用いる。樹木は平和のシンボルとされている。

引用元:旺文社国語辞典

 
ということで、「オリーブ」の漢字表記は紹介されていませんでした
 
 
ところでこの「オリーブ」、「平和のシンボル」といった記載がありますが…。

その理由は旧約聖書の、ノアの方舟のくだりにあります。
 
 
「陸地を探すためにノアはハトを放ったのですが、そのハトがオリーブの枝をくわえて帰ってきました」

「このオリーブを見て、ノアは洪水が引き陸地が現れたことを知った」、ということから「オリーブ」と「ハト」が平和のシンボルとなったのです。
 
 
それでは、次項ではオリーブの漢字の由来について説明しますね。
 

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2.「オリーブ」の漢字の由来!

「オリーブ」を漢字で書くと、「橄欖」「阿列布」「阿利布」「阿利襪」。

それでは、それぞれについて説明していきます。
 

①「橄欖」の由来!

まず、「橄欖」という字から説明します。

「橄欖」の読み方は「かんらん」とも。
 
 
そして、「橄欖」の由来ですが、「オリビン」という鉱物が深く関係しています

「オリビン」とは、オリーブのように緑色で美しい石のこと。

オリーブのような緑色なのでオリビンですね。
 
 
 
この「オリビン」を和訳する時に、「橄欖」というオリーブそっくりの樹木の名称をオリーブの和名と勘違いし、「橄欖石(かんらんせき)」と名付けてしまいました
 
 
この本来の「橄欖」も、江戸時代に日本に伝わった木で、見た目もオリーブと似ているほか果実から油もとれるのです。

しかし、オリーブは「キンモクセイ科」、橄欖は「カンラン科」であって実は全く別の植物。
 
 
鉱物オリビンの和名をつける際に、「橄欖」のことを「オリーブ」と思い込んで「橄欖石」という名称にしてしまったのです。

その後この橄欖石がきっかけで、「橄欖」が植物の「オリーブ」の和名として世に広がってしまいました

オリーブ
 

②「阿列布」の由来!

続いて「阿列布」ですが、この漢字の由来は単なる当て字
 
 
「阿列布」の「阿」は、「阿波の国」といった使い方をするとおり、「あ」と読みます。

「阿列布」の「列」は、「整列」という使い方をしますが、読み方は「れつ」。

「阿列布」の「布」は、「布巾」の「ふ」です。
 
 
続けて読むと、「あ・れつ・ふ」。
 
 
ちょっと「オリーブ」とはかけ離れた発音ですが、「olive」を英語で発音すると「アーレィブ」。

「あれつふ」と「アーレィブ」でなんとなく似ています。
 

③「阿利布」の由来!

「阿利布」の由来も、前項の「阿列布」同様に当て字です
 
 
「阿列布」の「列」の部分を、「利益」の「利(り)」に置き換えた言葉。

ですから、「あ・れつ・ふ」が「あ・り・ふ」になったということ。
 
 
もしかしたら、「列(れつ)」は「つ」が入るため「利(り)」の方がネイティブに近いのでは?といった考えだったのかも…。

真相は、わかりません…。
 

④「阿利襪」の由来!

最後は「阿利襪」。

この「阿利襪」も、由来は当て字
 
 
「阿利襪」は前項の「阿利布」と似ていますが、「布」が「襪」になっています。

「襪」という字は滅多に目にしませんが、「足袋」「靴下」という意味を持つ漢字で、読み方は「べつ」。

ですから、そのまま読むと「あ・り・べつ」です。
 
 
 
この「阿利襪」という漢字を最初に使ったのは明治政府

明治政府の国家近代化政策の一つとして、海外の動植物を多く移入し繁殖や栽培を試みました。
 
 
その政策の一つが「オリーブの栽培」です。

1878年に、神戸の約3000坪の敷地に「ゴムの木」や「オリーブ」などを植え栽培を行いました。
 
 
そして、この施設の名称が「神戸阿利襪園」だったのです。

こうして、「阿利襪」という漢字が初めて使われました。
 

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まとめ

以上が、「オリーブ」の漢字表記とその由来についてでした。

参考にしてください。
 
 
「オリーブ」を漢字で書くと、「橄欖」「阿列布」「阿利布」「阿利襪」です。
 
 
「橄欖」という漢字の由来は、和訳の工程における日本人の勘違い。

そして、「阿列布」「阿利布」「阿利襪」の由来は、「オリーブ」という言葉に対する当て字です。

話は変わりますが、ひらがな表記やカタカナ表記が普通の言葉でも、実は漢字があるものがありますよ!

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