「わかめ」は、味噌汁やお吸い物などに入れると美味しいですよね…。
あと、ラーメンにも合います。
でも、この「わかめ」ですが、平仮名の他にカタカナで「ワカメ」と表記することはあっても…。
漢字表記を見たことがありません…。
日本語は、多くの言葉が漢字であらわすことができるのですが…。
特に、それが「名詞」であればなおさら…。
であるならば、「わかめ」が漢字表記できないわけがないのでは??
ということで本記事では、「わかめ」の漢字とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「わかめ」を漢字で書くと?
実は、「わかめ」の漢字は一つだけではありません!
下のとおり、たくさんありますよ!
若芽
和布
若和布
稚海藻
裙蔕菜(裙帯菜)
この中で、最も多く浸透している漢字が「若布」です。
ですから、もし漢字表記しなくてはいけない場面がきたら「若布」と書くのが無難でしょう。
ちなみに、私が持っている辞書では下のとおり。
【わかめ(若布・和布・若和布)】
・コンブ科の褐藻。浅海の岩につく。葉状部は羽状に分かれている。食用。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、「若布」「和布」「若和布」の3つが紹介されていました。
それでは、次項ではこの由来について説明しますね。
2.「わかめ」の漢字の由来!
「わかめ」の漢字は、「若布」「若芽」「和布」「若和布」「稚海藻」「裙蔕菜(裙帯菜)」の全部で6種類です。
それでは、それぞれについて説明していきますね。
①「若布」の由来!
まず、最も浸透している「若布」という字から。
「若布」の由来には、「海藻」という言葉が大きく関わってきます。
この「海藻」は、一般的に「かいそう」と読みますが、実は他の読み方もありますよ!
それは、「め」。
「海藻」と書いて「め」と読みます。
「海藻」といえば海の植物を意味しますが、この「め」と読むことで意味が「食用の海の植物」に限定。
ですから、食べることができない海の植物は、「め」といいません。
そして、この「海藻(め)」は別名「海布(め)」とも呼ばれます。
ちなみに、「海藻」の「藻」は「も」と読みますが、もしかしたら「め」がなまって「も」になったのかもしれません。
この「海藻(め)」と「海布(め)」が、「わかめ」の語源に大きく関係しているのです。
「わかめ」の「わか」は「若」と書きますが…。
この「若」は、文字通り「若い」という意味の「若」。
「若」は、生えたばかりの葉を「若葉」と呼ぶように、若いものを意味する言葉です。
「若葉マーク」は、免許を取って間もない人がつけますよね。
そして「わかめ」は、羽状に分裂しながら新しくどんどん広がりますのです、「分かれた新しい『め』」ということで、「若布(わかめ)」となったといわれています。
ですから、羽状に分裂した部分ではない「根の近く」については、呼び方は「わかめ」ではなく「めかぶ」。
ということで、新しい羽状の部分は「若い」「海布(め)」で「若布」です。
②「若芽」の由来!
「若芽」は、「若い」に未発達を表す「芽」ということ。
これは、わかりやすいです。
③「和布」の由来!
「和布」の「和」は、昔「にぎ」と読んで、「やわらかい」という意味。
「心のやわらぎ」の「やわらぎ」は、「和らぎ」と書きますよね。
まさに、「わかめ」はやわらかいです。
ですから、「和布」は「和(にぎ)」と「海布(め)」で「にぎめ」と読んでいたものが「わかめ」に変化したものと考えられます。
④「若和布」の由来!
この「若和布」は…。
「若布」と「和布」の複合形といわれています。
⑤「稚海藻」の由来!
「稚海藻」は、「おさない」という意味の「稚」と「海藻」で、そのとおりの意味です。
これも、わかりやすいですね。
⑥「裙蔕菜(裙帯菜)」の由来!
最後の「裙蔕菜(裙帯菜)」ですが、これは中国での名称、つまり漢名であるという説が有力。
「裙」は、着物のすそ、また、肌着という意味です。
「蔕」が、果実が実る部分、ヘタという意味。
「菜」は、やさいのこと。
そして、難しい「蔕」という字が「帯」に置き換えられたのではないでしょうか。
でもこれだけでは、どう考えても「わかめ」とは結び付きません…。
まとめ
以上が、「わかめ」の漢字とその由来についてでした。
参考にしてください。
「わかめ」の漢字は、「若布」「若芽」「和布」「若和布」「稚海藻」「裙蔕菜(裙帯菜)」と書きます。
「わかめ」の「わか」は、「若い」「幼い」といった意味が原点。
「わかめ」の「め」は、「海藻(め)」「海布(め)」といった言葉が語源です。