「教養」と「教育」。
「教養」は、「教える」と「養う」。
「教育」は、「教える」と「育てる」。
ということで、漢字の組み合わせだけでみると、すごく似ています…。
ですが、2つの言葉は違いがあるようで…。
しかも、「教養」の意味は奥がかなり深い…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「教養」と「教育」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「教養」と「教育」の意味の違い!
最初に、「教養」と「教育」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「教育」とは、学問や知識などが身につくように、教え育てること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「教養」の意味とは!
「教養」がある人というと、知識が多い人のことをイメージするかもしれませんが、実は違います。
「教養」は、多くの知識を持つことで得ることができる、心の豊かさのこと。
理解力や判断力などの様々な人間的能力が高いこと、その上で人間性が優れているということです。
たとえば、以下のとおり。
「あの人は、何でも知っていて知識が豊富、しかも誰とでも良い関係を維持している人格者だね」
という人が、「教養」がある人です。
これはつまり、受験に強い高学歴の人とは違いますよ。
高学歴であっても、人間性が優れていない人はいるものです。
単に知識量が豊富であるだけでは「教養」がある人ではありません。
知識が豊富な上に、人間性が優れていること、これが「教養」がある人です。
②「教育」の意味とは!
「教育」は、学問や知識などが身につくように、教え育てることです。
わかりやすく言うと、授業などで学問を教えることですね。
たとえば、建築の技術を学ぶために専門の学校に通ったとしましょう。
その学校では、建築に関する設計や施工方法、材料などについて教えてくれます。
これが「教育」ということ。
「教育」を受けた人物は、そういった知識を身につけることで、実際に建築に関する仕事が可能となるわけですね。
そして、この「教育」を受けることで、知識が身につき、最終的に「教養」を身につけることができます。
ちなみに「教育」は、「教え育てること」ですので「教える側」の言葉。
「学問を身につける側」の言葉ではありませんよ。
「学問を身につける側」は、「教育を受ける」といった使い方になります。
③「教養」と「教育」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「教養」と「教育」の意味の違いを整理します。
たくさんの知識から得た心の豊かさが「教養」。
知識が豊富なだけではなく、心の豊かさのこと、つまり優れた人間性のことです。
「教育」とは、学問・知識・技術などが身につくように教え育てること。
2.「教養」と「教育」の辞書での意味!
続いて、辞書による「教養」と「教育」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「教養」の辞書での意味!
【教養】
・広い知識から得た心の豊かさ。はば広く精神(知・情・意)の修養を積んで豊かな精神的活力を身につけていること。また、文化に関する深い知識。「―がある」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
ちなみに、「修養」とは、知識を高め、品性を磨き、人格形成につとめることです。
②「教育」の辞書での意味!
【教育】
・社会で生活するために必要な学問・知識・技能などが身につくよう、教え育てること。狭義では、学校教育。「義務―」「子供を―する」
引用元:旺文社国語辞典
例文に「子供を教育する」とありますが、まさにこのこと。
子供とは限りませんが、教え育てることです。
3.「教養」と「教育」の使い方!
最後に、「教養」と「教育」の使い方を例文で紹介します。
①「教養」の使い方!
・教養を高めるためにひたすら努力する。
・テレビは娯楽番組の他に教養番組というジャンルがある。
・江戸時代の庶民の教養はとても高いものであった。
・平安時代の貴族に求められた教養。
・国際教養大学の授業は、ほとんどが英語で行われる。
②「教育」の使い方!
・教育委員会の発表では、いじめは無かったとのこと。
・教育学部に入学して教師を目指す。
・教育実習を経て無事に資格を取得した。
・義務教育を拒否すると罰則があります。
・小学校における英語教育がかわります。
まとめ
以上が、「教養」と「教育」の意味の違いと使い分けについてでした。
「教養」は、たくさんの知識から得た心の豊かさのこと。
知識を高め、品性を磨き、人格形成につとめることで得ることができます。
「教育」は、学問や知識などが身につくように、教え育てること。
「教え育てること」ですので、教える側の言葉です。