「解明」と「解析」。
似ていますよね…。
双方とも「解」という漢字が使われていますので、どちらも「ときあかす」ということだと思うのですが…。
ということは、どのように「ときあかす」のか?ということが違いのポイントになるのだろうか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「解明」と「解析」には明確な違いがありました!
本記事では、「解明」と「解析」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「解明」と「解析」の意味の違い!
最初に、「解明」と「解析」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「解析」とは、物事を細かく解き分けて、組織的・論理的に明らかにすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「解明」の意味とは!
「解明」は、わからない物事を細かく調べて、明らかにすること。
「解析」との違いのポイントは、「わからない物事」という部分。
研究のように、物事を深く調べることではありません。
わからない物事を、明らかにしてわかるようにするのが「解明」です。
わからない物事なので、たとえば「事件の真相を解明」「病気の原因を解明する」といった使い方をします。
「事件の真相」や「病気の原因」といったものは、そう簡単にわかってしまうものではありませんよね。
あくまでも、「わからない」「謎」「不明」な物事を、明らかにするのが「解明」です。
②「解析」の意味とは!
「解析」は、物事を細かく解き分けて、組織的・論理的に明らかにすること。
「解明」は「わからない物事」限定でしたが、「解析」にはそういった定義はありません。
どちらかというと、「研究」のように物事を深く調べることに似ています。
しかも、「細かく解き分けて」、「組織的・論理的」に明らかにするのが「解析」。
「組織的・論理的」という部分がわかりにくいので、わかりやすくいうと…。
細かく分けたうえで、それぞれがどういった意味を持っているのか、まわりとはどういった関係性で結び付いているのか、などを調べて明らかにするということです。
つまりは、「分解」→「それぞれの意味」→「それぞれの関係性」といった感じでしょうか。
たとえば、「データ解析」「調査資料を解析する」といった使い方をします。
この場合の解き分ける対象は、「データ」や「調査資料」。
これらは、「わからない」「謎」「不明」なものではないため、この例文に「解明」は適しません。
あくまでも、「データ」や「調査資料」を解き分けて、一つ一つがどういった意味があるのか、またどういった関係性なのかということを明らかにするのです。
③「解明」と「解析」の違いを整理!
それでは、ここで一度「解明」と「解析」の違いを整理します。
わからない物事を細かく調べて、明らかにするのが「解明」。
つまりは、「わからない」を「わかる」にするということです。
物事を細かく解き分けて、組織的・論理的に明らかにするのが「解析」。
要するに、一つのことを複数に分けて、深く調べ関係性まで明らかにすることです。
2.「解明」と「解析」の辞書での意味!
続いて、辞書による「解明」と「解析」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「解明」の辞書での意味!
【解明】
・不明な点をときあかして、はっきりさせること。「原因を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「解析」の辞書での意味!
【解析】
①物事をこまかく解きわけ、組織的・論理的に研究すること。
②[数](「解析学」の略)微分積分学・微分方程式論・関数論など極限の概念を使って研究する学問。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は説明どおりですね。
意味②は説明しませんでしたが、数学用語としての「解析」。
ただ、意味自体は意味①と同じような内容です。
3.「解明」と「解析」の使い方!
次に、「解明」と「解析」の使い方を例文で紹介します。
①「解明」の使い方!
・損傷や原因については、遅くとも火曜日までに解明するのが目標だ。
・メッシが同じスーパープレーを何度も決められる不思議を解明する。
・銀河の巨大ガス流出のメカニズム解明へ新たな一歩。
・捜査当局が容疑者として3人のハッカーを突き止めた経緯を解明するに至った。
②「解析」の使い方!
・天然ゴムの末端基構造を解析した研究成果を発表した。
・容疑者のスマートフォンを解析するなどして、犯行の経緯などを調べることにしている。
・より低コスト短時間で行えるゲノム解析事業へ参入する。
・地元プロサッカーチームの試合のデータを解析し、強化策を提案しました。
4.「解明」や「解析」には似た意味の言葉がたくさんある!
「解明」や「解析」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「解明」と「解析」の意味の違いと使い分けについてでした。
「解明」は、わからない物事を細かく調べて、明らかにすること。
「解析」は、物事を細かく解き分けて、組織的・論理的に明らかにすること。
わからないこと限定なのが「解明」、分解してから突き詰めるのが「解析」です。