「イチジク」といえば、子供の頃に木に成っている実を食べたことがありますが…。
しょっちゅう食べる果物ではありません。
スーパーにも滅多に売っていませんし…。
ところでこの「イチジク」、普段は片仮名か平仮名で表記されることが多いですが…。
実は、この「イチジク」にも漢字が存在しますよ!
しかもその漢字の数、一つだけではありません!
ということで本記事では、「イチジク」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「イチジク」を漢字で書くと?
冒頭でお伝えしたとおり、「イチジク」の漢字は1つだけではありません!
漢字は下のとおり、3つもあります!
一熟
無花果
この「映日果」「一熟」「無花果」、全て「イチジク」のこと。
この中では、「無花果」という漢字が最も世間に浸透しています。
ですから、パソコンなどで「いちじく」と入力して変換することで、「無花果」だけは出てきますよ。
ちなみに、私が持っている辞書が「イチジク」を漢字表記しているのか調べてみました。
【いちじく(無花果)】
・[植]クワ科の落葉小高木。地中海沿岸原産。果実は卵型の肉果で、なまで食べるほか、ジャムや乾果などにする。雌雄異株。いちじゅく。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、「無花果」という漢字だけは紹介されていました。
ただし、別名で「いちじゅく」と記載されています。
この「いちじゅく」を漢字表記すると「一熟」ということ。
それでは、次項ではこれらの漢字の由来について説明します。
2.「イチジク」の漢字の由来!
「イチジク」を漢字で書くと、「映日果」「一熟」「無花果」。
それでは、それぞれの漢字の由来について説明していきます。
①「映日果」の由来!
最初は「映日果」という字から。
「映日果」は、中国由来の漢字です。
昔は、中国で「イチジク」のことを「映日果」と表記していました。
ただし、現在は違うようです。
そして、「映日果」という漢字が日本にも伝わりました。
では、なぜ「映日果」になったのか?
「イチジク」は13世紀頃に、ペルシア(現在のイラン)から中国に伝わりましたが、その時のペルシア語での呼び方が「アンジール」でした。
この「アンジール」という音韻に、「映日(イェンジェイ)」という中国語を当てはめたそうです。
「映日」に果実を意味する「果」を加えて「映日果」、読み方は「イェンジェイクォ」。
日本語読みの「イチジク」は、この「イェンジェイクォ」が語源という説があります。
また、「映日果」は日本語で「えいじつか」ですが、この「えいじつか」が語源という説もありますよ。
②「一熟」の由来!
続いて、「一熟」。
「一熟」をそのまま読むと「いちじゅく」ですが、なんとなく「イチジク」に似ていますよね。
ですから、「イチジク」の語源は「いちじゅく」であるという説もあるようです。
そして、この「一熟」の由来ですが…。
これは、「一日に一つの果実が熟す」という説と…。
それから、「一月かけて果実が熟す」という二つの説があります。
「一日に一つの果実が熟す」と「一月かけて果実が熟す」、どちらが正解かはわかりません。
③「無花果」の由来!
最後は、最も世間に浸透している「無花果」という漢字。
「無花果」という漢字は「花が無い果実」と書きますが、この意味が由来です。
「イチジク」は花を咲かせますが、実はその花を見ることはできません。
「イチジク」の「花」は、果実の中にある赤い部分、つまり食べる部分が花なのです。
要するに、果実の中に花を咲かせるということ。
したがって、外からその花は見えません。
赤くて甘い果実と思われる部分は、実は「花」だったのですね。
「花が無い果実」というのは、そういった理由があるからなのです。
まとめ
以上が、「イチジク」の漢字表記とその由来についてでした。
参考にしてください。
「イチジク」を漢字で書くと、「映日果」「一熟」「無花果」です。
その他に、昔は「唐柿」「南蛮柿」といった漢字も存在しましたが、現在は一部地域を除きほぼ使われなくなりました。
「映日果」は、中国由来の漢字、つまり漢名です。
「一熟」は、「一日に一つの果実が熟す」もしくは「一月かけて果実が熟す」ということが由来。
「無花果」の由来は、「花が無い果実」です。