緑黄色野菜の代表格である「ほうれん草」。
栄養も豊富であることから、結構な頻度で食べています。
ところで、この「ほうれん草」ですが…。
普通は、「ほうれん草」とか、カタカナで「ホウレンソウ」といった表記をします。
よく考えたら、日本語のような音韻でありなが漢字表記を見たことがありません。
でも、実はこの「ほうれん草」ですが、しっかり漢字がありますよ!
しかも、その漢字の数、1つだけではありません!
ということで本記事では、「ほうれん草」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
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1.「ほうれん草」を漢字では?
最初にお伝えしましたが、「ほうれん草」の漢字は1つだけではありません!
実は下のとおり、4つもあります!
この「菠薐草」「法蓮草」「鳳蓮草」「赤根草」、全て「ほうれん草」のこと。
「赤根草」と似た名称で「赤根ほうれん草」がありますが、「赤根ほうれん草」は品種の名前で「ほうれん草」全体を指した言葉ではありませんので気をつけてください。
ちなみに、私の辞書でも「ほうれん草」を調べてみました。
【ほうれん草(菠薐草)】
・[植]アカザ科の一年草または越年草。葉は長三角形で深く裂ける。春、黄緑色の小花を開く。雌雄異株。根もとは赤みをおび、葉とともに食用。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、漢字表記で「菠薐草」は紹介されています。
ですが、その他の漢字については記載されていませんでした。
それでは、次項ではこの由来について説明します。
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2.「ほうれん草」の漢字の由来!
「ほうれん草」を漢字で書くと、「菠薐草」「法蓮草」「鳳蓮草」「赤根草」と全部で4種類。
それでは、それぞれの漢字の由来について説明していきます。
①「菠薐草」の由来!
まず、辞書でもしょうかいされていた「菠薐草」という字から。
「ほうれん草」には4つの漢字がありますが、この「菠薐草」が最も浸透している漢字です。
そして、「菠薐草」の由来は中国。
江戸時代に、中国から「菠薐」という漢字が、「ほうれん草」という野菜とともに日本に伝わりました。
ほうれん草の原産地は、中央アジアから西アジアといわれています。
その後、7世紀頃に「ネパール」か「ペルシャ(現在のイラン)」から中国に伝わりました。
その時代に中国では、「ネパール」か「ペルシャ」のことを「頗稜(ホリン)国」と呼んでいたのですが、「ネパール」「ペルシャ」どちらのことなのかは不明。
その後、「頗稜(ホリン)」という漢字が「菠薐(ホリン)」に改字されました。
日本では、この「菠薐(ホリン)」に「草」をつけて、「ホリンソウ」から「ホウレンソウ」と発音されるようになったのです。
ちなみに、現在は中国語で「ほうれん草」のことを「菠菜」または「菠薐菜」と表記。
中国語では、「草」ではなく「菜」です。
②「法蓮草」の由来!
続いて、「法蓮草」ですが…。
この「法蓮草」は、単なる当て字といわれています。
ですから、漢字自体に由来はありません。
ちなみに、「法蓮」とは飛鳥時代から奈良時代にかけて実在した「僧侶」のこと。
だからといって、「ほうれん草」と「仏教」が何か関係があるということではないようです。
また、「法蓮」という「僧」がいたので、「法蓮僧」が「法蓮草」になったのかどうかはわかりません…。
③「鳳蓮草」の由来!
この「鳳蓮草」も、当て字といわれています。
ですから、漢字の由来は不明。
しかも、「鳳蓮」という言葉は存在しません。
「鳳蓮」の「鳳(ホウ)」は、中国の伝説の鳥「鳳凰(ホウオウ)」のオスの意味があります。
余談ですが、「鳳凰」の「凰(オウ)」の方は、「鳳凰」のメスのこと。
「鳳蓮」の「蓮」は、スイレン科の植物「ハス」の意味。
ですから、「鳳蓮草」の「鳳蓮」は、「ほうれん草」とは全く関係がありません。
④「赤根草」の由来!
「赤根草」は、「ほうれん草」の見た目が由来に関係しています。
ほうれん草は、葉の部分から根もとにかけて食べますが…。
根もとが赤くなっているのをご存知でしょうか?
最初の項で、辞書の内容をお伝えしましたが「根もとは赤みをおび」という記載があります。
根もとが赤いので、「赤根草」ということ。
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まとめ
以上が、「ほうれん草」の漢字表記とその由来についてでした。
参考にしてください。
「ほうれん草」を漢字では、「菠薐草」「法蓮草」「鳳蓮草」「赤根草」と書きます。
「菠薐草」は、中国由来の漢字。
「法蓮草」と「鳳蓮草」は、単なる当て字で由来はありません。
「赤根草」は、字のとおり「赤い根の草」ということです。