麺類は大好きで、「ラーメン」「そば」「うどん」は昼夜問わず結構な頻度で食べます。
これらの麺類ですが、なぜか飽きない…。
ところで、「ラーメン」は「拉麺」、「そば」は「蕎麦」、といった具合に漢字表記をよく目にしますが…。
なんとなく、「うどん」の漢字表記ってあまり見ません。
でも、この「うどん」にもキチンと漢字が存在します!
しかも、その漢字、時代の流れとともに随分と変化して現在の漢字に至っていますよ!
ということで本記事では、「うどん」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「うどん」を漢字で書くと?
まずは、「うどん」の漢字表記を端的にお伝えします。
漢字は下のとおり。
この「饂飩」が、「うどん」のこと。
凄く画数が多く難しい漢字ですので、そのせいなのかあまり使われません…。
ちなみに、私が持っている辞書で「うどん」の漢字を紹介しているのか調べてみました。
【うどん(饂飩)】
・(「うんどん」の略)小麦粉に水を加えてこねてのばし、細長く切った食品。「―を打つ」
引用元:旺文社国語辞典
辞書には、漢字「饂飩」が確かに記載されていました。
それから、「うんどんの略」と載っていますが、これが漢字の由来に関係しているのか?
ということで、次項ではこの由来について説明します。
2.「うどん」の漢字の由来!
「うどん」を漢字で書くと「饂飩」ですが、実はこの「饂飩」の由来はかなり多く存在します。
その中でも、有力といわれる2つの説を紹介しますね。
①中国の「菓子」が起源という説!
奈良時代に中国の菓子が伝わり、それが「うどん」に進化したという説が有力です。
当時の中国では、小麦粉の中に餡を入れて煮た「混飩(こんとん)」という名の菓子がありました。
ちなみに、この「餡」は「あんこ」のことではなく、刻んだ肉などが入っていたそうです。
その「混飩」という菓子が、奈良時代に遣唐使によって日本に伝わりました。
のちに、「混飩」が食べ物という理由で、「混」の「さんずい」が「しょくへん」に置き換えられて使われるようになります。
つまり、「混飩」から「餛飩」へ変化したということ。
この段階では、読み方はそのまま「こんとん」です。
その後、「餛飩」が温かいスープに入れて食されるようになりました。
そのため、「餛飩」の「餛」の字が「温」という字に変化します。
要するに、「餛飩」から「温飩」になったということ。
このあたりから、「こんとん」と呼んでいたものが、「温」の字が使われたことで「おんとん」「おんどん」「うんどん」などへ変わります。
この「うんどん」が、最初の項の辞書にも載っていた「うんどんの略」ということ。
時代が進み、「温飩」の「温」が食べ物という理由で、「さんずい」から「しょくへん」に置き換えられました。
ですから、「温飩」から最終形である「饂飩」になったということ。
②中国の「ワンタン」が起源という説!
続いて、「ワンタン起源説」ですが…。
これは、「菓子説」と非常に近いものがあります。
実は、中国の「混飩」が伝わったということと、漢字が「混飩」→「餛飩」→「温飩」→「饂飩」と変化したということが全く同じなのです。
要するに、この「ワンタン起源説」は、「菓子」が「ワンタン」に置き換えられただけということ。
前項では、小麦粉の中に刻んだ肉などの餡を入れて煮た菓子が「混飩」であると説明しましたが…。
この食べ物、よく考えたら「ワンタン」に似ていると思いませんか?
ですから、「混飩」という食べ物が、名目上は「菓子」と「ワンタン」に分かれているのですが、もしかしたら共通の食べ物を指していたのではないかと思うのです。
しかし、真相は不明。
「饂飩」の由来は、「菓子」と「ワンタン」といった2つの説が存在するのは確かです。
③(おまけ)その他の説!
その他の説についても簡単に紹介します。
ただしこの説は、「饂飩」という漢字の由来とは全く関係ありませんのでご了承ください。
室町時代には、「切麦(きりむぎ)」という言葉がありました。
「切麦」とは、小麦粉を練って細く切った食べ物のこと。
この「切麦」を、熱くして食べるのが「熱麦(あつむぎ)」、そして冷やして食べるのが「冷麦(ひやむぎ)」です。
「冷麦」といえば、現在も食べられている「ひやむぎ」。
ちなみに、「うどん」「ひやむぎ」「そうめん」といった食べ物は、原料は全て同じです。
違いは麺の太さだけ。
室町時代に太さの基準があったかどうかはわかりません。
もしかしたら、「うどん」という食べ物から枝分かれして「切麦」という食べ物が生まれたのかもしれません。
まとめ
以上が、「うどん」の漢字表記とその由来についてでした。
参考にしてください。
「うどん」を漢字で書くと、「饂飩」です。
「饂飩」の由来は、中国の菓子「混飩」。
また、中国のワンタン「混飩」という説もあります。