「ひじき」といえば、煮物が定番ですよね…。
美味しいし、しかも鉄分・カルシウム・食物繊維といった栄養が豊富で、体にも良い食材として有名です。
でも、この「ひじき」ですが、平仮名を目にすることはあっても…。
「ひじき」の漢字を見たことがありません…。
普通、「物」の名前は漢字があると思うのですが…。
ということで本記事では、「ひじき」の漢字とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「ひじき」を漢字で書くと?
実は、「ひじき」の漢字は一つだけではありません!
下のとおり、なぜか2種類あります!
羊栖菜
これで、「ひじき」と読みます。
ちなみに、もう1つ「鹿角菜」も「ひじき」の漢字といった説があるのですが…。
調べてみましたが、「①ひじきと読む」という説と「②ろっかくさい、または、ふのりと読む」という2つの説がありました。
「ろっかくさい」は「ふのり」のことで、「ふのり」と「ひじき」は明らかに別物。
ですから、「鹿角菜」が「ふのり」なのか?「ひじき」なのか?なのですが…。
真相は、わかりません。
ただ、「鹿角菜」という漢字もあるかもしれないということを覚えておいてください。
ちなみに、私が持っている辞書では下のとおり。
【ひじき(鹿尾菜)】
・ホンダワラ科の褐藻。波のかかる岩の上につき、主枝は円柱状で五〇~一〇〇センチメートル。棒状の小枝をつける。雌雄異株。食用。
引用元:旺文社国語辞典
ということで、辞書では「鹿尾菜」だけが紹介されていました。
それでは、次項ではこの由来について説明しますね。
2.「ひじき」の漢字の由来!
続いて、「鹿尾菜」「羊栖菜」の由来と、「ひじき」の音韻の起源について説明していきます。
①「鹿尾菜」の由来!
「鹿尾菜」の由来は、漢字のとおり「鹿」の「尻尾」に似ている「菜」という説がかなり有力。
「日本ひじき協議会」では、以下のとおり解説しています。
由来については申し訳ありませんがよく判らないのです。
鹿尾菜の方は、良い状態のヒジキの芽一粒一粒をよく見るとピンと跳ね上がっている鹿の尾のように見えることから付けられたと言う説が有力なようです。
引用元:日本ひじき協議会
「日本ひじき協議会」でも、実はよくわからないとのこと。
でも、この「鹿の尻尾」説が有力ではないか、ということです。
②「羊栖菜」の由来!
「羊栖菜」は、中国での名称という説が有力です。
つまり、漢名ということ。
再び「日本ひじき協議会」の解説をご覧ください。
羊栖菜は現代中国語でも「ヤンシーサイ」と発音し、ヒジキの事を指しています。
ちなみにわかめは「クンタイサイ」と呼んでいます。
そんなことから中国からの渡来語が「羊栖菜」で日本で独自に発達した文字では「鹿尾菜」になったのではないかと想像しております。
引用元:日本ひじき協議会
中国での呼び名ですので、日本における由来は「ない」ということですね。
ですが、あくまでも「想像」とのこと。
③「ひじき」の音韻の起源!
「ひじき」の漢字とは関係ありませんが、なぜ「HIJIKI」と呼ばれるようになったのか、その音韻の起源について説明します。
この音韻の起源も、説が全部で4種類ありますよ。
a.「ひすぎも(干杉藻)」
これは、「ひじき」を干す様子が「杉」に似ているということで、「ひすぎも(干杉藻)」になったという説。
「ひすぎも」から「ひじき」です。
b.「ひもしきも(紐茹藻)」
この「ひもしきも(紐茹藻)」の起源はハッキリしませんが、もしかしたら収穫後に「紐」を使って「茹でる」ということなのでしょうか…。
「ひもしきも」から「ひじき」です。
c.「ひますきも(隙透藻)」
これは、「ひじき」の生え方が「隙間」がたくさんあり「透かす」という意味が起源の名称。
「ひますきも」から「ひじき」です。
d.「ひずきも」「ひずきも殻」
この「ひずきも」と「ひずきも殻」が、最も「ひじき」に近い感じがしますが…。
しかし、「ひずきも」や「ひずきも殻」が何を意味しているのか、残念ながら真相についてはわかりませんでした…。
まとめ
以上が、「ひじき」の漢字とその由来についてでした。
参考にしてください。
「ひじき」は漢字で書くと「鹿尾菜」と「羊栖菜」。
「鹿角菜」という説もありますが、確実なのが「鹿尾菜」「羊栖菜」です。
中でも、最も浸透しているのが「鹿尾菜」の方。
由来も、「鹿」の「尻尾」の「菜」ということで覚えやすいですね。