漢字の「千」。
「千円」「千人」といった数を表す言葉であり、「値千金」「千客万来」というように「数が多い」という意味も持ちます。
実は、この漢字の「千」の書き方に関し…、ある問題が発生しているらしい…。
それは、縦棒の一番下を「はらう」のか「とめる」のかという問題です…。
上の「千」は「はらう」書き方で、下の「千」が「とめる」書き方。
いったい、どちらが正しいのか??
ということで、日本の国語を管轄する文化庁の見解を徹底的に調査しました。
本記事では、「千」の漢字は「はらう」「とめる」どっち?正しい「千」について根拠も含めわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「千」の漢字は「はらう・とめる」どっちが正しい?
はじめに、正しい「千」の書き方を単刀直入にお伝えします。
「千」の漢字は、「はらう」ように書いても正解ですし、「とめる」ように書いても正解。
つまり、どのように書いても正しい漢字ということ。
どちらも正しい書き方である根拠については、日本の国語を管轄する文化庁が文書で示してくれていました。
「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について」という文書に明確に書かれていますので、その内容については次項で詳しくお伝えします。
「はらう」か「とめる」かは、パソコンのフォントの種類によって使い分けされてしていますよ。
毛筆のようなフォントである、「行書体」や「楷書体」は下のとおり「はらう」です。
そして、印刷物などに使われるフォントである「ゴシック体」や「明朝体」は、「とめる」書き方をしています。
こういったフォントも、「はらう」「とめる」双方が使われています。
ちなみに、書道においては、漢字の「千」は「はらう」書き方が基本。
そういった理由で、毛筆に近いフォントである「楷書体」や「行書体」は「はらう」形をしているのですね。
ただし…。
漢字の書き方としては、「はらう」「とめる」どちらでも間違いではありませんよ。
2.「千」の漢字に対する文化庁の見解!
続いて、日本の国語を管轄する文化庁が公式に示した文書の内容を紹介します。
その文書は、「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について」というタイトルで、平成28年(2016年)2月29日に発信されました。
4 手書き(筆写)の楷書では、いろいろな書き方があるもの
手書きの楷書においては、以下に挙げるような漢字の構成要素及び漢字の例のように、字形に違いがあっても、同じ字体として認めることのできるものがある。
それらを(1)~(6)に分類して示した。
(4)はらうか、とめるかに関する例漢字の点画の終筆をはらうか、とめるかについて、いろいろな書き表し方があるものとして、以下のような例が挙げられる。
ここに挙げるような点画のはらい方、とめ方の違いは、字体の判別の上で問題にならない。
エ 最終画又は構成要素の最終画となる縦画の終筆をとめて書くことも、はらって(ぬいて)書くこともあるもの◇ 上記を含め、同様に考えることができる漢字の例
引用元:常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について
このように、どちらも誤りではないという旨が記載されています。
「千」についても、「十」と同様に扱う漢字の中に含まれていますね。
他にも、たくさんの漢字が載っていますので、参考にしてください。
まとめ
以上が、漢字の「千」の正しい書き方についてでした。
「千」の漢字は、「はらう」ように書いても正解ですし、「とめる」ように書いても正解。
つまり、どのように書いても正しい漢字ということ。
細かいことは気にせずに、どのように書いても大丈夫ですよ。