手軽に栄養補給できる「バナナ」。
テニスの四大大会の中継を見ていると、かなりの確率で選手が試合中に食べています。
甘くて美味しいし、簡単に食べられる「バナナ」、優れたフルーツですね。
ところで、この「バナナ」ですが、名称から考えても外国の果物だよね…と思っていたら…。
なんと!漢字で表記できることがわかりました!
しかも、その漢字の数は1つだけではありませんよ!
ということで本記事では、「バナナ」の漢字表記とその由来について、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
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1.「バナナ」は漢字でどう書くの?
最初に触れましたが、「バナナ」の漢字は1つだけではありません!
漢字は下のとおり、3種類もあります!
ということで、この「芭蕉」「実芭蕉」「甘蕉」全て「バナナ」のこと。
そして、「芭蕉」は「ばしょう」、「実芭蕉」は「みばしょう」、「甘蕉」は「かんしょう」とも読みます。
この「芭蕉」といえば、思い浮かべる人物が「松尾芭蕉」。
「古池や かわず飛び込む 水の音」
「しずけさや 岩にしみ入る 蝉の声」
といった句で知られる、江戸時代の俳人「松尾芭蕉」です。
実は、植物の「芭蕉」と「松尾芭蕉」は関係がありますよ!
それは、次の「由来」の項で説明しますね。
ちなみに、私が持っている辞書で「バナナ」については下のとおり。
【バナナ(banana)】
・[植]バショウ科の多年草。熱帯アジア原産。形は芭蕉に似て、葉は大型で楕円形。夏に淡黄色の花を穂状につける。果実は弓型で房状になり、食用。
引用元:旺文社国語辞典
漢字の紹介はされていませんでしたが、「芭蕉に似て…」といった記述があります。
「バナナ」と「芭蕉」は別物??
ということで、一応「芭蕉」も調べてみました。
【芭蕉(ばしょう)】
・[植]バショウ科の多年草。中国原産。庭園などに栽培。高さは四、五メートルくらい。葉は二メートル近くになり、長楕円形。夏から秋に淡黄色の花を開く。観賞用。
引用元:旺文社国語辞典
「バナナ」とバナナに似ている「芭蕉」を比べると、「バナナ」は「食用」で「芭蕉」は「観賞用」といった違いがあります。
では、なぜ「バナナ」が「芭蕉」という漢字表記されるようになったのか?
その由来については、次項で説明します。
ちなみに、「実芭蕉」「甘蕉」は辞書に載っていませんでした…。
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2.「バナナ」の漢字の由来!
「バナナ」の漢字表記は、「芭蕉」「実芭蕉」「甘蕉」と全部で3種類です。
それでは、それぞれの漢字の由来にについて説明していきますね。
①「芭蕉」の由来!
「芭蕉」は「ばしょう」とも読みます。
辞書でも紹介しましたが、正確には「バナナ」という植物と「芭蕉」という植物は別物。
同じ仲間ではありますが、全く違う植物です。
その証拠に、「芭蕉」もバナナと似た形状の実をつけますが、タネが多く味も悪いため食べられません。
ですが、見た姿が全てにおいてそっくりだったことから、「バナナ」に「芭蕉」という漢字が使われるようになりました。
実際にイギリスでは、芭蕉のことを「ジャパニーズ・バナナ」と呼んでいました。
ただし、「ジャパニーズ・バナナ」といわれても、芭蕉の原産地は中国なんですけどね…。
「バナナ」が「芭蕉」と名付けられた時期は不明ですが、初めて輸入され出した明治時代と思われます。
では、「松尾芭蕉」と「芭蕉」の関係を説明します。
「松尾芭蕉」とは、実は俳号であって本名ではありません。
本名は、幼少期が松尾金作、その後に松尾忠右衛門に改名し、最後は松尾宗房(むねふさ)。
そして俳号の方は、松尾宗房(そうぼう)から、松尾桃青(とうせい)なり、その後に松尾芭蕉も併用で使うようになりました。
「桃青」は、あこがれの詩人「李白」にちなみ、「自分は未熟な青い桃」ということで名付けたとそうです。
ちなみに、「李白」の「李」は、果物の「すもも」のこと。
昔、松尾桃青の住まい(草庵)に弟子たちが芭蕉の木を植えたところ、それが立派に育ち草庵が「芭蕉庵」と呼ばれるようになりました。
そこで、松尾桃青は戯れ(ふざける)で「芭蕉」を桃青と併用で使うことにしたそうです。
そして、戯れる時は「戯号(ぎごう)」として「芭蕉」を使っていました。
公式の場では、「桃青」を名乗っていたそうです。
でも、現在は「桃青」といわれても「はっ?」「誰??」となりますよね…。
おそらく、「芭蕉」の方が深く浸透したものと思われます。
②「実芭蕉」の由来!
続いて「実芭蕉」ですが、これは「みばしょう」とも読みます。
さてさて、この「実芭蕉」…。
「バナナ」に対して「芭蕉」という漢字が当てられましたが、本当の「芭蕉」の実はマズくて食べることができません…。
そこで、食べられる「バナナ」と、観賞用で食べられない「芭蕉」を区別する意味で「実芭蕉」という言葉がうまれたと思われます。
要するに、実が食べられる「バナナ」は「実芭蕉」で、観賞用で実が食べられない方が「芭蕉」ということ。
③「甘蕉」の由来!
最後の「甘蕉」は、「かんしょう」とも読みます。
この「甘蕉」は、中国由来の漢字、つまり漢名。
ですから、中国では「バナナ」のことを「甘蕉」または「香蕉」といいます。
どのようにして、この漢名が日本に伝わったのかは定かではありません。
ですが野菜や果物などにおいては、日本古来の物以外には結構漢名が使われることが多いです。
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まとめ
以上が、「バナナ」の漢字表記とその由来についてでした。
参考にしてください。
「バナナ」を漢字表記する時は、「芭蕉」「実芭蕉」「甘蕉」と書いてください。
「芭蕉」と「実芭蕉」は、バナナとは違う芭蕉という植物が由来です。
植物の形状がバナナとそっくりな芭蕉が、バナナの漢字として使われるようになりました。
「甘蕉」は、中国での名称がそのまま日本に伝わった漢字です。