「実践」と「実施」。
漢字も読み方も似ています…。
「試験を実施する」といった使い方をしますが…。
「試験を実践する」となると、何となく変な感じがします…。
これは、間違いなく「実践」と「実施」には違いがあるということか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「実践」と「実施」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「実践」と「実施」の意味の違い!
最初に、「実践」と「実施」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「実施」とは、あらかじめ計画している物事などを行うこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「実践」の意味とは!
「実践」は、ある理論や主義にしたがって自分で実際に行動すること。
ただ物事を行うことではありません。
理論や主義などが存在し、そのとおり行うのが「実践」です。
たとえば、「実践研修」といった言葉があります。
これは、学んだことを実際に行動して身につける研修のこと。
要するに、学んだ「理論」を実際に行動するということですね。
その他にも、「神の教えを実践している」といった使い方があります。
これは、「神の教え」という「主義」を、ただ頭で理解するだけでなく、実際に行動しているということですね。
②「実施」の意味とは!
「実施」は、あらかじめ計画している物事などを行うこと。
「実践」とは違い、「理論」や「主義」は関係ありません。
ただ物事を行うことですが、あらかじめ計画した物事に多く使われる言葉です。
たとえば、「本日より3日間、予定どおり試験を実施します」といった使い方をします。
あらかじめ計画していた試験を行うということですね。
ちなみに、「本日より3日間、予定どおり試験を実施します」を「実践」に置き換えてみましょう。
すると、「本日より3日間、予定どおり試験を実践します」となりますが、少し変ですよね。
この試験は、別に理論や主義に基づいたものではなく、単に学力をはかるためのもの。
ですから、「実践」はふさわしくないのですね。
また、「神の教えを実践している」を「実施」に置き換えるとどうなるか。
「神の教えを実施している」…、これも変ですよね。
これを、「神の教えに基づいた奉仕活動を、計画どおり実施した」となると、しっくりきます。
これはつまり、ある主義主張に基づいた活動を計画して行った、ということになるのですね。
③「実践」と「実施」の違いを整理!
それでは、ここで一度「実践」と「実施」の違いを整理します。
ある理論や主義にしたがって自分で実際に行動するのが「実践」。
あらかじめ計画している物事などを行うのが「実施」。
「理論を実践する」、また、「計画を実施する」と覚えてください。
2.「実践」と「実施」の辞書での意味!
続いて、辞書による「実践」と「実施」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「実践」の辞書での意味!
【実践】
・ある理論や主義にしたがって自分で実際に行動すること。「理論よりも―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
②「実施」の辞書での意味!
【実施】
・実際に施行すること。「―を見合わせる」「入学試験を―する」
引用元:旺文社国語辞典
「施行」するとなっていますが、これは「政策・計画などを実行すること」という意味です。
説明したとおりの内容ですね。
3.「実践」と「実施」の使い方!
次に、「実践」と「実施」の使い方を例文で紹介します。
①「実践」の使い方!
・栄養バランスを考慮したダイエットを実践する。
・専門実践教育訓練給付制度について。
・親の教えを実践してきた。
・健康のため日々運動を実践している。
②「実施」の使い方!
・この活動はきちんと実施要領に基づいたものだ。
・三役会議を実施します。
・計画したからには必ず実施するべきだ。
・アンケート調査の実施状況を確認する。
4.「実践」や「実施」には似た意味の言葉がたくさんある!
「実践」や「実施」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「実践」と「実施」の意味の違いと使い分けについてでした。
「実践」は、ある理論や主義にしたがって自分で実際に行動すること。
その行動の前には、必ず決まった理論や主義が存在します。
「実施」は、あらかじめ計画している物事などを行うこと。
その行いは計画ではない場合もありますが、計画されていることが多いです。