「蔵元」と「酒蔵」。
似ています…、どちらにも「蔵」という字が付きますし…。
どちらも、日本酒をつくるところなのか?と思いますが…。
となると、「蔵元」と「酒蔵」は同じ意味…?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「蔵元」と「酒蔵」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「蔵元」と「酒蔵」の意味の違い!
最初に、「蔵元」と「酒蔵」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「酒蔵」とは、酒を製造したり、貯蔵している蔵のこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「蔵元」の意味とは!
「蔵元」は、お酒などをつくっているオーナーのこと。
「醸造元」ともいいます。
では、製造業のオーナーが全て「蔵元」なのか?と思うかもしれませんが、そういうことではりません。
「蔵元」は、「酒」「醤油」「味噌」といった発酵製品のオーナーのこと。
ちなみに、「醸造元」でもあると説明しましたが、この「醸造」とは発酵作用を使って製造することです。
実は「蔵元」には、もう一つの意味があります。
江戸時代に年貢米などが各藩に集められましたが、そういった年貢米などの物品を管理・販売を担当した商人がいました。
その商人の事を、「蔵元」と呼んでいたのです。
年貢米などが、蔵屋敷に集められたことから「蔵元」といわれたのですね。
②「酒蔵」の意味とは!
「酒蔵」は、酒を製造したり、貯蔵している蔵のこと。
「酒蔵」というくらいですので、「醤油」や「味噌」を製造する蔵の事を「酒蔵」とはいいません。
「酒」だけです。
そして、「酒蔵」は日本全国、様々な場所にありますよ。
「蔵元」は、オーナーのことですので、世界でたった一つしか存在しません。
これはつまり、「蔵元」が運営するのが「酒蔵」ですが、どのオーナーであっても「酒蔵」は「酒蔵」ということですね。
③「蔵元」と「酒蔵」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「蔵元」と「酒蔵」の意味の違いを整理します。
酒などを製造しているオーナーが「蔵元」。
醤油や味噌などの発酵製品を製造しているオーナーも「蔵元」といいます。
酒を製造したり、貯蔵している蔵が「酒蔵」。
醤油や味噌の蔵は「酒蔵」ではありませんよ。
2.「蔵元」と「酒蔵」の辞書での意味!
続いて、辞書による「蔵元」と「酒蔵」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「蔵元」の辞書での意味!
【蔵元】
①酒・しょうゆ・味噌などの醸造元。
②[日]江戸時代、諸藩の蔵屋敷で年貢米などの販売や金銭の出納を担当した商人。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、2つの意味が記載されていますね。
「醸造元」のことです。
②「酒蔵」の辞書での意味!
【酒蔵】
・酒を醸造、また貯蔵しておく蔵。
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容ですね。
3.「蔵元」と「酒蔵」の使い方!
最後に、「蔵元」と「酒蔵」の使い方を例文で紹介します。
①「蔵元」の使い方!
・先祖代々受け継がれている有名な蔵元だ。
・越乃寒梅の蔵元は新潟の石本酒造。
・世界的にも注目されている獺祭の蔵元は旭酒造。
・蔵元から藩の入用金を借り入れることが役目。
②「酒蔵」の使い方!
・試飲ができる酒蔵見学会にぜひ行ってみたい。
・菌を扱う酒蔵の空調は重要になってきます。
・酒蔵の責任者が杜氏です。
・新酒が出来ると酒蔵では杉玉をつるします。
まとめ
以上が、「蔵元」と「酒蔵」の意味の違いと使い分けについてでした。
「蔵元」は、酒などを製造しているオーナーのこと。
酒以外でも、醤油や味噌など発酵製品のオーナーが「蔵元」です。
「酒蔵」は、酒を製造、貯蔵している蔵のこと。
お酒の工場兼倉庫のことですね。