「文化」といえば、「世界文化遺産」などとテレビや新聞でニュースになります。
人がつくり出したものみたいなイメージがあります。
その他にも「お祭り」なども「文化」のひとつ。
でも、「お祭り」は地域の「慣習」といった言い方をしますよね…。
はてさて…、「文化」と「慣習」は同じ意味なのか…。
ということで、「文化」と「慣習」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「文化」と「慣習」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「文化」と「慣習」の意味の違い!
まずは、「文化」と「慣習」の意味の違いを端的にお伝えします。
「慣習」とは、古くから受け継がれてきたならわしやしきたりのこと。
一言で表現するとこういったことになりますが、微妙に違いますね。
では、さらに詳細に紐解いていきます。
①「文化」の意味とは!
「文化」は、社会の成員として人がつくってきた全ての物事という意味です。
このブログで使用している「文字」「言葉」も文化ですし、生活するための「家」「家電」、「農業」「漁業」全て文化ですね。
ですが狭義では、一般的に「精神的なもの」が「文化」、「物質的なもの」が「文明」といった使い分けがされています。
「精神的なもの」とは、たとえば「宗教」「学問」「芸術」「道徳」など。
ちなみに、「文化」は英語で「カルチャー」といいます。
この「カルチャー」の語源は「耕す」。
まさに、「人の生活を耕す」「人の心を耕す」ことで、収穫されたものこそが「文化」ということですね。
②「慣習」の意味とは!
「慣習」は、古くから受け継がれてきたならわしやしきたりのこと。
ちなみに、「ならわし」も「しきたり」もほぼ同じ意味で、目に見えないルールや決まり事、行動様式のような意味合いがあります。
そして、「古くから受け継がれてきた」という部分がポイントで、突然、最近決まったようなものは「慣習」とはいいません。
昔から代々受け継がれてきた、「お祭り」や「行事」、「お雑煮の味付け」などが当てはまります。
前項で説明した「文化」が、人々がつくり出した全ての物事ですので、「慣習」も「文化」のひとつといえます。
「文化」のうち、「ならわし」や「しきたり」でしかも古くから受け継がれてきているものが「慣習」ですね。
③「文化」と「慣習」の違いを整理!
ということで、ここで一旦「文化」と「慣習」の違いを整理します。
社会の成員として、人がつくり出した全ての物事が「文化」。
古くから受け継がれてきたならわしやしきたりが「慣習」です。
たとえば、「スマートフォン生活」は「文化」ですが、古くから受け継がれてきた生活様式ではありませんので「慣習」とはいいません。
代々受け継がれている地域のお祭りは、「文化」であり「慣習」ですね。
2.「文化」と「慣習」の辞書での意味!
続いて、辞書による「文化」と「慣習」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「文化」の辞書での意味!
【文化】
①武によらず文による徳で人民を教化すること。
②世の中が開け進んで生活水準が高まっていくこと。文明開化。
③人間が社会の成員としてつくり出していく、物質的・精神的成果の全て。「―遺産」「日本―」
④(他の語の上に付いて)新式である、便利である意を表す語。「―住宅」「―包丁」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は普段使わない意味ですが、「武」→「文」という意味の「文化」です。
そして意味②と意味③が最初の項目で説明したとおりで、全ての物事。
意味④は、便利な物事に対する比喩的な使い方ですね。
②「慣習」の辞書での意味!
【慣習】
・古くから伝えられひきつがれている、ある社会一般に通じるならわしやしきたり。「―に従う」
引用元:旺文社国語辞典
「古くから伝えられひきつがれている」と「ならわしやしきたり」という部分がポイント。
ここが「文化」の意味とは違う部分です。
3.「文化」と「慣習」の使い方!
次に、「文化」と「慣習」の使い方を例文で紹介します。
①「文化」の使い方!
・科学技術や芸術などの発展に貢献することで文化勲章が授与される。
・宗教や習慣などが同じ特徴をもつ地域を文化圏といいます。
・多くの学校では毎年文化祭が開催される。
・人類の活動によって生み出された重要文化財は守らなくてはいけない。
・応接室や玄関にドアをとり入れた和洋折衷の住宅を文化住宅といいます。
②「慣習」の使い方!
・消費者の心に根付いた価格を慣習価格といいます。
・社会通念として成立する文書としてない法律を慣習法といいます。
・春の訪れを祝い誰彼無く色粉を塗りあうホーリー祭りはインドの慣習。
・ひな祭りでハマグリを食べるのは多くの地域で慣習になっている。
・土用の丑の日にはウナギを食べることが慣習として根付いている。
4.「文化」や「慣習」には似た意味の言葉がたくさんある!
「文化」や「慣習」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「文化」と「慣習」の意味の違いと使い分けについてでした。
「文化」は、社会の成員として人がつくり出した全ての物事。
「慣習」は、昔から代々受け継がれてきたならわしやしきたりのことです。
お食い初めのお祝いは「慣習」であり「文化」でもありますが、「音楽」は「文化」ではありますが「慣習」とはいいません。
古くから受け継がれてきたならわしやしきたりなのか、という部分がポイントですね。