「癖」と「習慣」。
「習慣」を継続すると「癖」になるのか…。
「癖」が続くと「習慣」となるのか…。
それとも、「癖」と「習慣」は同じ意味なのか…。
ということで、「癖」と「習慣」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「癖」と「習慣」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「癖」と「習慣」の意味の違い!
まずは、「癖」と「習慣」の意味の違いを端的にお伝えします。
「習慣」とは、繰り返し行うその人のならわしやしきたりのこと。
短くまとめると、こういった違いになりますが少しわかりにくいですね。
それでは、さらにわかりやすく紐解いていきます。
①「癖」と「習慣」の違いをわかりやすく!
「癖」と「習慣」の違いのポイントの1つは、その行動が「かたよっている」かどうかという部分。
一般的に「癖」は、「かたよった」仕草や好み、また考え方などに使います。
「かたよった」とは、「基準からずれている」「つりあってない」「不公平」といったもの。
つまり、普通ではないもので、言い方を変えるならば、あんまり好ましくないようなイメージですね。
ですが、「かたよった」とはあくまでも普通ではないことであり、全てが全て「好ましくない」ということではありませんよ。
たとえば、「考え事をする時に鼻の穴をほじくる癖がある」というのは、かたよっていて好ましくありません。
ですが、「考え事をする時にあごを触る癖がある」というのは、かたよっていますが好ましくないわけではありませんよね。
一方の「習慣」は、繰り返し行うその人のならわしやしきたりのこと。
ならわしやしきたりとは、どちらも似た意味で行動様式や決まり事、ルールのような意味です。
そして、その行動にかたよりがあろうとなかろうと関係ないのが「習慣」なのですね。
たとえば、「毎朝、出社前にコーヒーを飲む習慣がある」というのは、多くの人が同じような習慣がありますし、かたよってはいません。
また、「毎朝、4時前に起床する習慣がある」といった場合、これも「習慣」ですが、少し人並外れているのでかたよっています。
ですから、「毎朝、4時に起床する癖がある」と、「癖」に置き換えることも出来るのですね。
この場合は、「習慣」と「癖」が同じ意味で使われています。
②「癖」と「習慣」の意識の違い!
もう1つの「癖」と「習慣」の違いのポイントは、「無意識的」か「意識的」という部分。
「癖」は、「無意識的」な仕草などが多くなります。
何かに「反応」するという言い方もできますね。
「何かが起きる」、すると「○○の仕草をする」といった具合に反射的に動いてしまうというような感じでしょうか。
ですから、前の項目で例に出した「毎朝、4時に起床する癖がある」というのは、体の体内時計が反応して目を覚ましているということ。
それに対して「習慣」は、「意識的」な行動が多くなります。
「無意識的」な行動もありますので、全てが全て「意識的」ということではありません。
あくまでも、「意識的」が多いということ。
ですから、「毎朝、4時に起床する習慣がある」というのは、「癖」と同じように無意識に体内時計が反応している場合もあります。
ただし、「毎朝、目覚まし時計で4時に起床する習慣がある」となった場合は完全に意識的になり、「癖」とは違ってきます。
また、「毎朝4時に起床して、2時間のランニングをする習慣がある」となった場合も同様。
「ランニング」が無意識ではできませんので、この場合は「癖」とはいいません。
③「癖」と「習慣」の違いを整理!
ということで、ここで一旦「癖」と「習慣」の違いを整理します。
かたよった仕草などが習慣になったものが「癖」。
かたよった、つまり普通ではない仕草のこと。
そして、その仕草などの多くは無意識に行われます。
繰り返し行うその人のならわしやしきたりが「習慣」。
かたよりは関係なく、そしてその行動の多くは意識的になされます。
2.「癖」と「習慣」の辞書での意味!
続いて、辞書による「癖」と「習慣」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「癖」の辞書での意味!
【癖】
①かたよった好み・しぐさ・考え方などが習慣になったもの。習癖。「つめをかむ―」「なくて七―」「―になる」
②かたよった性質・傾向。特徴。「―のある文章」
③ゆがんで折れたりして、元の形にもどりにくくなったもの。「髪の毛に―がつく」
引用元:旺文社国語辞典
意味①は、前の項目で説明したとおりの内容ですね。
ちなみに、「習癖」とは習慣になっている癖のことです。
そして、意味②と意味③は、人の行動以外のもの。
意味②は「癖のある味」といった使い方をしますし、意味③は「襟に癖がついて戻らなくなった」といった使い方をします。
②「習慣」の辞書での意味!
【習慣】
①その土地で慣例・しきたりとして行われていること。風習。「土地の―に従う」
②繰り返し行うことにより、それがその人のならわしとなること。「早起きの―」
引用元:旺文社国語辞典
意味②が、前の項目で説明したとおりの内容です。
そして、意味①は説明しませんでしたが、個人の行動以外に地域社会、つまり集団の行動に対しても使います。
意味の中に「風習」とありますが、地域のお祭りのようなもののことですね。
3.「癖」と「習慣」の使い方!
次に、「癖」と「習慣」の使い方を例文で紹介します。
①「癖」の使い方!
・考えると無意識に頭をかく癖がある。
・彼は会話の中でいつも自慢話をする癖がある。
・彼は時々人を見下す癖がある。
・指の骨をボキボキならす癖があるがうるさい。
・いつも腰が低く、頭を下げるのが癖になっている。
②「習慣」の使い方!
・乱れた生活を長年続けることで生活習慣病につながる。
・食習慣を見直して健康診断を受ける。
・喫煙習慣者の割合を調査する。
・ゴルフ場に到着したらラウンド前にコーヒーを飲む習慣がある。
・毎日21時に寝る習慣があり、朝も早く起きる。
4.「癖」や「習慣」には似た意味の言葉がたくさんある!
「癖」や「習慣」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「癖」と「習慣」の意味の違いと使い分けについてでした。
「癖」は、かたよった仕草などが習慣になったもの。
かたよっており、しかも無意識に行うのが「癖」です。
「習慣」は、繰り返し行うその人のならわしやしきたりのこと。
「習慣」の多くは意識的であり、かたよっているか否かは関係ありません。