「色彩」といえば、なんとなく鮮やかな色合いを思い浮かべますが…。
似た言葉で「彩色」があります。
「色彩」と「彩色」。
漢字の前後を入れ替えただけの言葉ですが…。
意味は同じなのか…、それとも…。
ということで、「色彩」と「彩色」の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「色彩」と「彩色」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「色彩」と「彩色」の意味の違い!
まずは、「色彩」と「彩色」の意味の違いを端的にお伝えします。
「彩色」とは、色をつけることです。
「色」そのものと、「色をつける」の違いですね。
特に「色彩」には、他の意味もありますので、さらに詳しく紐解いていきます。
①「色彩」の意味とは!
「色彩」は、基本的に「色」のこと。
「色」そのもののことですね。
目を開けた時に人間の目に飛び込んで来るものが「色彩」です。
その他に、様々な色が配合されたものも「色彩」といいます。
これはつまり、配色された様々な「色」が「色彩」でもあるということですね。
ただし、「色彩」は色以外の意味があります。
それは、ある物事の傾向や性質などを表す意味。
たとえば、「なんとなく、○○の傾向がある」「なんとなく、○○に似たような性質がある」といった使い方ですね。
具体的には、下のとおりです。
「政治的色彩が残っている」
「昭和の色彩を帯びている」
「国家資本主義的色彩を感じる」
こういった、感じでしょうか。
正確には違いますが「色眼鏡で見る」という言葉と、「色」そのものが似たような意味合いかもしれません。
②「彩色」の意味とは!
「彩色」は、「色をつける」という意味。
ですから「色」そのものではなく、その「色をつける」ことで初めて「彩色」になるわけですね。
ただ単に「色をつける」という意味のほかに、辞書によっては「化粧する」といった意味もあります。
この化粧は、人の顔にほどこすものというよりも、物の表面を美しく飾るという意味。
つまり、色で綺麗に飾ること、これも「彩色」です。
③「色彩」と「彩色」の違いを整理!
ということで、ここで一旦「色彩」と「彩色」の違いを整理します。
色そのものが「色彩」。
また、物事の傾向や性質なども「色彩」といいます。
そして、色をつけることが「彩色」。
「色」と「色をつける」の違いです。
2.「色彩」と「彩色」の辞書での意味!
続いて、辞書による「色彩」と「彩色」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「色彩」の辞書での意味!
【色彩(しきさい)】
①いろ。いろどり。「―感覚」
②ある物事の示す傾向や性質。「保守的―」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つありますが、前の項目で説明したとおりの内容です。
②「彩色」の辞書での意味!
【彩色(さいしき)】
・いろどること。彩色(さいしょく)。
引用元:旺文社国語辞典
「いろどること」なので、色をつけるという意味ですね。
3.「色彩」と「彩色」の使い方!
最期に、「色彩」と「彩色」の使い方を例文で紹介します。
①「色彩」の使い方!
・明るめの色彩で埋め尽くす。
・文部科学省認定ファッションコーディネート色彩能力検定。
・長い年月が経過して色彩がくすむ。
・話が徐々に怪談の色彩を帯びてきた。
・彼の小説はキリスト教的な色彩を感じる。
②「彩色」の使い方!
・日本画の彩色筆は、粒子のある顔料をたっぷり含ませて塗るためのものです。
・彩色された兵馬俑が出土した。
・鮮やかな色を何色もつけることを極彩色といいます。
・明るめに彩色された壁。
・青い空を鮮やかな虹が見事に彩色。
まとめ
以上が、「色彩」と「彩色」の意味の違いと使い分けについてでした。
「色彩」は、色そのもののこと。
また比喩的な使い方で、物事の傾向や性質なども「色彩」といいます。
そして「彩色」は、色をつけることです。
「色」と「色をつける」の違いですね。