「児童」というと、子供のイメージですが…。
ですが、ときどき「小児」という言葉も目にすることもあります。
特に、病院の看板でよく…。
この「児童」と「小児」。
意味は同じなのだろうか?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「小児」と「児童」の意味の違いについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「小児」と「児童」の意味の違い!
まずは、「小児」と「児童」の意味の違いを端的にお伝えします。
「児童」とは、子供の意味ですが、主に小学生のことです。
簡単に言ってしまえば、こういう違いになります。
それでは、細かい年齢なども含め、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「小児」とは!何用語?
「小児」は、医学の世界で使われる言葉で、小さい子供のこと。
たとえば、「小児科」や「小児病棟」といった使い方をします。
どちらも病院ですよね。
その他に「小児麻痺」や「小児喘息」など、病名にも使われます。
そして、「小児」の具体的な年齢なのですが、実は決まりはありません。
あくまでも、小さい子供という意味。
ですが、小児科の受診年齢は一般的には15歳未満が多いようです。
病院によっては、20歳までというところもあれば、年齢の制限がないところもあるみたいですよ。
つまり、「小児」には年齢の定義はないということですね。
②「児童」の意味は幅が広い!
「児童」は、子供という意味なのですが、その年齢の定義は様々です。
その年齢区分は大きく4種類あります。
A.一般的な「児童」は「小学生」!
「児童」は、子供の中でも特に小学生の意味があります。
世の中で、一番多く使われる「児童」の意味がこの「小学生」ではないでしょうか。
中学校や高校では「生徒会長」といいますが、小学校の場合は「児童会長」です。
小学校の1年生から6年生までが、一般的な「児童」ということ。
B.「児童」を小学生に満たない子供に使う例外もある!
「児童」は、一般的には小学生のことなのですが、小学校に入学前の子供の対し使われるケースがあります。
それは、「待機児童」。
「待機児童」とは、子供を保育施設などに入所させる意思があるにもかかわらず、定員の関係で入所できない子供のこと。
この場合は、小学校入学前ではありますが、例外的に「児童」と呼ばれます。
C.学校教育法による「児童」の定義!
学校教育法による「児童」の定義は以下のとおり6歳から12歳までです。
ただし、特別支援教育を受ける子もいますので12歳を超える場合もあります。
【学校教育法】
第十七条 保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。
引用元:学校教育法
6歳から12歳まで、小学校で就学させるとなっていますね。
ちなみに、特別支援教育を要する子供もいますので、場合によっては12歳以上で小学校の課程に在籍する場合もあります。
【学校教育法】
第十八条 前条第一項又は第二項の規定によって、保護者が就学させなければならない子(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、同条第一項又は第二項の義務を猶予又は免除することができる。
引用元:学校教育法
ここで出てきた「学齢児童」が小学生のこと。
ちなみに、「学齢生徒」は中学生のことです。
D.児童福祉法による「児童」の定義!
児童福祉法による「児童」の定義は以下のとおりです。
【児童福祉法】
第四条 この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。
一 乳児 満一歳に満たない者
二 幼児 満一歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
三 少年 小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者
引用元:児童福祉法
つまり、0歳から17歳までが「児童」ということ。
さらに、その「児童」を細分化しているということですね。
③「小児」と「児童」の違いを整理!
といことで、ここで一旦「小児」と「児童」の違いを整理します。
「小児」は、小さい子供という意味で、多くが医学の用語として使われる言葉。
「小児」の年齢に定義はありませんが、一般的には15歳未満が多いようです。
「児童」は、子供の意味ですが、主に小学生のこと。
ただし、その意味は幅が広く、場合によっては0歳から17歳までを「児童」と呼ぶ場合があります。
2.「小児」と「児童」の辞書での意味!
続いて、辞書による「小児」と「児童」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「小児」の辞書での意味!
【小児】
・小さな子供。小児(しょうじ)。
引用元:旺文社国語辞典
辞書では、「小さな子供」という説明しかありません。
②「児童」の辞書での意味!
【児童】
①子供。「―公園」
②小学生。[参考]児童福祉法では満一八歳未満の者を児童といい、学校教育法では満六歳から一二歳までを学齢児童という。
引用元:旺文社国語辞典
意味①は広い意味での子供。
その中でも、小学生と定義しているのが意味②ですね。
3.「小児」と「児童」の使い方!
次に、「小児」と「児童」の使い方を例文で紹介します。
①「小児」の使い方!
・小児救急電話相談
・日本小児アレルギー学会
・小児急性胃腸炎
・小児歯科専門医
②「児童」の使い方!
・児童厚生施設
・児童虐待防止法
・児童扶養手当
・新潟市児童センター
4.「小児」や「児童」には似た意味の言葉がたくさんある!
「小児」や「児童」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「小児」と「児童」の意味の違いについてでした。
「小児」は、多くが医学の用語として使われる言葉であり、意味は小さい子供のこと。
一般的には15歳未満を「小児」と呼ぶことが多いですが、年齢の定義は存在しません。
「児童」は、子供のことで、主に小学生のことです。
しかし、法律などによっては0歳から17歳までを「児童」とすることもあります。