「良識」と「常識」。
これ、同じ意味でしょ!と思っていました。
実際に「良識ある行動」といいますし、「常識的な行動」ともいいますよね。
この違いって…。
ですが、「良識」と「常識」では全く意味が違うようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「良識」と「常識」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「良識」と「常識」の意味の違い!
最初に、「良識」と「常識」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「常識」とは、世間一般の人が共通に持っている、当たり前の知識と判断力のこと。
一言で表現すると、こういった違いになります。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「良識」の意味とは!
「良識」は、物事を深く見とおすことができるすぐれた判断力のこと。
ですから、人間の高い能力のことですね。
具体的には、物事の「善悪」「正誤」「是非」などを見きわめて判断する能力のこと。
たとえば、日本の国会は「衆議院」と「参議院」の両院制となっていますよね。
これは、一方の議院で決めたことをさらに別の議院で審議して慎重に決めるという目的と、より多くの国民の意見を反映させるという2つの目的があります。
この両院のうち、「参議院」が「良識の府」と呼ばれているのです。
「参議院」は、政党の利益や政略を考えずに、中立公正な立場で正しい優れた判断をするべき場所というのが「良識の府」の由来。
つまり、「良識」というのは偏りのない正しい判断ができる能力ということです。
②「常識」の意味とは!
「常識」は、世間一般の人が共通に持っている知識や判断力のこと。
ですから「常識」は、すぐれた能力ではなく、最低限持つべき当たり前の知識や判断力ということです。
「良識」はすぐれた力で他人に尊敬されるべきものですが、「常識」は持っていないと軽蔑されるのですね。
たとえば、行列に並んで買い物をしようとした場合、割り込まずに後ろに並ぶのが「常識」。
仮に、前に割込みした場合は「常識」がないといわれます。
③「良識」と「常識」の違いを整理!
それでは、ここで一度「良識」と「常識」の違いを整理します。
物事を深く見とおすことができる、すぐれた判断力が「良識」。
世間一般の人が共通に持っている、当たり前の知識と判断力が「常識」。
すぐれた判断力が「良識」、当り前の知識と判断力が「常識」ですね。
何が善悪なのかは世界各国で一致するものではありませんが、それを判断する力というのは世界各国でバラバラになるものではありません。
すぐれた判断力を持つ人は世界中にいるわけで、つまり、「良識」は国によって違うというものではないということ。
しかし、「常識」は世界各国それぞれの長年の習慣で培われるもので、世界共通のものではありません。
2.「良識」と「常識」の辞書での意味!
続いて、辞書による「良識」と「常識」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「良識」の辞書での意味!
【良識】
・(ボン-サンス(フランス bon sens)の訳語)物事に対する健全な判断力。「―ある行動」「―に訴える」引用元:旺文社国語辞典
「健全」とは、偏りがなく調和がとれていて正常であるという意味。
「健全な判断力」は「すぐれた見識」ともいえます。
②「常識」の辞書での意味!
【常識】
・世間一般の人が共通に持っている、また、持つべきだとされる知識や判断力。「―がない」「非―」引用元:旺文社国語辞典
要するに、当り前の知識や判断力ということですね。
3.「良識」と「常識」の使い方!
次に、「良識」と「常識」の使い方を例文で紹介します。
①「良識」の使い方!
・良識派という区分は人間ができることなのか。
・最終的にはみなさまの良識に訴える。
・良識の判断に土台をおいた動き。
②「常識」の使い方!
・毎日顔をあわせていながら挨拶もしない彼の常識を疑う。
・魚に火をとおして食べるのが常識だった国に日本の寿司文化が浸透する。
・冬は布団を掛けて寝るのが常識でしょ。
4.「良識」や「常識」には似た意味の言葉がたくさんある!
「良識」や「常識」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「良識」と「常識」の意味の違いと使い分けについてでした。
「良識」は、物事を深く見とおし本質をとらえる、すぐれた判断力のことです。
「常識」は、世間一般の人が共通に持っている、当たり前の知識と判断力のこと。
持つべきは「良識」、最低持ってなくてはいけないのが「常識」です。