「指導」と「育成」。
この違いって、まぎらわしいですよね…。
といいますか、同じ意味か?と思ってしまいます。
たとえば、「新入社員を指導する」といいますし、「新入社員を育成する」ともいいますよね…。
いったい、何がどのように違うのか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「指導」と「育成」では決定的な違がありました!!
本記事では、「指導」と「育成」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「指導」と「育成」の意味の違い!
最初に、「指導」と「育成」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「育成」とは、育て上げて立派にすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「指導」の意味とは!
「指導」は、教え導くこと。
「育成」は相手を「立派」にする目的がありますが、「指導」の意味に「立派」になるかどうかといった定義はありません。
「指導」する側は、「指導」を受ける側に対して「正しい方向」を教え導く、これが「指導」です。
たとえば、新入社員が、ある苦情を言ってきたお客さまの対応に困ったとしましょう。
この時に上司が相談を受けた場合、上司は「正しい対応方法」を教えます。
これが「指導」。
つまり、正しい答えを教えるのが「指導」です。
しかもこれは、基本的に「上司→新入社員」といった一方通行で行われます。
また、この「指導」は、「新入社員を立派な人材に育てよう」といった目的意識があるかどうかは関係ありません。
②「育成」の意味とは!
「育成」は、育て上げて立派にすること。
立派にするという、大きな目的があるのが「育成」です。
「指導」のように教え導くだけでは、立派に育ちません。
たとえば、新入社員に対してある苦情に対するお客さま対応を「指導」したとしましょう。
その新入社員は、その苦情に対する対応方法は教えてもらったので、同じ苦情には今後も対応できると思われます。
ですが、また違ったパターンの苦情がきた場合、もしかしらたらうまく対応できないかもしれません。
立派な社員に育てあげるためには、「指導」だけでは限界があるということ。
「育成」の場合は、たとえばその新入社員に対し、ただ教えるだけではなく考える力を身につけさせます。
お客さまの気持ち、今後の影響、緊急性、社内の基本ルール、コンプライアンスなど、様々な要因を総合的に考えて自分の力で判断できるようにするということ。
つまりは、新入社員を自立させるということですね。
これが、新入社員を立派に育て上げる「育成」です。
ちなみに、「育成」するまでの間には、教え導く「指導」があっても良いと思いますが…。
答えを教える「指導」だけでは、立派に育て上げるのは不可能でしょう。
立派にするためには、自分の背中を見せること、新入社員をやる気にすることなどが必要になります。
③「指導」と「育成」の違いを整理!
それでは、ここで一度「指導」と「育成」の違いを整理します。
教え導くのが「指導」。
育て上げて立派にするのが「育成」。
答えを教えるのが「指導」で、答えを見つける力をつけさせるのが「育成」です。
2.「指導」と「育成」の辞書での意味!
続いて、辞書による「指導」と「育成」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「指導」の辞書での意味!
【指導】
・教えみちびくこと。「―者」「生徒を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「育成」の辞書での意味!
【育成】
・りっぱに育て上げること。「人材―」「後継者を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「指導」と「育成」の使い方!
次に、「指導」と「育成」の使い方を例文で紹介します。
①「指導」の使い方!
・自動車教習所の指導項目に加えるべきことをいくつか考えてみた。
・3カ月間は新入社員一人ひとりに指導員を付ける。
・スタジオから講師が在宅の受講生に向けてダンスの指導を配信する。
・カメの飼育のコツを子どもたちに指導する。
②「育成」の使い方!
・プロのレーシングドライバーを目指す若手育成プログラムへの募集を開始。
・従来よりもリスクを取って国内の新産業育成につなげる考えを示した。
・コミュニティ-センターは子供を含む地域住民の交流や人材育成の場として利用される。
・日本サッカー協会の使命は、選手だけではなく指導者の育成も欠かせないもの。
4.「指導」や「育成」には似た意味の言葉がたくさんある!
「指導」や「育成」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「指導」と「育成」の意味の違いと使い分けについてでした。
「指導」は、教え導くこと。
「育成」は、育て上げて立派にすること。
立派にするという目的が前提にあるのが「育成」ですが、「指導」にはそういった目的がありません。