「訓練」と「練習」。
「脱出の訓練」といった場合、「脱出の練習」にすると意味に違いはあるのだろうか?
なんとなく、同じ意味に思えてしまう…。
ですが、実は似ているようで全く意味が違うらしい…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「訓練」と「練習」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「訓練」と「練習」の意味の違い!
最初に、「訓練」と「練習」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「練習」とは、本人が技術などを繰り返して身につけること。
一言にまとめると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「訓練」はどちら側の言葉?
「訓練」も「練習」も、技術などを繰り返し身につける、という部分は共通しています。
ただし、「訓練」の方は「身につける側」の言葉ではありません。
「訓練」は、「させる側」の言葉なのです。
つまり、「やりなさい」「やってください」と言う側。
身につける側とは違う、別の立場に立った言葉ということですね。
たとえば、「訓練を実施する」といった場合、自分が行うことではありません。
「訓練を実施する」とは、「他人に身につけさせる」という意味ですよ。
使い方には注意が必要です。
「避難訓練」という言葉がありますが、これは自発的に行うという意味ではなく、他の人にやらせるという意味なのですね。
②「練習」はどちら側の言葉?
「練習」も、技術などを繰り返し身につけること。
そして「練習」は、「身につける側」の言葉です。
ですから、「私は、今日は思いっきり練習します」といった場合は自分が身につけるということ。
ちなみに、別の人が誰かに身につけさせる場合は「練習させる」といいます。
「訓練」の場合は「訓練」の一言で相手にさせるという意味ですが、「練習」を別の人にさせる場合は「練習させる」ということで「させる」が必要になるのですね。
③「訓練」と「練習」の違いを整理!
それでは、ここで一度「訓練」と「練習」の違いを整理します。
「訓練」は技術などを身につけさせること、「練習」は技術などを身につけること。
「訓練」が「させる」ことで、「練習」が「する」こと。
立ち位置が、真逆であるということです。
2.「訓練」と「練習」の辞書での意味!
続いて、辞書による「訓練」と「練習」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「訓練」の辞書での意味!
【訓練】
・ある能力・技術などが見につくように、実際に練習させて教えること。「避難―」
引用元:旺文社国語辞典
「身につくように練習させる」「教える」とありますので、「させる側」の言葉ですね。
②「練習」の辞書での意味!
【練習】
・学問・技芸などをくりかえし習うこと。けいこ。「ピアノの―」「毎日―する」
引用元:旺文社国語辞典
「習う」とは、「教わる」「繰り返し身につける」という意味です。
する側の言葉ですね。
3.「訓練」と「練習」の使い方!
次に、「訓練」と「練習」の使い方を例文で紹介します。
①「訓練」の使い方!
・パイロットの飛行訓練装置。
・公共職業訓練のご案内。
・消防訓練礼式の基準。
・消火訓練用放射器を購入。
・防災訓練計画書を作成する。
②「練習」の使い方!
・疲れて練習に行きたくない。
・カラオケボックスで歌の練習に励む。
・練習した効果があった。
・自分が練習台になる。
・具体的な練習計画書を作成する。
4.「訓練」や「練習」には似た意味の言葉がたくさんある!
「訓練」や「練習」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「訓練」と「練習」の意味の違いと使い分けについてでした。
「訓練」は技術などを身につけさせることで「させる側」の言葉、「練習」は技術などを身につけることで「する側」の言葉です。
立ち位置に違いがあることを覚えておきましょう。
「盲導犬訓練士」とは、技術を「犬に身につけさせる」資格のこと。
まさに、「させる」人のことですね。