「必然」と「必要」。
似ています…。
並べてみると、どちらも「必ず」という漢字が使われています。
「必ず」が使われているので、どちらも「必ず○○」といった意味だと思うのですが…。
使い分けのポイントは、この「必ず○○」の○○の部分にあるような…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
「必然」と「必要」は、全く別の意味を持つ言葉でした!
本記事では、「必然」と「必要」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「必然」と「必要」の意味の違い!
最初に、「必然」と「必要」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「必要」とは、必ずなくてはならないこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「必然」の意味とは!
「必然」は、必ずそうなること。
たとえば、水を炎で熱するとやがて蒸発してしまいます。
この、水を熱することで蒸発することは、必ずそうなることですよね。
つまり、「水を熱することで蒸発してしまうのは必然である」ということになります。
それから、占いをしてもらったとしますね。
占い師から、「あなたは、今年中に宝くじで高額当選するでしょう」と言われたとします。
仮に、あなたの宝くじが高額当選したとしても、これは「必然」とはいいません。
なぜなら、当選しない可能性もあったわけで、必ず高額当選することになると決まっていたわけではありませんから。
水を熱することで蒸発することは、因果関係があります。
しかし、占い師の「占い」と「結果」には因果関係はないので、「必然」ではありません。
宝くじの当選は「必然」ではなく、たまたまですので「偶然」です。
②「必要」の意味とは!
「必要」は、必ずなくてはならないこと。
文字どおり、「必ず」「要る」ですね。
たとえば、生活していくためには「お金」はなくてはならないもの。
お金は、「必ず」「要る」ものですので、「必要」なものということになります。
それから、休日に会社でトラブルが発生し、上司から呼び出しを受けたとします。
「大至急、出社してくれ!」と言われたら、急がなくてはいけません。
この場合は、「急ぐ必要がある」ということになります。
「急ぐ」という行動が、必ず要るということ。
ちなみに、上司から朝に電話があり「夕方までに、出社してほしい」と言われたら。
この場合は、「別に、急ぐ必要はない」ということになります。
つまり、「急ぐ」という行動は、必ず要るというわけではないということ。
③「必然」と「必要」の違いを整理!
それでは、ここで一度「必然」と「必要」の違いを整理します。
必ずそうなることが「必然」。
因果関係があります。
必ずなくてはならないことが「必要」。
文字どおり必ず要るもの、また、必ず要ることです。
2.「必然」と「必要」の辞書での意味!
続いて、辞書による「必然」と「必要」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「必然」の辞書での意味!
【必然】
・必ずそうなるに決まっていること。そうなる以外にないこと。必至。「―の帰結」↔偶然
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
対義語は「偶然」です。
②「必要」の辞書での意味!
【必要】
・なくてはならないこと。また、そのさま。「―に迫られる」「不―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりです。
3.「必然」と「必要」の使い方!
次に、「必然」と「必要」の使い方を例文で紹介します。
①「必然」の使い方!
・タイヤ性能により、クルマのパフォーマンスが大きく影響を受けることは必然だ。
・木々が多いマンションでは必然的に害虫の侵入も多くなっているようです。
・人手不足が深刻化し、失業率が完全雇用に近い状態まで低下し続けるのは必然だった。
・除雪機を使用できない場所では、必然的に人力での除雪が要求される。
②「必要」の使い方!
・石油ストーブは空気が汚れてしまうので、こまめな換気が必要となります。
・キャンセルする場合には出発予定の予約便から30日以内に手続きが必要。
・エグゼクティブは部下から信頼されることが必要です。
・胃のエックス線写真で精密検査が必要になる。
4.「必然」や「必要」には似た意味の言葉がたくさんある!
「必然」や「必要」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「必然」と「必要」の意味の違いと使い分けについてでした。
「必然」は、必ずそうなること。
「必要」は、必ずなくてはならないこと。
必ずそうなるが「必然」、必ず要るが「必要」ですので、全く意味が異なります。