「着実」と「確実」。
まぎらわしいですよね…。
両方同じ条件で使える場合もあれば、使えないこともあります…。
たとえば、「着実に前に進む」を「確実に前に進む」に置き換えても大丈夫ですよね。
でも、「賞味期限切れが確実だ」といっても「賞味期限切れが着実だ」というと変な感じです…。
これは、「着実」と「確実」には間違いなく違いがあるということ…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「着実」と「確実」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「着実」と「確実」の意味の違い!
最初に、「着実」と「確実」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「確実」とは、確かで間違いのないこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「着実」の意味とは!
「着実」は、落ち着いて、確かで間違いのないように物事を処理すること。
「確かで間違いのないように」という部分は「確実」との共通点です。
ですが、「着実」の特徴は「落ち着いて」というところ。
「確実」の方は「落ち着いて」いるかどうかは関係ありません。
「着実」の特徴である「落ち着いて」ということは、「慌てない」ということです。
これはつまり、「着実」は「人の行動」に対して多く使う言葉であるということ。
たとえば、「着実に前に進む」とか「着実に得点を加えていく」といった使い方をします。
これは全て、「人の行動」。
「着実に前に進む」ということは、ある人が「落ち着いて、確かで間違いのないように前に進む」ということです。
「着実に得点を加えていく」ということは、ある人やチームが「落ち着いて、確かで間違いのないように、1点また1点と得点を加えていく」ということ。
ただし、「着実」は、動きがあるものであれば、人の行動以外であっても使うことができます。
「着実にカビに侵食されていく」
「外壁が着実に崩壊へ進んでいる」
これは、人の行動ではありませんが、「侵食されていく」「進んでいる」ということで動きがあります。
②「確実」の意味とは!
「確実」は、確かで間違いのないこと。
「確実」の方は、「確かで間違いのないこと」であれば、人の行動も含めその他の物事全てが対象となります。
ですから、「確実に前に進む」や「確実に得点を加えていく」といった人の行動に使っても違和感はありません。
また、「確実」は人の行動でもなく動きがないものにも使えます。
たとえば、「この牛乳は確実に賞味期限が切れている」といった使い方。
意味は、「この牛乳は、間違いなく確かに賞味期限が切れている」ということ。
逆に、これは人の行動でも動きもありませんので、この例文に「着実」は使えません。
「この牛乳は着実に賞味期限が切れている」
こうなると、違和感があります。
③「着実」と「確実」の違いを整理!
それでは、ここで一度「着実」と「確実」の意味の違いを整理します。
落ち着いて、確かで間違いのないように物事を処理するのが「着実」。
慌てずに確かで間違いのない人の行動といった言い方もできますし、確かで間違いのない動きといった言い方もできます。
そして、確かで間違いのないことが「確実」。
人の行動でも、それ以外の物事にも使えるのが「確実」です。
2.「着実」と「確実」の辞書での意味!
続いて、辞書による「着実」と「確実」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「着実」の辞書での意味!
【着実】
・落ち着いて確実に物事を処理すること。危なげのないこと。また、そのさま。「―な歩み」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「確実」の辞書での意味!
【確実】
・確かで間違いのないさま。「―な情報」「当選―」「不―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりです。
3.「着実」と「確実」の使い方!
最後に、「着実」と「確実」の使い方を例文で紹介します。
①「着実」の使い方!
・あの会社は着実に大きくなっている。
・毎日運動することで着実に痩せていきます。
・カミキリムシの影響で着実に木が腐ってきている。
・この国は着実にデフォルトに向かっている。
②「確実」の使い方!
・あの会社は確実に大きくなっている。
・毎日運動することで確実に痩せていきます。
・この雨では確実に川の水位が上がる。
・地下施設では確実に電波の受信ができない。
まとめ
以上が、「着実」と「確実」の意味の違いと使い分けについてでした。
「着実」は、落ち着いて確かで間違いのないように物事を処理すること。
人の行動や、動きのある物事に対して使います。
「確実」は、確かで間違いのないこと。
動きがある物事でも、動きのない物事にも使えます。