「正確」と「確実」。
似ていますよね…。
「正確に伝える」
「確実に伝える」
というように、言葉を入れかえても違和感がありません。
えっ…じゃあ、同じ意味なのか…?
いやいや、「正解」と「確実」では微妙な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「正確」と「確実」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「正確」と「確実」の意味の違い!
まずは、「正確」と「確実」の意味の違いを端的にお伝えします。
「確実」とは、確かで間違いのないこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「正確」と「確実」の違いのポイント!
「正確」は正しく間違いのないことで、「確実」は確かで間違いのないこと。
どちらも、「間違いのないこと」は共通点。
ですが、「正確」は「正しく」、「確実」は「確か」という違いがあります。
「正しく」というのは、「答え」や「基準」のようなものが存在しそれと合致すること。
一方の「確か」は、そういった「答え」や「基準」があるとは限りません。
ですから、「正確」というのは「答え」や「基準」と必ず合致していることで、「確実」は「答え」や「基準」と合致していることもあればそうでないこともあります。
たとえば、「正確に伝える」といった場合。
これは、伝える内容が正しいかといった部分にスポットが当たります。
つまり、伝える内容が「答え」と合致しているのかということ。
伝える内容が、答えどおり間違いなく正しいのかということですね。
そして、「確実に伝える」の場合。
これは、伝える内容が正しいかということと、伝達するという行為をしたのかという部分の両方にスポットが当たります。
たとえば、「うな重3人前注文しておいて」と伝えたところ、相手は「うな重2人前」と認識したとします。
この場合、答えは間違っていますので「正確」ではありません。
また、「確実」に伝えたことにもならないといった見方もできます。
ですが、伝えた人は伝達行為を間違いなくしましたので、「あなたに、確実に伝えましたよね」といった言い方ができます。
つまり、伝達行為をしたということで、「確実に伝えた」といった見方もできるということです。
答えと合致することが求められる「正確」と、答えがない場合もある「確実」の違いということ。
もちろん、「確実」は答えとの合致が求められることもあります。
②「正確」と「確実」、一方にしか使えない場合も!
「正確」と「確実」は、必ず双方を入れかえできるとは限りません。
具体的には、以下のとおり。
「台風が上陸するのは確実だ」
これは、実際によく使われている文章ですよね。
この場合、台風の上陸が「答え」でも、「基準」に合致しているものでもありません。
ですから、「台風が上陸するのは正確だ」といった使い方はしません。
また、逆のパターンもあります。
「この計量器は非常に正確だ」
これは、計量器が正しく「答え」どおりに測定してくれるということ。
「この計量器は非常に確実だ」
となると、いったい何を言っているのか不明です。
ということで、「正確」と「確実」は、お互いにその言葉しか通用しない、入れかえができない場合もあります。
③「正確」と「確実」の違いを整理!
それでは、ここで一度「正確」と「確実」の意味の違いを整理します。
正しく間違いのないことが「正確」。
確かで間違いのないことが「確実」。
「正確」は答えと合致しなくてはいけませんが、「確実」は答えと合致しなくてはいけない場合と答えがない場合があります。
2.「正確」と「確実」の辞書での意味!
続いて、辞書による「正確」と「確実」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「正確」の辞書での意味!
【正確】
・正しくたしかなこと。まちがいのないこと。また、そのさま。「―を期する」「―な判断」「不―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
②「確実」の辞書での意味!
【確実】
・確かで間違いのないさま。「―な情報」「当選―」「不―」
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容ですね。
3.「正確」と「確実」の使い方!
最後に、「正確」と「確実」の使い方を例文で紹介します。
①「正確」の使い方!
・電波時計は正確に時を刻む。
・彼の作成する文書はいつも正確で誤字がない。
・報道している内容は正確である。
・彼はいつも時間に正確だ。
②「確実」の使い方!
・確実に地震が起きるといえるのか。
・確実に選挙に勝てる。
・報道している内容は確実に誤報だ。
・彼は確実に遅刻するだろう。
まとめ
以上が、「正確」と「確実」の意味の違いと使い分けについてでした。
「正確」は、正しく間違いのないこと。
「確実」は、確かで間違いのないこと。
「正確に報道する」は「報道の内容が間違っていないか」、「確実に報道する」は「報道の内容が間違っていないか」と「報道を必ず行うか」といったことが重点になります。