「リスク」と「危険」。
普通は、同じ意味として使われることが多いような…。
ですが、「命を無くす可能性」のことを「リスク」というのだろうか…?
たとえば、「雷の日のゴルフ場はリスクだ」といった使い方。
やはり、「リスク」と「危険」では、意味合いに相違があるということ…?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「リスク」と「危険」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「リスク」と「危険」の意味の違い!
最初に、「リスク」と「危険」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「危険」とは、危ないこと、また、危ない状態になる可能性があること。
ただし、「リスク」には「危険」という意味もあります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「リスク」の意味とは!
「リスク」は、商売などで損害を受ける可能性のこと。
「損害」ですので、多くが金銭的な不利益のことです。
「危険」の「危ないこと」に比較して、「リスク」の方はそこまで恐ろしいことではありません。
「リスク」は、「危ないこと」というよりは、「悪いこと」「嫌なこと」といったレベルです。
金銭的な不利益を被ったとしても、怪我をするわけでも命が無くなるわけではありませんので。
ですから、「危ないこと」は可能な限り避けるべきものですが、「リスク」の方は場合によっては避けないこともあります。
たとえば、「リスクを負って仕事をする」といった使い方がありますよね。
これは、「リスク」を避けることなく仕事をするという意味です。
ただし、実は「リスク」の広義にはもう1つの意味があります。
広い意味での「リスク」、その中には「危険」という意味が含まれます。
つまり、「リスク」は「危ないこと」といった意味もあるということ。
こうなると、「リスク」と「危険」は同じ意味ということになります。
ですが、一般的な「リスク」とは、損害を受ける可能性のこと。
損害を受ける可能性のことですが、広い意味では「危険」の意味もあることを覚えておいてください。
②「危険」の意味とは!
「危険」は、危ないこと、また、危ない状態になる可能性があること。
「危ないこと」というのは、基本的には身にふりかかる事故や災害などのことです。
身にふりかかる事故や災害などにより、怪我や命を無くす可能性が高まるのですね。
これは、前の項目で説明した金銭的な不利益である「リスク」に比べると、より恐ろしいことです。
ですから、「リスク」は必ず避けるとは限りませんが、「危険」は絶対に避けなくてはいけません。
何が何でもゼロに近づけるもの、これが「危険」です。
ただし、「危険」は「危ないこと」という意味から派生して、比喩的な使い方がされる言葉。
たとえば、以下のとおり。
「彼は、このままだと孤立する危険がある」
「あの会社は、かなり危険。倒産もあり得る」
「株価が暴落する危険がある」
といった使い方です。
ですが、これはあくまでも比喩的な使い方であり、「危険」は身にふりかかる事故や災害などの「危ないこと」という意味ですよ。
③「リスク」と「危険」の違いを整理!
それでは、ここで一度「リスク」と「危険」の意味の違いを整理します。
商売などで損害を受ける可能性が「リスク」。
身にふりかかる事故や災害などの危ないことが「危険」。
必ず避けるとは限らないのが「リスク」で、絶対に避けるべきものが「危険」です。
ただし、意味が広がってきていること、また、比喩的な表現も多いことから、「リスク」と「危険」は同じ意味として使われることもあります。
2.「リスク」と「危険」の辞書での意味!
続いて、辞書による「リスク」と「危険」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「リスク」の辞書での意味!
【リスク】
①危険。
②商売などで損害を受ける可能性。
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
「危険」の意味も含まれます。
②「危険」の辞書での意味!
【危険】
①あぶないこと。また、あぶないさま。「―が迫る」「頭上―」
②あぶない状態になるおそれがあること。また、そのさま。「滑落の―がある」⦅↔安全⦆
引用元:旺文社国語辞典
「危険」についても、説明したとおりの内容です。
3.「リスク」と「危険」の使い方!
最後に、「リスク」と「危険」の使い方を例文で紹介します。
①「リスク」の使い方!
・できる限りリスクを回避できないか?
・新しいプロジェクトはリスクが伴うもの。
・重要情報が漏洩するリスクが高まる。
・適切に把握してリスク対策を講じる。
②「危険」の使い方!
・大雨により洪水の危険性が高まる。
・犯罪の被害に遭う危険性。
・イッキ飲ませは生命にかかわる危険行為。
・煽り運転の危険と恐怖は常にあった。
まとめ
以上が、「リスク」と「危険」の意味の違いと使い分けについてでした。
「リスク」は、商売などで損害を受ける可能性のこと。
「危険」は、危ないこと、また、危ない状態になる可能性があること。
ですが、「リスク」には「危険」という意味もあり、同じ意味として使われることも多い言葉です。