「同じ」と「一緒」。
なんとなく違いを認識しているつもりでも、まぎらわしいですよね…。
たとえば、「一緒に映画に行きませんか?」とはいいますが「同じに映画に行きませんか?」とはいいません…。
この違いは、うっすらとわかっていましたが…。
「映画の好みはあなたと同じだ」といいますし、「映画の好みはあなたと一緒だ」ともいいます…。
こうなると、意味に違いはないか…??
でも違いがないと思いきや…、「毎日同じ靴で外出する」とはいいますが、「毎日一緒の靴で外出する」となるとお揃いの靴という別の意味のような…。
…違いがあるのか?ないのか…??
これは、言葉の意味をしっかりと調べる必要がありますね…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「同じ」と「一緒」には明確な違いがありました!
本記事では、「同じ」と「一緒」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「同じ」と「一緒」の意味の違い!
最初に、「同じ」と「一緒」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「一緒」とは、複数の物事の間に差異がなく等しいことで、別のものではなくそのものという意味はありません。
また、「一緒」にはその他に、「まとめる」「ともに等しい行動をする」「同時」という意味があります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「同じ」の意味とは!
「同じ」の意味は2つ。
複数の物事の間に差異がなく等しいという意味と、別のものではなくそのものという意味。
一つ目の「同じ」の意味である、複数の物事の間に差異がなく等しいということとは…。
要するに、Aという物とBという物を比べた時に、どちらも全く差がないということです。
この場合、「AとBは同じ大きさだ」いいますがその「同じ」のこと。
具体的には、「あなたの映画の好みは、私と同じだ」といった使い方をします。
二つ目の「同じ」の意味は、別のものではなくそのもののこと。
この場合は、「AとB」といった複数ではなく、「A」だけしか登場しません。
たとえば、「毎日同じ靴を履いて外出する」といった使い方をします。
この靴は、「A」という一つの靴のこと。
一つ目の意味は「一緒」と共通する意味ですが、二つ目の「そのもの」という意味は「一緒」にはありません。
②「一緒」の意味とは!
「一緒」には4種類の意味があります。
(a)複数の物事の間に差異がなく等しいこと
(b)まとめる
(c)ともに等しい行動をする
(d)同時
一つ目の「(a)複数の物事の間に差異がなく等しいこと」は、前の項目でも説明したとおり「同じ」と共通の意味です。
ですから、前の項目の例文「あなたの映画の好みは、私と同じだ」の「同じ」を「一緒」へ置き換えが可能。
「あなたの映画の好みは、私と一緒だ」でも、全く違和感はありません。
二つ目の「(b)まとめる」とは、「全ての商品を、袋に一緒に入れてもよろしいでしょうか?」の「一緒」。
コンビニで買い物すると、店員さんに聞かれることがありますよね。
三つ目の「(c)ともに等しい行動をする」とは、「一緒に映画に行きませんか?」の「一緒」。
その他には、「一緒に遊ぶ」「一緒に暮らす」といった使い方をしますが、すべて「ともに」の「とも」へ置き換えが可能です。
四つ目の「(d)同時」とは、「クリスマスと誕生日を一緒にお祝いする」の「一緒」。
これは、「(b)まとめる」に似ていますが、微妙に違います。
「同時」のほうは、あくまでも「時間軸」「タイミング」のことであり、「まとめる」ことではありません。
③「同じ」と「一緒」の違いを整理!
それでは、ここで一度「同じ」と「一緒」の違いを整理します。
複数の物事の間に差異がなく等しいという意味は、「同じ」と「一緒」の共通の意味。
ですが「同じ」には、別のものではなくそのものという独自の意味があります。
また「一緒」には、まとめる・ともに等しい行動をする・同時、という独自の意味があります。
2.「同じ」と「一緒」の辞書での意味!
続いて、辞書による「同じ」と「一緒」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「同じ」の辞書での意味!
【同じ】
①別のものではなくそのものである。「毎日―服を着る」
②比べる物事の間に差がない。等しい。いっしょである。一つである。「これはあれと―だ」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つあり、内容も説明どおりです。
②「一緒」の辞書での意味!
【一緒】
①ひとまとめにすること。「全部―に入れる」
②同じであること。同一。「ぼくの意見も君と―だ」
③ともに同じ行動をすること。「―に出かける」
④同時。「盆と正月が―に来たような忙しさ」
引用元:旺文社国語辞典
「一緒」の意味も4つ、内容も説明したとおりです。
ちなみに、意味②の「同一」には「そのもの」と「等しい」という2つの意味がありますが、この場合は「等しい」の方です。
3.「同じ」と「一緒」の使い方!
次に、「同じ」と「一緒」の使い方を例文で紹介します。
①「同じ」の使い方!
・F1新規則により全マシンが同じ形状になる?(等しい)
・素材は同じだけれど味が異なる不思議なキャンディー。(等しい)
・同じ穴のムジナの「ムジナ」とは、タヌキやアナグマなどのこと。(そのもの)
・同じクルマに乗り続けて走行距離25万キロを超える。(そのもの)
②「一緒」の使い方!
・結婚において、相手と価値観が一緒かどうかはすごく大切なこと。(等しい)
・自転車ごとテントの中に一緒に入れることができる大きさ。(まとめる)
・お兄さんお姉さんたちと一緒に歌う。(ともに)
・大きな花火がそろって一緒に打ち上げられる。(同時)
4.「同じ」や「一緒」には似た意味の言葉がたくさんある!
「同じ」や「一緒」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「同じ」と「一緒」の意味の違いと使い分けについてでした。
「同じ」
・複数の物事の間に差異がなく等しいこと。
・別のものではなくそのもののこと。
「一緒」
・複数の物事の間に差異がなく等しいこと。
・まとめること。
・ともに等しい行動をすること。
・同時。
「同じ」と「一緒」は共通の部分もありますが、それぞれ独自の意味もあります。