「危ない」と「危険」。
確か、子供に頃に辞書で調べたら「危ない」は「危険なこと」、「危険」は「危ないこと」だったような記憶が…。
こうなると、辞書の意味がなくなりますね…。
では、「危ない」と「危険」は完全に一致した意味なのか…?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「危ない」と「危険」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「危ない」と「危険」の意味の違い!
まずは、「危ない」と「危険」の意味の違いを端的にお伝えします。
ただし、「危ない」には、「滅びる寸前」や「信用できない」など様々な意味があります。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「危ない」の意味とは!
「危ない」には、大体5種類ほどの意味がありますので、詳しく解説していきますね。
1つ目が、危害を受けそうな状況のこと。
この意味は「危険」の意味と共通しています。
人が怪我をする可能性や、命に関わるようなことが起こる状況のこと。
たとえば、「階段を走る行為は危ない」といった使い方をします。
これは、階段を走ると転ぶ可能性が増して、怪我をする可能性があるということですね。
2つ目が、衰え滅びる直前の状態のこと。
たとえば、経営状況が悪い会社などに対して使います。
「あの会社は、不正が発覚して以来経営状況がひどいらしい。かなり危ないらしいよ…」
といった使い方で「倒産寸前」を意味しています。
この「危ない」は、怪我や命に関わることとはありません。
3つ目が、悪い状態になりそうという意味。
これは、前の「衰え滅びる直前の状態」と似ていますが、そこまではいきません。
「明日の運動会の開催は危ないかもしれない」といった使い方をする「危ない」です。
つまり、雨が降って運動会が中止になる可能性がある、という意味ですね。
4つ目が、信用できないという意味。
「そんなうまい話は、逆に危ない」といった使い方をする「危ない」です。
簡単に儲けられるといった話は、信用できないということ。
5つ目が、ギリギリのところという意味。
たとえば、遅刻しそうな状況でギリギリ間に合った場合によく使われます。
「危なかった~、間に合った!」ですね。
これ、逆に遅刻した場合にはなぜか「危ない」は使いません…。
②「危険」の意味とは!
「危険」は、危害を受けそうな状況のこと、また、危害を受けそうな状況になる恐れがあること。
この意味は「危ない」と同じで、人が怪我をする可能性や、命に関わるようなことが起こる状況のことです。
たとえば、海でサメが泳いでいたとしますね。
その海で泳ぐことは、サメに襲われる可能性がありますので「危険」ということです。
「危険」の意味はこのとおりなのですが、こういった意味を比喩的に使うことが多い言葉でもあります。
たとえば、「会社の経営状況が危険水域だ」といった使い方。
この「危険」は、怪我や命に関わることではありません。
また、「この取引は、損害の危険性が大きい」といった使い方もあります。
あとは、競馬で「あの馬は断然の1番人気だが、実は危険な要素もある」といった使い方。
これは、負ける可能性を「危険」にたとえているのですね。
③「危ない」と「危険」の違いを整理!
それでは、ここで一度「危ない」と「危険」の意味の違いを整理します。
「危ない」と「危険」は、どちらも危害を受けそうな状況のこと。
ただし、「危ない」には、この意味の他に以下の4つの意味があります。
・衰え滅びる直前の状態
・悪い状態になりそう
・信用できない
・ギリギリのところ
2.「危ない」と「危険」の辞書での意味!
続いて、辞書による「危ない」と「危険」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「危ない」の辞書での意味!
【危ない】
①危害を受けそうな状況である危険だ。「道路で遊ぶのは―」
②衰え滅びる寸前の状態である。「会社が―」
③悪い状態になりそうである。「あしたの天気は―」
④不確かで信用できない。「うまい話は―」
⑤もう少しで悪い状態になる、ぎりぎりのところである。「―ところで間に合った」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「危険」の辞書での意味!
【危険】
①あぶないこと。また、あぶないさま。「―が迫る」「頭上―」
②あぶない状態になるおそれがあること。また、そのさま。「滑落の―がある」⦅↔安全⦆
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容です。
3.「危ない」と「危険」の使い方!
最後に、「危ない」と「危険」の使い方を例文で紹介します。
①「危ない」の使い方!
・この猛暑は本当に危ないと思う。
・あの国は財政状態がかなり危ないらしい。
・降水確率が60%で明日の開催は危ない。
・気をつけなくてはいけない危ない商法。
・クロスプレーで危なかったが判定はセーフだった。
②「危険」の使い方!
・競馬は落馬した時が特に危険である。
・クマに出会い危険な目にあう。
・ゼロ災害を目指し危険な行動は一切排除します。
・衝突時はフロントガラスへ激突する危険がある。
・酸欠状態が続き危険な状況だ。
まとめ
以上が、「危ない」と「危険」の意味の違いと使い分けについてでした。
「危ない」は、①「危害を受けそうな状況」②「衰え滅びる直前の状態」③「悪い状態になりそう」④「信用できない」⑤「ギリギリのところ」といった5種類の意味があります。
「危険」は、危害を受けそうな状況のこと。
「危害を受けそうな状況」という意味は、「危ない」と「危険」の共通点です。