「これから」と「今後」。
意味がまぎらわしいですよね…。
といいますか…、もしかして同じ意味なのでは??
たしかに、「これからの総会の議題にする」といいますし、「今後の総会の議題にする」ともいいます…。
しかし、よく考えると「これから行きます」といいますが、「今後行きます」となると何か変です…。
ということは、「これから」と「今後」には違いがあるということか??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「これから」と「今後」には確かな違いがありました!
本記事では、「これから」と「今後」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「これから」と「今後」の意味の違い!
まずは、「これから」と「今後」の意味の違いを端的にお伝えします。
また「これから」には、副詞的な用法で、時間的な始点(現時点から)の意味と位置的な始点(現地点から)の意味もあります。
「今後」とは、今からのちのこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「これから」と「今後」の共通の意味!
「これから」と「今後」は、どちらも「今からのち」のこと。
この部分は共通の意味。
「今からのち」ということは、「これから先」「以後」のことであり、現在よりも未来の部分を指しています。
具体的には、「これからの総会の議題にしたいと思います」といった使い方。
これは、「今後の総会の議題にしたいと思います」というように、「これから」を「今後」へ置き換えが可能。
どちらも、今現在以降に開催されるであろう総会の場で、議題にするという意味です。
つまりは、未来の総会を指しているということ。
②「これから」だけの独自の意味とは!
「これから」には、「今後」にはない意味もあります。
それは、副詞的な用法で、時間的な始点(現時点から)の意味と位置的な始点(現地点から)の意味。
副詞というのは、その後ろの言葉を飾る役目をする品詞。
しかも、後ろの言葉にピタリとくっつきます。
たとえば、「ゆっくり歩く」の「ゆっくり」や、「もっと食べたい」の「もっと」のこと。
いずれも、「歩く」「食べたい」という言葉を飾り、そのおかげで意味の深みが増しています。
そして、「これから」を副詞的に使うと、以下のようになります。
「これから行きます」
「これからやります」
といった使い方。
これは、前項の「今からのち」という未来を指しているわけではありません。
単に、今現在を起点にしているだけであり、言い換えるならが「現時点から」という意味。
あくまでも、時間的な始点です。
そして、「行きます」「やります」を飾っています。
ちなみに、「これから行きます」「これからやります」の「これから」を「今後」に置き換えると…。
「今後行きます」「今後やります」ということで、違和感満載の文章になってしまいます…。
また「これから」には、「時間的な始点」の他に「位置的な始点」の意味もあります。
「これから100メートル程進んでください」
「これから10キロ以上離れた場所だよ」
といった使い方をする「これから」ですね。
この場合、現在の場所を起点にしたということで、言い換えるならが「現地点から」ということです。
ただし、この場合は「これから」よりも、「ここから」の方が多く使われていますね。
③「これから」と「今後」の違いを整理!
それでは、ここで一度「これから」と「今後」の違いを整理します。
「これから」と「今後」は、どちらも今からのちのこと。
ただし「これから」には、「今後」にはない意味があります。
副詞的な用法で、時間的な始点(現時点から)と、位置的な始点(現地点から)という独自の意味を持つのが「これから」です。
2.「これから」と「今後」の辞書での意味!
続いて、辞書による「これから」と「今後」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「これから」の辞書での意味!
【これから】
①今からのち。今後。将来。「―がたいせつだ」
②(副詞的に用いて)今から。または、ここから。「―行く」「―二キロメートルばかり離れた所」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つあり、内容も説明したとおりです。
②「今後」の辞書での意味!
【今後】
・今からのち。これから先。以後。「―もよろしく」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「これから」と「今後」の使い方!
次に、「これから」と「今後」の使い方を例文で紹介します。
①「これから」の使い方!
・これからの季節に役立つアイテムを取り揃えております。(今からのち)
・最悪の事態がこれからの日本に起きる可能性があると警告した。(今からのち)
・国立科学博物館を見学し、 集合場所にはこれから向かいます。(現時点から)
・これから駅までどのくらい距離がありますか?(現地点から)
②「今後」の使い方!
・医療を取り巻く環境は激変しており、今後の審議の行方にも不透明感が漂う。
・今後の試合日程が変更となります。
・今後は戦略を見直す必要がある。
・働き方に起こっている変化や、今後のキャリアの築き方について話を伺った。
4.「これから」や「今後」には似た意味の言葉がたくさんある!
「これから」や「今後」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「これから」と「今後」の意味の違いと使い分けについてでした。
「これから」は、今からのちのこと。
また「これから」には、副詞的な用法で、時間的な始点(現時点から)の意味と位置的な始点(現地点から)の意味もあります。
「今後」は、今からのちのことで、これは「これから」と共通の意味です。