「相互」と「交互」。
似ていますよね…。
ちなみに、「おたがい」の「互」という字が共通しています。
つまりは、どちらも「おたがい」が関係していると思われますが…。
では、何がどう違うのか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「相互」と「交互」には明確な違いがありました!
本記事では、「相互」と「交互」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「相互」と「交互」の意味の違い!
最初に、「相互」と「交互」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「交互」とは、互い違いのこと、また、かわるがわるすること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「相互」の意味とは!
「相互」は、お互いに関係のある両方、また、その両方が同じことをしあうこと。
お互いに関係がある双方が「相互」、そして、さらにその双方が同じことしあうことも「相互」です。
たとえば、集団で体操教室が開催されていたとしましょう。
そこで先生が、「それでは、二人ずつに組になって、お互いに向き合ってください」と言ったとします。
この二人の状態が「相互」。
「組」という関係性がある双方です。
ですから、この例文の「お互い」を「相互」に置き換えることが可能です。
「それでは、二人ずつに組になって、相互に向き合ってください」
これが、「相互」の一つ目の意味「お互いに関係のある両方」ということ。
さらに先生が、「それでは二人で、右手で握手しお互いに引っ張り合ってください」と言いました。
「お互いに手を引っ張り合う」、これはつまり「相互」の二つ目の意味である「その両方が同じことをしあう」です。
関係のある双方で「相互」、しかもその双方が同じことをしあう、これも「相互」ということ。
②「交互」の意味とは!
「交互」は、互い違いのこと、また、かわるがわるすること。
「交互」も意味が二つです。
まず、一つ目の「交互」の意味「互い違い」から説明しますね。
これは、違うものが順番に入れ代わるということ。
たとえば、織物の糸を想像してみてください。
たと糸とよこ糸が互い違いに織り込まれていますよね。
これは、「たて糸とよこ糸が交互に織り込まれている」という例文が成り立ちます。
そして、二つ目の「交互」の意味が「かわるがわるすること」。
たとえば、二人で長距離運転をしたとしましょう。
そこで、「かなりの長距離なので、一時間ごとに二人でかわるがわる運転しましょう」と言ったとします。
これが「交互」。
ですから、例文の「かわるがわる」を「交互」に置き換えても文章が成立します。
「かなりの長距離なので、一時間ごとに二人で交互に運転しましょう」といった具合。
この「互い違い」と「かわるがわる」は、意味が非常に似ています。
同じ意味といっても良いのかもしれませんが…、わかりやすく解説する意味であえて分けてみました…。
③「相互」と「交互」の違いを整理!
それでは、ここで一度「相互」と「交互」の違いを整理します。
お互いに関係のある両方、また、その両方が同じことをしあうことが「相互」。
互い違いのこと、また、かわるがわるすることが「交互」です。
「相互」は、「AとBが向き合う」「AとBが引っ張り合う」。
「交互」は、「AグループとBグループが互い違いに並ぶ」「AグループとBグループがかわるがわる食事をとる」ですね。
2.「相互」と「交互」の辞書での意味!
続いて、辞書による「相互」と「交互」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「相互」の辞書での意味!
【相互】
・たがいに働きかけがあること。「―作用」「―乗り入れ」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりですが…。
他の辞書では、「働きかけがない時点」、つまり「お互い」という段階でも「相互」は成立します。
②「交互」の辞書での意味!
【交互】
・(「交互に」の形で副詞的に用いて)たがい違い。かわるがわる。「左右―に動かす」
引用元:旺文社国語辞典
こちらは、完全に説明どおりですね。
3.「相互」と「交互」の使い方!
次に、「相互」と「交互」の使い方を例文で紹介します。
①「相互」の使い方!
・この提携により両社は相互に補完し合うノウハウを持ち寄る。
・工業団地内の各社と連携し、 環境活動が適正に行われているかを相互に確認する
・感染防止のため、入所者相互に交流するレクリエーション等は中止とします。
・基本的には一方通行ではなく相互のコミュニケーションが大切。
②「交互」の使い方!
・キャスト陣のインタビューと、撮影風景が交互に映し出される映像。
・過去の物語と現代の物語が、交互に入れ替わってお話が進んでいく。
・日本語と英語で交互に掛け合う「バイリンガル会話」を配信。
・まだ寒さと暖かさが交互にやってくる体調を壊しやすい季節。
4.「相互」や「交互」には似た意味の言葉がたくさんある!
「相互」や「交互」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「相互」と「交互」の意味の違いと使い分けについてでした。
「相互」は、お互いに関係のある両方、また、その両方が同じことをしあうこと。
「交互」は、互い違いのこと、また、かわるがわるすること。
ちなみに、「相互」の「相」は「おたがいに」という意味があります。
「相愛」や「相談」は、この意味。
そして、「交互」の「交」は「かわるがわる」という意味があります。
「交換」「交代」という言葉に使われています。