「追加」と「付加」。
「同じ意味では?」と思うほど、まぎらわしい言葉です…。
でも、「追加注文」とはいいますが、「付加注文」とはいいませんよね…。
また、「付加価値」とはいっても、「追加価値」って聞いたことがない…。
ということは、「追加」と「付加」には違いがあるということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「追加」と「付加」には決定的な違いがありました!
本記事では、「追加」と「付加」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「追加」と「付加」の意味の違い!
まずは、「追加」と「付加」の意味の違いを端的にお伝えします。
「付加」とは、つけ加えること。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「追加」の意味とは!
「追加」は、後からつけ加えること。
「付加」には「後から」という条件はありませんが、「追加」は「後から」という条件があります。
「追加」の「追」は、「追う」「追って」「追いかけて」という意味。
「追跡」「追求」「追随」といったように、「追いかける」意味で使われる言葉です。
「追加」の「加」は、「加える」という意味。
つまりは、「追って」「加える」ことが「追加」です。
たとえば、「ラーメンを頼んだが、餃子を追加注文した」といった使い方をします。
最初にラーメンを頼み、後から餃子を注文するということ。
また、「求人募集要項に、『深夜勤務可能な人』という条件を追加する」といった使い方も。
この場合は、条件を後からつけ加えるということです。
②「付加」の意味とは!
「付加」は、つけ加えること。
「付加」の場合は、ただつけ加えることであり、いつ付け加えるかといった条件はありません。
漢字も、「付ける」と「加える」で「付加」。
ですから、いつどういったタイミングでつけ加えたとしても「付加」です。
ということは、後からつけ加えたとしても、厳密には「付加」といっても間違いではありません。
こうなると、後からつけ加える場合は「付加」と「追加」はどちらでも使えますが、「後から」の場合は「付加」ではなく「追加」を使うのが一般的です。
「付加」の具体的な使い方としては、「付加価値」という言葉があります。
「付加価値」は、新たにつけ加えられた価値のこと。
競合他社に勝つために、商品やサービスに独自の価値をつけ加えて商売をするという意味で使う言葉です。
そのつけ加えるタイミングについての条件は何もありません。
その他には、「付加刑」という言葉があります。
「付加刑」とは、裁判で言い渡される主刑に対して、つけ加えて科せられる刑罰のこと。
まさに、つけ加える刑で「付加刑」です。
この場合のつけ加えるタイミングは、後からということではありません。
③「追加」と「付加」の違いを整理!
それでは、ここで一度「追加」と「付加」の違いを整理します。
後からつけ加えることが「追加」。
つけ加えることが「付加」。
「追加」は「追って」「加える」で、「付加」は「付け」「加える」です。
2.「追加」と「付加」の辞書での意味!
続いて、辞書による「追加」と「付加」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「追加」の辞書での意味!
【追加】
・あとから増やすこと。つけ加えて不足を補うこと。「―注文をする」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
「後から」です。
②「付加」の辞書での意味!
【付加】
・あるものにさらにつけ加えること。「条件を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりです。
3.「追加」と「付加」の使い方!
次に、「追加」と「付加」の使い方を例文で紹介します。
①「追加」の使い方!
・生計に影響が出ている人に対する追加の支援策を政府が発表した。
・竣工間際になって、建設会社から追加工事費として何千万円も請求された。
・バージョンアップで快適な運用に役立つ新機能を追加した。
・コロンビアのガスタービン発電所に蒸気タービン設備を追加してGTCC化へ。
②「付加」の使い方!
・この対応で、製品の品質向上と生産スピードアップの要素を付加することができます。
・個々の学生に付加する「採用進捗フラグ」で採用状況が一目瞭然。
・お客様の多様なご要望に専門的な見識を付加し、最適なご提案を行います。
・この劇場で芝居をすることは、自分に責任を付加することでもある。
4.「追加」や「付加」には似た意味の言葉がたくさんある!
「追加」や「付加」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「追加」と「付加」の意味の違いと使い分けについてでした。
「追加」は、後からつけ加えること。
「付加」は、つけ加えること。
すごく似ている言葉ではありますが、日常生活で「付加」という言葉は滅多に使いません。