「付加」と「付与」。
似ていて、まぎらわしいですよね…。
でもよく考えると、「商品に新しい価値を付加する」とはいいますが、「商品に新しい価値を付与する」とはいわないような…。
これはつまり、「付加」と「付与」には違いがあるということか…???
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「付加」と「付与」には決定的な違いがありました!
本記事では、「付加」と「付与」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「付加」と「付与」の意味の違い!
最初に、「付加」と「付与」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「付与」とは、授け与えること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「付加」の意味とは!
「付加」は、さらに付け加えること。
ある物事に対して、さらに何かを付け加えることが「付加」です。
たとえば、「この商品に、新しい価値を付加する」といった使い方をします。
これは、「商品」といいうものに、「新しい価値」というものを付け加えるということ。
ちなみに、これは一般的に「付加価値」といいます。
その他には、「校則に新しい規則を付加する」といった使い方も。
この場合は、現行の「校則」に対して「新規則」を付け加えるということ。
ということで、「物事」に対して「物事」を付け加えるのが「付加」です。
②「付与」の意味とは!
「付与」は、授け与えること。
「付け加える」ではなく、「授け与える」という部分が違いのポイントです。
「授ける」や「与える」という言葉は、その対象は必ず「人」。
つまりは、「人」に対して授け与えるのが「付与」です。
たとえば、「部長が急病のため、臨時的に課長に部長権限が付与された」といった使い方をします。
この場合、与えられた対象は「課長」であり、つまりは「人」。
課長に対し、権限が授け与えられたということですね。
その他には、「クレジットカードのポイントが付与された」といった使い方をします。
これも、授け与えられた対象者は「カード利用者」。
カード利用者に対して、ポイントを授け与えられたということです。
ということで、「人」に対して「物事」を授け与えるのが「付与」です。
③「付加」と「付与」の違いを整理!
それでは、ここで一度「付加」と「付与」の違いを整理します。
さらに付け加えることが「付加」。
「付加」は、「物事」に対して「物事」を付け加えます。
授け与えることが「付与」。
「付与」は、「人」に対して「物事」を授け与えます。
2.「付加」と「付与」の辞書での意味!
続いて、辞書による「付加」と「付与」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「付加」の辞書での意味!
【付加】
・あるものにさらにつけ加えること。「条件を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「付与」の辞書での意味!
【付与】
・さずけること。与えること。「課長に権限を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりです。
3.「付加」と「付与」の使い方!
次に、「付加」と「付与」の使い方を例文で紹介します。
①「付加」の使い方!
・画像に代替テキストを付加する機能を設けました。
・ヨーロッパでは、純金売買の付加価値税は免税とされる。
・特約の付加や保険の切り替え手続きについてご案内します。
・この条件は、本文作成後にイングランド議会の要求に基づき付加したもの。
②「付与」の使い方!
・労働基準法通りに有給休暇を付与しなかった場合どうなるか?
・チケットなどの購入者に対し割引券や商品券を付与する仕組みを整える。
・とある人気クイズ番組で景品として付与されていた金の延べ棒。
・成年被後見人に選挙権を付与する公職選挙法改正案。
4.「付加」や「付与」には似た意味の言葉がたくさんある!
「付加」や「付与」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「付加」と「付与」の意味の違いと使い分けについてでした。
「付加」は、さらに付け加えること。
「付与」は、授け与えること。
ちなみに、人に授け与えることが「付与」ですが、人に貸し与える場合は「貸与」となります。