「著作」と「著書」。
似ていて、まぎらわしいですよね…。
たとえば、「○○氏の著作は多数ある」といいますし、「○○氏の著書は多数ある」ともいいます…。
ということは、「著作」と「著書」は同じ意味か??
でも、「著作活動」とはいいますが、「著書活動」となると何か変です…。
これはつまり、意味に違いがあるということ…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「著作」と「著書」には明確な違いがありました!
本記事では、「著作」と「著書」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「著作」と「著書」の意味の違い!
最初に、「著作」と「著書」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「著書」とは、書いて世に出された書物のこと。
ただし「著作」にも、書いて世に出された書物という意味があります。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「著作」の意味とは!
「著作」は、書物を書いて世に出すこと。
つまり、本を書いて出版するということです。
「著作」の「著」は、書きあらわすという意味。
この「あらわす」というのは、「表す」や「現す」ではなく「著す」です。
そして、この「著す(あらわす)」の意味は、書物を書いて世に出すこと。
「著作」の「作」は、文字どおり「つくる」です。
ですから、書物をつくって世に出すということですね。
「著作」は「著作権」といった使い方をします。
これは、「この本をつくった人はAさんなので、真似しちゃいけませんよ」といった、A氏の利益を守る権利のこと。
まさに、書物をつくって世に出した人を守るということですね。
ちなみに、「著作」に「権」が加わり「著作権」となると、つくる物の対象は「書物」だけではなく「音楽」などの芸術作品やソフトウェアなど、その対象が広くなります。
ただし、「著作」の意味はこれだけではありません。
「著作」は「書物を書いて世に出す」という意味の他に「書いて世に出された書物」という意味があります。
要するに、「本」そのものの意味があるということ。
そうなると、「著書」と「著作」の意味が同じということになります。
気をつけましょう。
②「著書」の意味とは!
「著書」は、書いて世に出された書物のこと。
「著書」には、「本をつくる」「本を書き著す」「本を世に出す」といった意味はありません。
あくまでも、世に出された書物のこと、これが「著書」です。
具体的には、「容疑者Xの献身は東野圭吾氏の著書の中でも有名だ」といった使い方。
これは、東野圭吾氏がつくって世に出した書物を指しています。
そして、前項でも説明しましたが、この「著書」は場合によっては「著作」と同じ意味になりますよ。
気をつけてくださいね。
③「著作」と「著書」の違いを整理!
それでは、ここで一度「著作」と「著書」の違いを整理します。
書物を書いて世に出すことが「著作」。
ただし「著作」には、書いて世に出された書物という意味もあります。
書いて世に出された書物が「著書」。
ですから、場合によっては「著作」と「著書」が同じ意味で扱われる場合があります。
2.「著作」と「著書」の辞書での意味!
続いて、辞書による「著作」と「著書」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「著作」の辞書での意味!
【著作】
・書物を書き著すこと。また、その書物。著述。「多数の―がある」
引用元:旺文社国語辞典
「書き著す」なので、書物を書いて世に出すことです。
説明どおりですね。
②「著書」の辞書での意味!
【著書】
・書き著した書物。著作。
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明したとおりの内容です。
3.「著作」と「著書」の使い方!
次に、「著作」と「著書」の使い方を例文で紹介します。
①「著作」の使い方!
・著作者を囲い込む作戦とみられており、既存の出版社には脅威となりそうだ。
・資格だけで生活はできないが、その資格は著作活動の足しにはなっている。
・ノーベル経済学賞受賞者の著作が、1階カウンター前に並んでいます。
・自らの過去の発言をボルトン氏が出版予定の著作で明らかにする予定。
②「著書」の使い方!
・著書の話題や最新情報をまとめてお届けします。
・令和2年3月末現在の著書ランキングは以下のとおりです。
・自身の著書をベースにした新作コンピレーションをリリースする。
・当事務所の所属弁護士等が執筆した著書のご案内。
4.「著作」や「著書」には似た意味の言葉がたくさんある!
「著作」や「著書」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「著作」と「著書」の意味の違いと使い分けについてでした。
「著作」は、書物を書いて世に出すこと。
「著書」は、書いて世に出された書物のこと。
ただし「著作」にも、書いて世に出された書物という意味があります。
ですから、場合によっては「著作」と「著書」は同じ意味となることがありますよ。