「観察」と「分析」。
似たような場面で使う2つの言葉ですが…。
なんとなく、意味も似ている…。
「長期保存した食品を、食べることが可能か観察した」
「長期保存した食品を、食べることが可能か分析した」
両方とも、意味が通じるような…。
しかし、「観察」と「分析」では決定的な違いがあるようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「観察」と「分析」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「観察」と「分析」の意味の違い!
最初に、「観察」と「分析」の意味の違いを端的にお伝えします。
「分析」とは、複雑な物事を各要素に分けて、その性質を明らかにすること。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、さらにわかりやすく紐解いていきますね。
①「観察」の意味とは!
「観察」は、物事のありのままを詳しく注意深く見ることです。
「見ること」という部分がポイント。
見てから、測定したり記録を残すということではありませんよ。
ただ、注意深く「見る」ことが「観察」です。
さらに、「見る」にしても、ただ目に映るだけということではありません。
物事を詳しく、注意深く見るということ。
たとえば、長期間冷蔵庫で保存した食べ物があったとします。
普通であれば、この食べ物を食べることが可能なのか、不可能なのか、よく見ますよね。
この、注意深く詳しく見る行為、これが「観察」です。
要するに、冒頭で紹介した「長期保存した食品を、食べることが可能か観察した」というのは、よく見るということですね。
②「分析」の意味とは!
「分析」は、複雑な物事を各要素に分けて、その性質を明らかにすることです。
「分析」の「分」は、その字のとおり「分ける」こと。
そして、「分析」の「析」は、「解く」「明らかにする」という意味があります。
要するに、「分けて」から、「解き」「明かす」ということですね。
たとえば、「交通事故の原因を分析する」といった場合、様々な物事を分けます。
②自動車運転者の目的や心理状態。
③歩行者の行動。
実際にはもっと多いと思いますが、たとえばこんな項目ですね。
こういった項目に分けてから、それぞれを調べていきます。
そういった項目を調べて、交通事故の原因を明らかにしていくわけですね。
これが「分析」です。
それから、冒頭で紹介した「長期保存した食品を、食べることが可能か分析した」の場合。
これは、食品を分解して有害なものがないか明らかにするということです。
ちなみに、「分析」するためには「観察」が必要不可欠と思うかもしれませんが…。
「分析」には、「観察」は全く関係ありません。
たとえば、データなどから明らかにすることが「分析」なのですが、そのデータは第三者から渡される場合もあるということです。
つまり、自分が「観察」して得たデータではないということ。
③「観察」と「分析」の違いを整理!
それでは、ここで一度「観察」と「分析」の違いを整理します。
物事のありのままを、詳しく注意深く見ることが「観察」。
複雑な物事を各要素に分けて、その性質を明らかにすることが「分析」。
「観察」は見ることで、「分析」は明らかにすることですので、全く意味が違いますよ。
2.「観察」と「分析」の辞書での意味!
続いて、辞書による「観察」と「分析」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「観察」の辞書での意味!
【観察】
・物事のありのままを詳しく見ること。注意深く見ること。「―日記」「自然―」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容ですね。
②「分析」の辞書での意味!
【分析】
①[化]化合物・溶液または混合物の成分を検出し、各量を調べ、その組成を明らかにすること。「定量―」
②複雑な物事を各要素に分けて、その性質を明らかにすること。「選挙結果を―する」↔総合
③[論]概念を、その属性に分けてはっきりさせること。↔総合
引用元:旺文社国語辞典
意味①は科学用語ですが、意味②とほぼ同じです。
意味③は哲学で使う「分析」ですが、いっていることは同じですね。
3.「観察」と「分析」の使い方!
次に、「観察」と「分析」の使い方を例文で紹介します。
①「観察」の使い方!
・カブトムシの幼虫を観察する。
・天井にできたカビの種類を観察し判別した。
・彼女の奇妙な動きを観察するだけでも面白い。
・観察する力を養う。
②「分析」の使い方!
・現在の情報だけで分析するしかない。
・食品分析センターを見学する。
・公益社団法人日本分析化学会。
・分析力も鍛えなくてはいけない。
4.「観察」や「分析」には似た意味の言葉がたくさんある!
「観察」や「分析」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「観察」と「分析」の意味の違いと使い分けについてでした。
「観察」は、物事のありのままを詳しく注意深く見ること。
「分析」は、複雑な物事を各要素に分けて、その性質を明らかにすること。
「分析」と「観察」は、全くの別物。
また、「分析」のために、必ず「観察」が必要ということではありませんよ。