「真似」と「模倣」。
こうしてみると、「何が違うのだろう…」と思ってしまいます…。
これ、同じ意味でしょ…。
でもよく考えると、「模倣品」「模倣製品」とはいいますが、「真似品」「真似製品」って聞いたことがない…。
ということは、「真似」と「模倣」では何かが違うということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「真似」と「模倣」には確かな違いがありました!
本記事では、「真似」と「模倣」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「真似」と「模倣」の意味の違い!
最初に、「真似」と「模倣」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
また「真似」には、好ましくないふるまいという意味もあります。
「模倣」とは、似せること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「真似」の「模倣」の意味の違いを詳しく!
「真似」と「模倣」はどちらも、似せること。
ただし、「真似」に関しては「形だけ」という言葉がつきます。
要するに、キチンと似せるのが「模倣」で、形だけ似せるのが「真似」。
わかりやすくいうと、「真似」の方は完成度が低く、本物ではないことがすぐにバレてしまいます。
逆に「模倣」の方は、精巧に似せているため簡単にバレるものではないということ。
あくまでも、わかりやすくするための一つのたとえですよ。
「模倣」は、「模倣品」といいますよね。
この「模倣品」は、「コピー製品」「複写品」といったりもします。
ちなみに、「真似」の方は「真似品」「真似製品」といったいい方はしません。
これは、極力バレにくい「模倣品」を使って商売をするということ。
あと、テレビでは「ものまね」番組がよく放送されます。
「ものまね」なので「真似」。
ものまね番組のタイトルを、「模倣王座決定戦」「模倣グランプリ」「模倣紅白歌合戦」といったいい方はしませんよね。
ものまね番組というのは、「芸能人が似せていますよ」ということが前提で、その技術を競うものです。
つまり、既に似せていることがバレているということ。
そういった意味で、精巧に似せておりバレにくい「模倣」とは意味合いが違ってきます。
②「真似」だけの独自の意味「ふるまい」とは!
「真似」には、形だけ似せる以外の意味もあります。
それは、好ましくないふるまいという意味。
「模倣」には、「ふるまい」とか「好ましくないふるまい」といった意味はありません。
ですから、「真似」独自の意味ということができます。
たとえば、「馬鹿な真似はよせ!」「ふざけた真似はやめろ!」といった使い方をする「真似」。
元々は、「馬鹿な人に似せる」「ふざけた人に似せる」ということから派生した意味だと思われます。
現在では「似せる」という意味ではなく、「馬鹿なふるまい」「ふざけたふるまい」という意味で使われるようになりました。
③「真似」と「模倣」の違いを整理!
それでは、ここで一度「真似」と「模倣」の違いを整理します。
形だけ似せることが「真似」。
そして、似せることが「模倣」
「真似」より「模倣」の方が、完成度が高くなります。
また「真似」には、好ましくないふるまいという独自の意味もあります。
2.「真似」と「模倣」の辞書での意味!
続いて、辞書による「真似」と「模倣」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「真似」の辞書での意味!
【真似】
①まねること。模倣。「人の―ばかりするな」
②(いやしめる意の語を受けて)おこない。ふるまい。「ばかな―はよせ」
引用元:旺文社国語辞典
意味が2つあります。
意味①の説明では、「模倣」との違いがわかりません。
ですが、他の多くの辞書には「形だけ」という言葉がついています。
②「模倣」の辞書での意味!
【模倣】
・まねること。似せること。「有名な建築を―した建物」↔創造
引用元:旺文社国語辞典
こちらは、説明どおりですね。
3.「真似」と「模倣」の使い方!
次に、「真似」と「模倣」の使い方を例文で紹介します。
①「真似」の使い方!
・プロの技術を形だけ真似て失敗した、という車のカスタム例を紹介している。
・外国では、ホイールまで磨く日本の運転手の姿に「到底真似できない」という声も。
・任天堂は、「マリオカート」を真似たカートレンタル会社を提訴した。
・聴いたとおりに真似して声に出してみるという練習も必要です。
②「模倣」の使い方!
・最近はデザインの背景すら感じられない、安直な模倣品も世界中で氾濫している。
・このサービスは、模倣品に需要が流れてしまうことを防ぐ対策です。
・これは詐欺グループによる犯行の模倣犯と思われます。
・他車のデザインを模倣したクルマは、某国の市場で多数を占めている。
4.「真似」や「模倣」には似た意味の言葉がたくさんある!
「真似」や「模倣」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「真似」と「模倣」の意味の違いと使い分けについてでした。
「真似」は、形だけ似せること。
また「真似」には、好ましくないふるまいという意味もあります。
「模倣」は、似せること。
形だけ似せるのが「真似」、よく似せるのが「模倣」です。