「所轄」と「管轄」。
「轄」の字が同じ、似ています。
よく刑事ドラマをみていると、「所轄が!」といった言葉が出てきますよね…。
この「所轄」、「管轄」と意味が違うのだろうか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「所轄」と「管轄」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「所轄」と「管轄」の意味の違い!
最初に、「所轄」と「管轄」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
社会保険などに関する「管轄」とは、被保険者が住んでいる地域の事務処理をとりしきること。
一般的な「所轄」と「管轄」はどちらも同じ意味で、事業所などが統括して事務の処理などをとりしきること、また、その範囲のこと。
短くまとめると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①社会保険などに関する「所轄」と「管轄」!
社会保険などに関しては、勤務先の地域を担当する役所が「所轄する役所」、居住地の地域を担当する役所が「管轄する役所」です。
勤務先地域=「所轄」
居住地域=「管轄」
たとえば、ハローワーク(公共職業安定所)で説明しますね。
仮に、勤務先が大阪市内で、居住地が神戸市だった場合。
「所轄」のハローワークは、大阪市となります。
そして、「管轄」のハローワークが神戸市ということ。
②一般的な「所轄」と「管轄」とは!
社会保険などに関する「所轄」と「管轄」の意味には違いがありましたが…。
実は、「所轄」と「管轄」の言葉の持つ意味自体はどちらも同じ。
違いはありません。
どちらも、事業所などが統括して事務の処理などをとりしきることです。
また、その範囲のことも指すのですね。
「丸の内警察署が所轄する地域は霞が関1丁目」
「丸の内警察署が管轄する地域は霞が関1丁目」
この2つ例文も、意味は同じです。
違いはありませんよ。
③「所轄」と「管轄」の違いを整理!
それでは、ここで一度「所轄」と「管轄」の意味の違いを整理します。
社会保険などに関する「所轄」と「管轄」の違いは、以下のとおり。
被保険者が勤務する事業所地域の事務処理をとりしきるのが「所轄」。
被保険者が住んでいる地域の事務処理をとりしきるのが「管轄」。
ただし、「所轄」と「管轄」の言葉の意味は同じ。
どちらも、事業所などが統括して事務の処理などをとりしきること、また、その範囲のことです。
2.「所轄」と「管轄」の辞書での意味!
続いて、辞書による「所轄」と「管轄」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「所轄」の辞書での意味!
【所轄】
・役所などが統括し、管理すること。また、その受け持ちの範囲。「―官庁」「―署」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
ちなみに「統括」とは、ばらばらのものを一つにまとめることです。
②「管轄」の辞書での意味!
【管轄】
・官庁や機関などが権限で支配すること。また、その支配の及ぶ範囲。「―が違う」
引用元:旺文社国語辞典
「支配」は、「所轄」に記載されている「管理」とほぼ同じ意味で、とりしきること。
つまり、説明したとおりの内容です。
3.「所轄」と「管轄」の使い方!
最後に、「所轄」と「管轄」の使い方を例文で紹介します。
①「所轄」の使い方!
・所轄は市役所なのか県庁なのか。
・国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所の所轄する区域。
・所轄の範囲外。
・所轄税務署を調べる。
②「管轄」の使い方!
・管轄は市役所なのか県庁なのか。
・国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所の管轄する区域。
・管轄の範囲外。
・管轄税務署を調べる。
まとめ
以上が、「所轄」と「管轄」の意味の違いと使い分けについてでした。
社会保険などに関する「所轄」と「管轄」の違いは、以下のとおりです。
「所轄」は、被保険者が勤務する事業所地域の事務処理をとりしきること。
そして「管轄」は、被保険者が住んでいる地域の事務処理をとりしきること。
ただし、言葉の意味自体に違いはありません。
「所轄」と「管轄」は、どちらも事業所などが統括して事務の処理などをとりしきること、また、その範囲のことです。
どちらも、同じ意味ですよ。