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「他方」と「一方」の使い分け!わかりやすく徹底解説するよ!

更新日:

 
「他方」と「一方」。

文章を作る時に、よく使う言葉です。

同じような意味に思えるのですが、なぜか自分は「一方」を多用し、「他方」は使いません。
 
 
ところで、この「他方」と「一方」、同じ意味なのだろうか??

ということで、この2つの言葉の意味と使い方を徹底的に分析してみました!
 
 
本記事では、「他方」と「一方」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「他方」と「一方」の意味の違いと使い分け!

最初に、「他方」と「一方」の意味の違いを簡潔にお伝えします。

「他方」と「一方」はともに「名詞」としての意味と「副詞」「接続詞」としての意味が存在します。

「副詞」「接続詞」としての「他方」と「一方」は、どちらも意味は同じ。

ある物事に対する、別の物事という意味です。
 
 
「名詞」としての「他方」は、他の方面、別の方向という意味。

「名詞」としての「一方」は、1つの方向、片方という意味です。

 
短くまとめると、こういった違いになります。

それでは、もう少しわかりやすく、また詳しく紐解いていきますね。
 

①副詞・接続詞としての「他方」と「一方」は使い分けが必要か?

「他方」と「一方」は、ともに「副詞的」「接続詞的」な使い方をする言葉です。

「副詞的」「接続詞的」な使い方の具体例は、以下のとおり。
 
 
「彼らは口が悪く近づきにくいが、他方、思いやりにあふれている」

「彼女は強気な発言が多いが、他方、人目のつかないところで泣いていることが多い」

「仕事の時間は凄い集中力を発揮する一方、家にいる時はうっかりミスばかりだ」
 
 
こういった使い方をしますが、この「他方」と「一方」を入れかえても同じ意味となります。

どちらも、ある物事に対し、別の物事と「対比」して内容を展開していく言葉。

【対比】

Aは高額だが、「他方」「一方」、Bは格安だ。

Aは高額だが、「他方」「一方」、Bも高額だ。

※AとBの対比

 
ですから、「他方」と「一方」は同じ意味、どちらを使っても問題ありません。

どちらを選択するかは、好みということですね。

天秤
 

②名詞としての「他方」と「一方」は使い分けが必要!

「副詞」「接続詞」として使う「他方」と「一方」は同じ意味です。

しかし、「名詞」の「他方」と「一方」は意味が違いますので、使い分けが必要ですよ。
 
 
 
「他方」は、他の方面、別の方向という意味があります。

これはつまり、対比する相手の物事が存在していないということ。

たとえば、以下のとおりです。
 
 
「あなたの意見は理解しました。ただ、あなたは他方の意見を確認しましたか?」

つまり、「他の人の意見を確認したか」という意味での「他方」です。

要するに、「他の人」とはいった誰なのか?まだ存在していませんよね。

これが「他方」ということ。
 
 
 
「一方」は、「他」ではなく「1つ」の方向という意味です。

これは、「片方」「片側」とも言えますね。

「ホテルの一方が川に面している」

といった使い方をするとおり、川に面しているホテルの一画が存在しています。
 
 
 
また、「一方」の「1つの方向」という意味は、必ず別の物事と対比するとは限りません。

たとえば、「雪はどんどん積もる一方だ」といった使い方をします。

これは、「対比」ではなく、ある「1つの方向」という意味。

「仕事がたまる一方だ」といった使い方もします。

仕事
 

③「他方」と「一方」の違いを整理!

それでは、ここで一度「他方」と「一方」の違いを整理します。
 
 
「副詞」「接続詞」として使う「他方」と「一方」は、ある物事に対する別の物事という意味で、どちらも意味は同じ

ただし、これが「名詞」となれば意味が違ってきます。
 
 
名詞の「他方」は、他の方面、別の方向という意味。

名詞の「一方」は、1つの方向、片方という意味です。
 

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2.「他方」と「一方」の辞書での意味!

続いて、辞書による「他方」と「一方」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「他方」の辞書での意味!

【他方】

①(名)ほかの方面。別の方向。「―の言い分も聞く」

②(副)とはいうものの一方では。別の面から見ると。「口は悪いが、―やさしいところもある」

引用元:旺文社国語辞典

意味①が「名詞」、意味②が「副詞」。

意味②に「一方」という言葉があります。

矢印
 

②「一方」の辞書での意味!

【一方】

①(名)一つの方面。

②(名)片方。「―を選ぶ」

③(名)もっぱらその方向へかたよること。「仕事がたまる―だ」

④(接)別の面から言えば。他方。「―、こういう見方もある」

引用元:旺文社国語辞典

意味①~③が「名詞」。

全て1つの方向でありながら、微妙な違いがあります。

意味④が「接続詞」で、内容に「他方」とありますので同じ意味ということ。
 

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3.「他方」と「一方」の使い方!

次に、「他方」と「一方」の使い方を例文で紹介します。
 

①「他方」の使い方!

・贅沢な生活をしているが、他方では激しい努力を重ねている。

・こちらは父方の祖父母で、他方は母方の祖父母です。

他方からも話を聞く必要がある。

・1つだけなのか?自分は他方を選びたい。

・こちらは長雨だが、他方では小雨になったところもあるようだ。
 

②「一方」の使い方!

・贅沢な生活をしているが、一方では激しい努力を重ねている。

・こちらは父方の祖父母で、一方は母方の祖父母です。

一方だけから話を聞いてもダメでしょ。

・2つ中の、一方だけを選んだ。

・長雨で川の水位は上がる一方だ。

豪雨
 

4.「他方」や「一方」以外の使い方がまぎらわしい言葉!

「他方」や「一方」のように、使い方がまぎらわしい言葉はたくさんありますよ。

下の関連記事も、覗いてみてください。

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「そして」と「また」の違い!例文でわかりやすく解説するよ!

「又は」と「または」の使い分けを解説!徹底分析してみた!

 
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
 

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まとめ

以上が、「他方」と「一方」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「他方」と「一方」を「副詞」「接続詞」として使う場合は、どちらも同じ意味。

ある物事に対する、別の物事という意味です。
 
 
ただし、「名詞」の「他方」と「一方」は意味が違います。

「他方」は別の方向、「一方」は1つの方向という意味。

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