「貸家(かしや)」と「借家(しゃくや)」。
同じ意味だと思うのですが…。
同じ意味であれば、なぜ2種類の言葉が存在するのか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみました!
本記事では、「貸家」と「借家」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「貸家」と「借家」の意味の違い!
最初に、「貸家」と「借家」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「借家」とは、家賃を支払って他人から借りた家のことです。
簡単に言ってしまえば、「貸す側」か「借りる側」かの違いです。
それでは、さらに細かい部分について詳しく紐解いていきますね。
①「貸家」と「借家」の違いは立場?
「貸家」は、家賃をもらって貸す家のことで、貸す側の立場の言い方。
そして「借家」は、家賃を支払って借りた家のことで、借りる側の立場の言い方です。
ちなみに「貸家」は、借主が借りる前でも借りた後でも「貸家」という呼び方に違いはありません。
しかし、「借家」の方は、借主が借りたことで初めて「借家」と呼びます。
借主が現れる前は、誰も借りていませんので厳密には「借家」とはいわないのですね。
これはつまり、「借家」とは借主側の呼び方であり、借主がいない時点では誰も「借家」とはいえないということ。
そして、「貸家」「借家」ともに、家賃の授受が伴います。
②「貸家」と「借家」、集合住宅の場合は?
「貸家」と「借家」は、「貸す家」「借りる家」のことであり、基本的には一軒家が対象となります。
ですから、集合住宅であるアパートやマンションは「貸家」とも「借家」ともいいません。
集合住宅の場合は、「賃貸マンション」といった言い方になります。
あくまでも、「貸家」「借家」というのは、屋根が独立している一軒家ということですね。
③「貸家」と「借家」の違いを整理!
それでは、ここで一度「貸家」と「借家」の違いを整理します。
家賃をもらって他人に貸す家が「貸家」。
貸す側から見た言い方です。
家賃を支払って他人から借りた家が「借家」。
借りた側から見た言い方です。
ちなみに、基本的には「貸家」「借家」ともに一軒家のことで、集合住宅は含みません。
2.「貸家」と「借家」の辞書での意味!
続いて、辞書による「貸家」と「借家」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「貸家」の辞書での意味!
【貸家】
・家賃を取って貸す家。貸家(かしいえ)。↔借り家
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で、説明したとおりの内容です。
②「借家」の辞書での意味!
【借家】
・家賃を払って人から借りた家。「―住まい」
引用元:旺文社国語辞典
「借りた」と過去形になっているとおり、借りる前は「借家」ではないということですね。
3.「貸家」と「借家」の使い方!
次に、「貸家」と「借家」の使い方を例文で紹介します。
①「貸家」の使い方!
・貸家建付地の相続税評価額。
・マンション1棟と貸家3軒を保有している。
・親の貸家を相続することで相続税を支払う。
・貸家の火災保険は借主が加入すべきなのか?
②「借家」の使い方!
・自分が住む借家は駅から近く便利だ。
・この借家の家賃はとてもリーズナブルである。
・マイホームのローンを考えると借家生活も捨てたものじゃない。
・借家人の保護を目的とした法律がある。
4.「貸家」や「借家」には似た意味の言葉がたくさんある!
「貸家」や「借家」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「貸家」と「借家」の意味の違いと使い分けについてでした。
「貸家」は、家賃をもらって他人に貸す家のことで、貸す側から見た言葉。
「借家」は、家賃を支払って他人から借りた家のことで、借りる側から見た言葉です。
集合住宅の場合は、一般的に「貸家」「借家」とはいいません。