「獲得」と「取得」。
似ていますよね…。
使い方も「○○を獲得した!」「○○を取得した!」といったように、ほとんど同じ…。
では、何がどう違うのか…?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「獲得」と「取得」には微妙な違いがありました!
本記事では、「獲得」と「取得」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「獲得」と「取得」の意味の違い!
最初に、「獲得」と「取得」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「取得」とは、手に入れること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「獲得」の意味とは!
「獲得」は、努力や苦心をして手に入れること。
簡単に手に入れるのではなく、努力や苦心の末に手に入れることです。
手に入れるものは、努力や苦心を必要とする物品・権利・地位などが対象。
たとえば、「4年間も努力を重ねて、金メダルを獲得した」といった使い方をします。
金メダルは、出場する全選手が狙ってきますので、簡単に手に入るものではありません。
辛い思いをしながら努力を重ねて、手に入れるもの。
こういったものを手に入れることに、「獲得」を使います。
②「取得」の意味とは!
「取得」は、手に入れること。
「獲得」と比較すると、「努力や苦心をして」という条件はありません。
そして、手に入れるものは物品・権利・資格などが対象となります。
ですから、「努力して勝ち取る」といった金メダルに対して「取得」を使うのは適していません。
「4年間も努力を重ねて、金メダルを取得した」となると、文章は成立していますが「やっと手に入れた」といった印象がなくなります。
「取得」の方は、「ギリギリで進級に必要な単位を取得した」といった使い方をします。
他には、「運転免許を取得した」「土地を取得した」といった使い方も。
ちなみに、「ギリギリで進級に必要な単位を獲得した」「運転免許を獲得した」「土地を獲得した」というように「獲得」でも文章は成立しますが、この場合は努力や苦心をしたと読みとれます。
余談ですが、「取得」と同じ「手に入れる」という意味の言葉で「入手」がありますよね。
「入手」も「取得」と同じように使うことが可能ですが、目に見えない「情報」や「秘密裏に手に入れる物品」の場合は「入手」が多く使われます。
③「獲得」と「取得」の違いを整理!
それでは、ここで一度「獲得」と「取得」の違いを整理します。
努力や苦心をして手に入れることが「獲得」。
「獲得」の場合、手に入れるものは主に物品・権利・地位などが対象です。
そして、単に手に入れることが「取得」。
「取得」の場合、手に入れるものは主に物品・権利・資格などが対象です。
2.「獲得」と「取得」の辞書での意味!
続いて、辞書による「獲得」と「取得」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「獲得」の辞書での意味!
【獲得】
・(苦心・努力して)物品・権利などを手に入れること。「一位の座を―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「取得」の辞書での意味!
【取得】
・物品・権利・資格などを手に入れること。自分の所有とすること。「運転免許を―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「獲得」と「取得」の使い方!
次に、「獲得」と「取得」の使い方を例文で紹介します。
①「獲得」の使い方!
・スバルのSUV「アセント」が、米国のIIHSから安全基準の最高評価を獲得した。
・揺るぎない地位を、再びフェラーリが獲得する日が近いかもしれない。
・顧客の囲い込みや、その後の契約獲得、実績づくりなど狙いがあるとみられている。
・新規顧客を獲得する方法をご紹介します。
②「取得」の使い方!
・資格別の詳しい情報の掲載や資格の取得方法をわかりやすく漫画等で紹介します。
・回答者の8割以上がフリーランスになる前にクレジットカードを取得している。
・こんにゃくに味が染み込みやすくする製法を共同開発し、特許権を取得した。
・有給休暇を連続で取得したところ、席が近くの先輩に嫌味を言われた。
4.「獲得」や「取得」には似た意味の言葉がたくさんある!
「獲得」や「取得」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「獲得」と「取得」の意味の違いと使い分けについてでした。
「獲得」は、努力や苦心をして手に入れること。
「取得」は、手に入れること。
「獲得」と「取得」はどちらも手に入れることですが、「どのようにして」手に入れるのかという部分に違いがあります。