「志望」と「希望」。
同じような使い方をしますよね。
「大学進学を志望します」
「大学進学を希望します」
これ、「志望」と「希望」を入れかえても違和感がありません。
では、この2つの言葉、同じ意味なのか…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「志望」と「希望」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「志望」と「希望」の意味の違い!
最初に、「志望」と「希望」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「希望」とは、自分自身に対する「望み」と、自分以外に対する「望み」のこと。
また、「希望」には「未来の明るい見通し」という意味もあります。
簡単に表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「志望」と「希望」の微妙な違い!
「志望」は、自分自身に対する望みのことです。
自分自身が将来こうしたい、自分自身が将来は○○になりたい、といった望みのこと。
自分自身の「こころざし」ともいえますね。
たとえば、「私は将来映画監督になることを志望します」といった使い方をします。
自分自身に対する望みなので、他人に対しては使えません。
たとえば、「あなたが将来、弁護士になることが私の志望です」という言い方は間違い。
これは、本人の望みではありますが、弁護士になることは自分に対することではないですよね。
一方の「希望」は、自分自身と自分以外に対する望みのこと。
ですから、自分自身に対する望みの場合は「希望」と「志望」は同じ意味といえます。
つまり、「私は将来映画監督になることを希望します」といえますね。
そして「希望」は、自分以外に対する望みも対象になります。
たとえば、「世界が平和になることが私の希望です」。
これは、自分自身の望みなのですが、「世界が平和になること」は自分自身に対することではありません。
この場合は、「志望」ではなく「希望」です。
「あなたが将来、弁護士になることが私の希望です」
こちらは、自分の望みではありますが、他人に対することなので「志望」ではなく「希望」ですね。
②「希望」には他の意味もある!
「希望」には、「望む」こと以外に「未来の明るい見通し」という意味があります。
たとえば、以下のとおり。
「彼は、完全に希望を見失っている」
これは、「○○となることを望む」という意味ではなく、「未来の明るい見通し」といった意味。
この「希望を見失う」は、「絶望」に言い換えることができます。
「彼は、完全に絶望する」ですね。
その他には、「希望を胸に耐えてほしい」といった使い方、これも「未来の明るい見通し」の意味があります。
③「志望」と「希望」の違いを整理!
それでは、ここで一度「志望」と「希望」の違いを整理します。
自分自身に対する望みが、「志望」。
「自分が将来こうしたい」といった望みのことです。
自分自身に対する望みと、自分以外に対する望みは「希望」。
「将来は医者になって人々を救いたい」といった望みや「世界が平和になってほしい」といった望みのことです。
また、「希望」には「未来の明るい見通し」という意味もありますよ。
2.「志望」と「希望」の辞書での意味!
続いて、辞書による「志望」と「希望」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「志望」の辞書での意味!
【志望】
・自分が将来こうしたい、こうなりたいと望むこと。また、その望み。「―校」「作家を―する」
引用元:旺文社国語辞典
自分がどうなるのか、自分がどうしたいのか、という部分がポイントですね。
②「希望」の辞書での意味!
【希望】
①こうあって欲しいと願い望むこと。また、その願い。「ご―に添いかねます」「進学を―する」
②未来に対しての明るい見通し。「人生に―を持つ」
③[文法]願い望む意を表す言い方。助動詞「たい」(口語)。「まほし」「たし」(文語)を付けて表す。
引用元:旺文社国語辞典
意味①と意味②は前の項目で説明したとおりです。
意味③は解説しませんでしたが、意味①を表す言い方。
「したい」「なりたい」などの「たい」のことです。
3.「志望」と「希望」の使い方!
次に、「志望」と「希望」の使い方を例文で紹介します。
①「志望」の使い方!
・そろそろ志望校を決めなくてはいけない。
・画家志望です。
・卒業後は俳優を志望して上京した。
・退職後は都会を離れて田舎暮らしを志望する。
②「希望」の使い方!
・そろそろ希望する学校を決めなくてはいけません。
・画家になることを希望しているのですね。
・卒業後は俳優になることを希望して上京したということですね。
・救出困難な状況だが被災者は希望を捨てないでほしい。
4.「志望」や「希望」には似た意味の言葉がたくさんある!
「志望」や「希望」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「志望」と「希望」の意味の違いと使い分けについてでした。
「志望」は、「自分が将来こうしたい」「自分がこうなりたい」といった望みのこと。
つまり、自分自身に対する望みのことです。
「希望」は、上の意味に加え、自分の望みであっても「あなたに、こうなってほしい」といった自分以外に対する望みのこと。
要するに、自分自身に対する望みと、自分以外に対する望みのことです。
また、「希望」には「未来の明るい見通し」という意味もあります。