「がっかり」と「残念」。
違うようで、実はすごく似ています…。
たとえば、「甲子園大会が中止になり、がっかりだ…」といいますし、「甲子園大会が中止になり、残念だ…」ともいいます…。
ほとんど、同じような気持ちを表現しているような…。
しかし、以前「残念」とすべきところを「がっかり」と言って批判されるニュースがありました…。
これはつまり、「がっかり」と「残念」では意味が違うということか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「がっかり」と「残念」では明確な違いがありました!
本記事では、「がっかり」と「残念」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「がっかり」と「残念」の意味の違い!
最初に、「がっかり」と「残念」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「残念」とは、自分の思いどおりにならなかったことなどに対し、心残りがすることで、「あきらめきれない」「悔しい」「無念」へ言い換えが可能。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「がっかり」の意味とは!
「がっかり」は、自分の思いどおりにならなかったことなどに対し、気を落とすこと。
言い換えるならば、「落胆」や「失望」といった意味。
ちなみに、「残念」の方は「気を落とす」ことではなく、「落胆」や「失望」もしません。
その分、「がっかり」の方が「残念」よりも「大きなショック」を受けているということです。
たとえば、「甲子園大会が中止となって、がっかりする」といった使い方をします。
特に、出場が決まっていたチームで、しかも今年が最後のチャンスである3年生にとってそのショックはかなり大きいはず。
「落胆」「失望」の気持ちは大きいでしょう。
このように、気を落とすことが「がっかり」です。
そして、「がっかり」の「残念」との違いは、そういった思いをさせた人の心情にもあります。
たとえば、甲子園大会の中止を決めた関係者。
特に、最終決定した人物は、「がっかり」した選手の「気落ち」「落胆」「失望」を受け止めなくてはいけません。
「残念」に比べて、そういった思いをさせた人がより心苦しくなる、これが「がっかり」です。
「がっかり」は、その人を批判する意味はありませんが、辛くなるのは事実。
使う時には、気をつけなくてはいけません。
②「残念」の意味とは!
「残念」は、自分の思いどおりにならなかったことなどに対し、心残りがすること。
言い換えるならば、「あきらめきれない」「悔しい」「無念」といった意味。
「残念」も「がっかり」同様に「ショック」を受けるのですが、そのことで「気落ち」「落胆」「失望」まではいきません。
「残念」は、「あきらめきれない」「悔しい」「無念」ということで、「がっかり」よりはまだ気持ちは前向きであるということ。
たとえば、「甲子園大会が中止となって、残念だ」といった使い方をします。
「がっかり」の方は「あ~あ…」「もう全て終わり…」といった心情であるのに対し、「残念」は「ちくしょうー!」「悔しい!」「あきらめきれない!」「心残りだー!」といった心情。
落ち込み度合いに違いがあります。
しかも、「残念」な思いをさせた当の本人の気持ちは、「がっかり」ほどの心苦しさはありません。
全くないわけではありませんが…。
それから「残念」は、「心残り」という意味で少しソフトな使い方もあります。
たとえば、「もう時間です。残念ですが宴会はお開きにします」の「残念」。
これは「心残りはあるが、お開きにする」という意味です。
この場合、「あきらめきれない!」「悔しい!」ほどのショックはありません。
したがって、この例文は「失望」をあらわす「がっかり」に置き換えることができませんよ。
③「がっかり」と「残念」の違いを整理!
それでは、ここで一度「がっかり」と「残念」の違いを整理します。
「がっかり」と「残念」は、どちらも自分の思いどおりにならなかった時に使う言葉。
ですが、「気を落とす」「落胆」「失望」の意味があるのが「がっかり」。
「心残り」「あきらめきれない」「悔しい」「無念」の意味があるのが「残念」。
「がっかり」や「残念」な思いをさせる当の本人は心苦しくなりますが、より心苦しいのは「がっかり」の方です。
2.「がっかり」と「残念」の辞書での意味!
続いて、辞書による「がっかり」と「残念」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「がっかり」の辞書での意味!
【がっかり】
・自分の思いどおりにならなかったり、望みを失ったりして、気を落とすさま。「合格できずに―する」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
②「残念」の辞書での意味!
【残念】
①心残りがするさま。「ここでお別れだとは―だ」
②思いどおりでなく、くやしいさま。「―無念」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
3.「がっかり」と「残念」の使い方!
次に、「がっかり」と「残念」の使い方を例文で紹介します。
①「がっかり」の使い方!
・助手席で彼女にされたら「がっかりする行為」とは?
・記念日にホテルで食事したのにメニューと違う食材でがっかりしました。
・食材偽装は消費者を欺く行為、多くの人が「がっかり」「許せない」と思う。
・秋にはサツマイモ掘りをしたのですが、実が成ってなくてがっかりです。
②「残念」の使い方!
・残念ですが巡業を途中で休む事になりました。
・当選者には参加証を発送し、残念ながら落選された方にはその旨お知らせいたします。
・今日は、残念なお知らせを伝えなければなりません。
・残念ながら私の経験では成功よりも圧倒的に失敗の回数が多い。
4.「がっかり」や「残念」には似た意味の言葉がたくさんある!
「がっかり」や「残念」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「がっかり」と「残念」の意味の違いと使い分けについてでした。
「がっかり」は、自分の思いどおりにならなかったことなどに対し、「気落ち」「落胆」「失望」するという意味。
「残念」は、自分の思いどおりにならなかったことなどに対し、「心残り」「あきらめきれない」「悔しい」「無念」という意味。
「がっかり」は落ち込み、「残念」は比較的まだ前向きです。