「口惜しい」と「悔しい」。
似ていて、まぎらわしいですよね…。
なんとなく、使う場面がほとんど同じような…。
違いはあるのだろうか…??
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
「口惜しい」と「悔しい」の言葉に込められた意外な事実を発見しました!
本記事では、「口惜しい」と「悔しい」の意味について、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「口惜しい」と「悔しい」の意味の違いは?
まずは、「口惜しい」と「悔しい」のそれぞれの意味について端的にお伝えします。
「悔しい」とは、現在は腹立たしい気持ち、残念でたまらないといった意味ですが、元々は自分の失敗を悔やむ、後悔するという意味。
現在は同じ意味でありながら、昔は「惜しむ」と「悔やむ」という違いがありました。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①現在の「口惜しい」と「悔しい」の意味とは!
現在の「口惜しい」と「悔しい」は、どちらも腹立たしい気持ち、残念でたまらないといった意味。
自分の思いどおりにならず、ふつふつと湧き出る嫌な気持ちですね。
たちえば、スポーツの試合負けた時に、「腹立たしい」「残念でたまらない」といった気持ちになります。
それから、人から辱しめを受けた時にもそういった気持ちになります。
たとえば、自分の息子のような年齢の上司に、大勢の前で思いっきり怒鳴られたとしましょう。
結構、辛いものがありますよね…。
普通であれば、「大勢の前で恥をかかせなくても…」といった、「腹立たしい」気持ちになります。
これが「口惜しい」と「悔しい」の意味ですね。
ちなみに、「口惜しい」は普通「くちおしい」と読みますが、「くやしい」で漢字変換すると「口惜しい」になります。
「口惜しい」を「くやしい」と読むことが、市民権を得たのかもしれません。
②昔の「口惜しい」と「悔しい」の意味とは!
「口惜しい」と「悔しい」は、現在では同じ意味ですが、昔は確かな違いがありました。
まず、「口惜しい」から。
「口惜しい」は、「朽ち惜し」が語源であるといった説があります。
「朽ち」が「口」になったということ。
意味は、朽ち果てていくのを自分の力でくい止めることができず、惜しいということ。
つまり、「腹立たしい」とは全く違う、「惜しむ気持ち」という意味です。
この「朽ち果てていく」ということが、「思いどおりにならない」という意味で使われるようになりました。
「思いどおりにならない」ということが、「腹立たしい」「残念でたまらない」という意味で使われるようになったといわれています。
そして、「悔しい」の方。
「悔しい」は、その漢字にあるとおり「悔やむ」「後悔する」が元々の意味。
自分の失敗を、「悔やむ」「後悔する」ということ。
これも、「腹立たしい」とは全く違います。
ですが、現在の「悔しい」の意味である、「残念でたまらない」とは少し似た部分も。
自分の失敗を悔やむということは、その失敗が「残念でたまらない」ともいうことができますよね。
そんな流れで「悔やむ」「後悔する」という動詞を、「悔しい」という形容詞として「腹立たしい」「残念でたまらない」という意味で使われるようになったといわれています。
③「口惜しい」と「悔しい」の違いを整理!
それでは、ここで一度「口惜しい」と「悔しい」の違いを整理します。
現在の「口惜しい」と「悔しい」は、どちらも同じ。
双方とも、腹立たしい気持ち、残念でたまらないといった意味です。
ですが、昔は意味が違っていました。
元々の「口惜しい」の意味は、惜しむ気持ちのこと。
そして、元々の「悔しい」は、悔やむ・後悔するという意味です。
2.「口惜しい」と「悔しい」の辞書での意味!
続いて、辞書による「口惜しい」と「悔しい」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「口惜しい」の辞書での意味!
【口惜しい】
・くやしい。残念だ。「落選して―」
引用元:旺文社国語辞典
現在の意味で、説明どおりですね。
②「悔しい」の辞書での意味!
【悔しい】
・勝負に負けたり、物事が思いどおりにいかなかったり、辱めを受けたりして、腹立たしく残念である。「負けてー」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、現在の意味で説明したとおりの内容です。
3.「口惜しい」と「悔しい」の使い方!
次に、「口惜しい」と「悔しい」の使い方を例文で紹介します。
①「口惜しい」の使い方!
・山田洋次監督、志村けんさん悼む「口惜しく、残念で残念」。
・デザインを職業としながら、デザインについて世の中に何も示すことができず口惜しい。
・5バーディを奪う猛攻を見せただけに、継続できなかった口惜しさが残る。
・自身の不甲斐なさに長年口惜しい思いでいたようです。
・将棋は、考える力が身に付き、勝つ喜びや負ける口惜しさを体験できる。
②「悔しい」の使い方!
・ルイスほどタイヤをうまく使えなかった、逆転されて悔しい。
・昨年は最終戦で敗れ悔しい思いをしたが、今年は結果を残すことができた。
・自分の無力さが悔しく、救急救命士になりたいと考えるようになりました。
・挫折や悔しい経験は、間違いなく自分を伸ばす原動力になるということです。
・口論で怒りと悔しい気持ちになった。
4.「口惜しい」や「悔しい」には似た意味の言葉がたくさんある!
「口惜しい」や「悔しい」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「口惜しい」と「悔しい」の意味についてでした。
「口惜しい」と「悔しい」は、腹立たしい気持ち、残念でたまらないといった意味で現在はどちらも同じ。
ですが、「口惜しい」は元々、朽ち果てるのを自分の力でくい止めることができず惜しむ気持ちのこと。
そして、「悔しい」は元々、自分の失敗を悔やむ、後悔するという意味。
現在は同じ意味ですが、昔は「惜しむ」と「悔やむ」の違いがありました。