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「初期」と「早期」の違いを解説!実は意外な差があったよ!

更新日:

 
「初期」と「早期」。

似ていますよね…。

同じ意味では?と思ってしまいます…。
 
 
確かに「癌を初期に発見することができた」といいますし、「癌を早期に発見することができた」ともいいますよね…。

しかし!早期退院」という言葉がありますが、初期退院」って聞いたことがないぞ!!

これはつまり、「初期」と「早期」には違いがあるということか…?
 
 
 
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!

実は、「初期」と「早期」には決定的な違いがありました!
 
 
本記事では、「初期」と「早期」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「初期」と「早期」の意味の違い!

最初に、「初期」と「早期」の意味の違いを簡潔にお伝えします。

「初期」とは、始まって間もない時期のことで、早い時期(すぐ・ただちに)という意味はありません。

「早期」とは、始まって間もない時期のこと、また、早い時期(すぐ・ただちに)のこと。

 
一言で表現すると、こういった違いです。

それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
 

①「早期」の意味とは!

「早期」は、始まって間もない時期のこと、また、早い時期(すぐ・ただちに)のこと

意味が2つ
 
 
 
そもそも、「早」という字は「時刻などがはやい」という意味と「すぐ・ただちに」という意味があります。
 
 
「時刻などがはやい」の意味の「早」は、「早朝」「早春」「早晩」といった使い方。

「すぐ・ただちに」の意味の「早」は、「早口」「早急」「早速」といった使い方をします。

この、2つの意味があることが、大きなポイント。
 
 
ちなみに、「すぐ・ただちに」は「早」ではなく「速」では?といった疑問が残るかと思いますが…。

「速」は「スピード」のことで「時間の経過がはやい」という意味です。

そして、「すぐ・ただちに」の「早」は、「時間をおかずに」という意味。
 
 
 
まず、「早期」の1つめの意味である、「始まって間もない時期」の方から解説します。

この「始まって間もない時期」というのは、「早」の「時刻などがはやい」が当てはまるもの。
 
 
たとえば、「癌治療は早期発見が大切だ」といった使い方をする「早期」ですね。

まさに、病気になったら始まって間もない時期に見つけることが大切だという意味。
 
 
 
それから、「早期」の2つ目の意味である、「早い時期(すぐ・ただちに)」の方

これは、早期退院」の「早期」。
 
 
早期退院」とは、「入院が始まって間もなく退院」することではありません。

入院してから病状が予定よりも早く良くなったことから、「当初予定より早い時期に退院する」というもの。

ですから、病状が良くなり「すぐに退院する」「ただちに退院する」ともいえます。

病室
 

②「初期」の意味とは!

「初期」は、始まって間もない時期のこと

この部分は、「早期」と同じ意味です。
 
 
ですから、前の項目の早期発見」も「初期」に置き換えが可能。

ただし、初期発見」とはいいません。

この場合は、初期段階の発見」となります。
 
 
ただし「初期」には、「早期」にはあった、早い時期(すぐ・ただちに)という意味がありません。

したがって、早期退院」を「早い時期(すぐ・ただちに)」の意味で「初期」に置き換えることは不可能。

そういったわけで、初期退院」という言葉はありません。
 
 
 
その他には、「昭和初期」「弥生時代初期といった使い方もあります。

この場合は、「昭和の時代が始まって間もない時期」「弥生時代が始まって間もない時期」のこと。
 
 
ところで、面白いことにこの「昭和初期」「弥生時代初期の場合は「早期」は使えません。

「昭和早期」「弥生時代早期だと、へんですよね…。

同じ意味でありながら、使えない場合もあることを覚えておきましょう。
 
 
もしかすると、「早期」の方は「始まって間もない時期」よりも、「早い時期(すぐ・ただちに)」というニュアンスの方が強いのかもしれませんね…。

「この意味は『始まって間もない時期』であり、『早い時期(すぐ・ただちに)』ではない」という意思表示として、「初期」が選択されてきたのかもしれません。

時代
 

③「初期」と「早期」の違いを整理!

それでは、ここで一度「初期」と「早期」の違いを整理します。
 
 
始まって間もない時期という意味は、「初期」と「早期」の共通点。
 
 
ただし、「早期」にだけは早い時期(すぐ・ただちに)という意味があります。

「初期」には、早い時期(すぐ・ただちに)という意味はありません。
 
 
それから、「始まって間もない時期」という意味では、「早期」よりも「初期」の方が多用されます。

 

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2.「初期」と「早期」の辞書での意味!

続いて、辞書による「初期」と「早期」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「初期」の辞書での意味!

【初期】

・始まって間もない時期。「昭和―」↔末期

引用元:旺文社国語辞典

説明したとおりの内容です。

スタート
 

②「早期」の辞書での意味!

【早期】

・早い時期。初めのころ。「癌の―発見」

引用元:旺文社国語辞典

「初めのころ」が、「始まって間もない時期」のこと。

「早い時期」が、「すぐ・ただちに」ということです。
 

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3.「初期」と「早期」の使い方!

次に、「初期」と「早期」の使い方を例文で紹介します。
 

①「初期」の使い方!

・飲食店の開店には、店舗の他、調理設備やテーブルなど多くの初期投資が必要。

・ファットバイクは悪路など消防車が入れない現場で初期消火や応急手当てにあたる。

・当社WEBサイトの設定画面から初期設定で指定方法を選択することができる。

・体内でウイルスが増殖する初期段階に治療するべきなのか?
 

②「早期」の使い方!

早期予約割引のキャンペーンを実施しております。

・設定ミスや設定漏れ、不審な通信などを早期に発見するサービス。

・癌治療成績は早期発見にかかっていると言っても過言ではない。

・スタッドレスタイヤの早期装着は、スリップ事故を防ぐ重要な行動。

スタッドレスタイヤ
 

4.「初期」や「早期」には似た意味の言葉がたくさんある!

「初期」や「早期」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。

下の関連記事も、覗いてみてください。

「迅速」と「早急」の違いを解説!実は確かな差があったよ!

「非常」と「緊急」の違いを解説!意味を徹底的に深掘り!

 
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
 

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まとめ

以上が、「初期」と「早期」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「初期」は、始まって間もない時期のことで、早い時期(すぐ・ただちに)という意味はありません。

「早期」は、始まって間もない時期のこと、また、早い時期(すぐ・ただちに)のこと。
 
 
「早期発見」の「早期」と、「早期退院」の「早期」は意味が違うということがポイントです。

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