「形状」と「構造」。
似ています…。
お互いに何を指しているのか、まぎらわしいですよね…。
「葉の形状」
「葉の構造」
これ、どちらも違和感がありません…。
同じ意味?ではないはずですが…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「形状」と「構造」には明確な違いがありました!
本記事では、「形状」と「構造」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「形状」と「構造」の意味の違い!
最初に、「形状」と「構造」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「構造」とは、物や組織の各部分の組み合わせや仕組みのこと。
一言であらわすと、こういった違いです。
それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
①「形状」の意味とは!
「形状」は、物や人などの形のこと。
要するに、容姿やありさまのことです。
たとえば、「針葉樹の葉の形状は針に似ている」といった使い方をします。
これは針葉樹の葉の形が針に似ているということ。
そのまま「形」、「ありさま」のことですね。
ですから「形状」の対象となる物や人は、実際に目で見ることができなくてはいけません。
つまり、人で構成されている「会社の組織」や「行政の組織」といったものに「形状」は使えません。
こういった、人の組織は実際に目で見ることはできませんので。
ということで、「会社組織の形状を見直す」という使い方は間違いです。
②「構造」の意味とは!
「構造」は、物や組織の各部分の組み合わせや仕組みのこと。
ですから、「形」のことではなく、その形をつくる「組み合わせ」や「仕組み」を指しています。
たとえば、「葉の構造」といった場合。
これは、「葉の形」のことではなく、「葉の仕組み」のことになります。
具体的には、「葉脈」「上面表皮」「下面表皮」「葉肉組織」といったものが組み合わさっていますので、その組み合わせが「構造」ということ。
一つ一つの部分そのものことではなく、それぞれがどのように組み合わさっているのかということです。
ですから、「葉の表面に上面表皮があり、裏側が下面表皮。その双方の表皮の間が葉肉組織。そして、骨組みのような葉脈が存在する」というのが「構造」ということですね。
それから、「構造」は「形状」とは違い、必ず目に見えるものとは限りません。
たとえば、「会社組織の構造を見直す必要がある」といった使い方をします。
これはつまり、「人」でつくられた「組織」のことを指していますが、こういった組織は目に見えるものではありません。
ですから、「会社組織の構造を見直す必要がある」ということは、今までの会社の仕組みを見直す必要があるということ。
こういった目に見えない「組織」にも使えるのが「構造」です。
③「形状」と「構造」の違いを整理!
それでは、ここで一度「形状」と「構造」の違いを整理します。
物や人などの形が「形状」。
物や組織の各部分の、組み合わせや仕組みが「構造」。
外観が「形状」で、その形をつくり上げている仕組みが「構造」です。
2.「形状」と「構造」の辞書での意味!
続いて、辞書による「形状」と「構造」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「形状」の辞書での意味!
【形状】
・物や人のかたち。ありさま。
引用元:旺文社国語辞典
そのとおり、「ありさま」のことですね。
②「構造」の辞書での意味!
【構造】
・あらゆるものや組織の形づくっている各部分の組み合わせや仕組み。「複雑な―の機械」「社会の―」
引用元:旺文社国語辞典
説明どおり、「組み合わせ」「仕組み」のことです。
3.「形状」と「構造」の使い方!
次に、「形状」と「構造」の使い方を例文で紹介します。
①「形状」の使い方!
・各アパートメントには花冠の形状をしたバルコニーを設けるという。
・会議室などに設置しやすいスリム形状のスピーカー。
・人間工学形状で手首の負担を軽減できるマウス。
・ラケットの常識を覆す左右非対称形状で強烈スピンをかける。
②「構造」の使い方!
・マンションの手すりには構造的な問題はなかった。
・アウトソーシング運用におけるサービス体制の構造改革を実施。
・日本の産業構造にも大きな影響を持つ。
・柔らかく跳ね返るソール構造で快適な走りを実現。
4.「形状」や「構造」には似た意味の言葉がたくさんある!
「形状」や「構造」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「形状」と「構造」の意味の違いと使い分けについてでした。
「形状」は、物や人などの形のこと。
「構造」は、物や組織の各部分の組み合わせや仕組みのこと。
「形状」は必ず目に見えますが、「構造」は必ず目に見えるとは限りません。