「実証」と「検証」。
漢字の「証」が共通の部分。
なんだか、似ていますよね…。
ですがこの「実証」と「検証」、実は決定的な違いがあるようです…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「実証」と「検証」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「実証」と「検証」の意味の違い!
最初に、「実証」と「検証」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「検証」とは、物事を実際に調べて証明すること。
すごく似ているのですが、短くまとめるとこういった違いです。
それでは、さらにわかりやすく紐解いていきますね。
①「実証」の意味とは!
「実証」は、物事を事実に基づいて証明することです。
「事実に基づく」という部分が最大のポイント。
「事実に基づく」ということは、確かな「証拠」が必要であるということ。
たとえば、裁判の場合は証拠を判断材料にします。
この証拠は、犯行現場で被告人が犯行したことを証明するもの。
こういった証拠を提示して犯行の真偽を証明すること、これが「実証」です。
ちなみに、被告人の証言だけでは証拠がありませんので、「実証」ではありません。
また、「実証」には説明した意味の他に、「確かな証拠」「確証」といった意味もあります。
②「検証」の意味とは!
「検証」は、物事を実際に調べて証明することです。
「実際に調べる」という部分がポイント。
ある仮説がある場合は、「実際に調べて」仮説の真偽を証明するのですね。
たとえば、「ガムテープ同士を貼り付けて、剥がす時に光る」といった仮説があったとしましょう。
このことを証明するために、実際に行います。
実は、布系ガムテープを貼り合わせて、勢いよく引き剥がす時に光を発するのですね。
「実際に調べる」こと、これが「検証」です。
また、事件現場では犯行の状況を実際に調べますが、これが「現場検証」です。
③「実証」と「検証」の違いを整理!
それでは、ここで一度「実証」と「検証」の違いを整理します。
物事を事実に基づいて証明するのが「実証」。
物事を実際に調べて証明するのが「検証」。
「事実」と「実際」でまぎらわしいのですが、「事実」は証拠が必要です。
2.「実証」と「検証」の辞書での意味!
続いて、辞書による「実証」と「検証」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「実証」の辞書での意味!
【実証】
①確かな証拠。確証。
②事実に基づいて証明すること。「―を重んじる学風」
引用元:旺文社国語辞典
前の項目で説明したとおりの内容ですね。
意味①が「確証」のこと、つまり確かな証拠です。
②「検証」の辞書での意味!
【検証】
①物事を実際に調べて証明すること。「仮説を―する」
②[法]裁判官や捜査機関が犯行現場や証拠物件を直接調べること。「現場―」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりの内容ですね。
ちなみに、意味②は法律用語で意味はほぼ同じです。
3.「実証」と「検証」の使い方!
次に、「実証」と「検証」の使い方を例文で紹介します。
①「実証」の使い方!
・経験した事実しか認めない主義が実証主義。
・実証研究は直接的な観察や経験によって知識を得ること。
・考えだけではなく実証的に体験に基づいたものでなくてはいけない。
・実証は事実に基づいて証明することで立証は証拠をあげて明らかにすること。
②「検証」の使い方!
・検証するためにはある程度の時間が必要だ。
・不具合商品の検証結果を報告する。
・オリンピックの暑さ対策に使う降雪機の効果を検証する。
・現場検証は現場の確保が重要。
4.「実証」や「検証」には似た意味の言葉がたくさんある!
「実証」や「検証」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「実証」と「検証」の意味の違いと使い分けについてでした。
「実証」は、物事を事実に基づいて証明することです。
「事実」であることが最大のポイント。
「検証」は、物事を実際に調べて証明することです。