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「継承」と「伝承」の違いを解説!実は意外な差があったよ!

更新日:

 
「継承」と「伝承」。

意味が似ていて、まぎらわしいです…。

といいますか、もしかして同じ意味では???
 
 
でもよく考えてみると…。

「社長の地位を継承する」とはいいますが、「社長の地位を伝承する」となるとなんとなく違和感が…。

ということは、「継承」と「伝承」には違いがあるということか??
 
 
 
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!

やはり、「継承」と「伝承」には決定的な違いがありました!
 
 
本記事では、「継承」と「伝承」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。

かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
 

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1.「継承」と「伝承」の意味の違い!

まずは、「継承」と「伝承」の意味の違いを端的にお伝えします。

「継承」とは、「地位」「身分」「財産」「権利」「義務」などを受け継ぐこと。

「伝承」とは、「風習」「信仰」「言い伝え」などを受け継いで後世に伝えること。

 
一言であらわすと、こういった違いです。

それでは、さらに詳しく紐解いていきますね。
 

①「継承」の意味とは!

「継承」は、「地位」「身分」「財産」「権利」「義務」などを受け継ぐこと。

「伝承」との違いは、受け継ぐものが全く違うということです。

受け継ぐ対象は、「地位」「身分」「財産」「権利」「義務」といったもので、「伝承」と比較してより現実的なもの

より生活に密着したもの、といった言い方もできます。
 
 
 
たとえば、家族で経営している会社があったとしますね。

これまで長年社長を務めてきた人が、高齢となったため息子に社長の地位を譲ったとします。

社長が父親から息子へ交代、これが「継承」ということ。

こういった「地位」に対しては、基本的に「伝承」は使いません。
 
 
 
それから、「継承」のポイントはもう一つ存在します。

それは、たった一度だけの「受け継ぐ」行為、そこにスポットが当たっているということ。

たとえば、社長という地位を、「祖父」から「父」へ、「父」から「本人」へ、「本人」から「息子」へと受け継いだとしますね。

この流れを全てひっくるめて「継承」ということではありません。
 
 
あくまでも、「祖父」から「父」へ受け継ぐことが「継承」です。

そして、「父」から「本人」へ受け継ぐことで一つの「継承」、「本人」から「息子」へ受け継ぐことで一つの「継承」ということ。

要するに、「継承」は受け継ぐことであり、次の人へ伝えることでないということです。

渡す
 

②「伝承」の意味とは!

「伝承」は、「風習」「信仰」「言い伝え」などを受け継いで後世に伝えること。

「伝承」の受け継ぐものは、「風習」「信仰」「言い伝え」ということで、「継承」とは全く対象物が違います。

その特徴を一言であらわすならば、受け継がれる側にとっては「別に無くても生活に困らない物」ということ。
 
 
 
たとえば、地域の伝統行事である「お祭り」があります。

こういった「お祭り」が、仮に無くなったとしましょう。

お祭りが無くなってしまうのはさみしいですが、だからといって生活に困るわけではありません。
 
 
これ、結構大きなポイントです。

「別に無くても生活に困らない物」なので、誰も「伝承」しようという意志がない場合、放っておくと消滅してしまうのです。

ですから、「伝承」は受け継ぐ側が「強い意志」を持って伝えていかなくてはいけないということ。
 
 
 
さらに、「継承」は「受け継ぐ」ことでしたが、「伝承」は「受け継ぐ」ことと「後世に伝える」こと

「継承」には「後世に伝える」という意味はありません。

「祖父」の世代から「父」の世代へ、「父」の世代から「自分」の世代へ、そして「自分」の世代から「息子」の世代へ。
 
 
つまり、受け継いだ後、さらに次の人へ伝えるのが「伝承」です。

受け継ぐだけの「継承」に対し、「伝承」は受け継ぐほかに伝えなくてはいけませんのでやることが多くなります。

まつり
 

③「継承」と「伝承」の違いを整理!

それでは、ここで一度「継承」と「伝承」の意味の違いを整理します。
 
 
「地位」「身分」「財産」「権利」「義務」などを受け継ぐのが「継承」。

生活に密着したものが対象となります。
 
 
「風習」「信仰」「言い伝え」などを受け継いで後世に伝えるのが「伝承」。

「伝承」する意思がないと消滅してしまいます。
 
 
また、受け継ぐのが「継承」、受け継いで後世に伝えるのが「伝承」です。

 

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2.「継承」と「伝承」の辞書での意味!

続いて、辞書による「継承」と「伝承」の意味がどうなっているのか確認していきます。
 

①「継承」の辞書での意味!

【継承】

・地位・財産・権利・義務などを受け継ぐこと。「王位の―」「文化遺産を―する」

引用元:旺文社国語辞典

説明どおりです。

カメハメハ大王
 

②「伝承」の辞書での意味!

【伝承】

・風習・信仰・伝説などを受け継いで伝えること。また、その伝えられた事柄。「民間―」

引用元:旺文社国語辞典

説明したとおりの内容ですね。
 

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3.「継承」と「伝承」の使い方!

最後に、「継承」と「伝承」の使い方を例文で紹介します。
 

①「継承」の使い方!

・幹事長ポストに対する継承者不在の状況に変わりはない。

・民法では、お墓の権利継承者の範囲を制限していません。

・財産を一切継承しない相続放棄をした場合には、遺族年金ももらえないのか?

・未納税金の相続を「納税義務の承継」といいます。

・男系維持のための皇位継承策として有力視される旧宮家の皇籍復帰について。
 

②「伝承」の使い方!

・西陣織の中でも高い技術が求められる綴織を伝承する。

伝承が途絶える危機に直面した和ロウソク職人たちが制度の改革に乗り出す。

・狐の嫁入り行列は、縁起のよいものとして伝承されてきた。

・山根の地に古来伝承されてきた神楽は、寛政2年に集落の4名が習いに行き持ち帰った。

・町工場の若手後継者たちが技術伝承を掲げて立ち上がった。
 

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まとめ

以上が、「継承」と「伝承」の意味の違いと使い分けについてでした。
 
 
「継承」は、「地位」「身分」「財産」「権利」「義務」などを受け継ぐこと。

一度の受け継ぐ行為が「継承」です。
 
 
「伝承」は、「風習」「信仰」「言い伝え」などを受け継いで後世に伝えること。

受け継いだ後に伝えるのが「伝承」ですので、やることが一つ多くなります。

「継承」と「伝承」の意味の違いを説明しましたが、「伝承」と似た言葉で「伝説」があります。

「伝承」と「伝説」も意味が違いますよ!

もしよかったら、下の関連記事をご覧ください。

「伝説」と「伝承」の違いを解説!やはり明確な差があったよ!

 

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