「逆」と「反対」。
ほぼ同じ意味だと思っていたのですが…。
よく考えると、「反対車線」といいますが、「逆車線」とはいいません。
また、「逆走」とはいいますが、「反対走」とはいいませんよね。
ということは、「逆」と「反対」には違いがあるということか…??
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
実は、「逆」と「反対」には微妙な違いがありました!!
本記事では、「逆」と「反対」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「逆」と「反対」の意味の違い!
最初に、「逆」と「反対」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「反対」とは、位置・順序・方向・あり方などが、さかさまの関係にあること。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「逆」と「反対」の違いをわかりやすく!
「逆」と「反対」は、どちらも位置・順序・方向・あり方などがさかさまの関係にあることなのですが。
違いは、「本来」の位置・順序・方向・あり方であるかどうか。
つまりは、「本来のものに逆らっている」のか、「本来のものがなく、逆らっていない」のかということがポイントになります。
「逆」は、本来の位置・順序・方向・あり方ではありませんので、「本来のものに逆らっている」ということになります。
たとえば「逆流」「逆走」といいますが、どちらも逆らっていますよね。
「反対」はただ単に、位置・順序・方向・あり方の、片方のことであり「本来のものがなく、逆らっていません」。
具体的には「反対語」「反対車線」といいますが、どちらも逆らっていません。
次項では、実際の例文を紹介しますね。
②「逆」と「反対」の使い方!
「逆」と「反対」の実際の使い方を見ていただくと、違いがよくわかりますよ。
【位置】
置き場所が定まっている場合(本来のものに逆らっている)
「観葉植物が、今日は逆の位置になっているね」
置き場所が定まっていない場合(本来のものがなく、逆らっていない)
「今日は観葉植物を反対の位置に置きましょう」
【順序】
発表順が定まっている場合(本来のものに逆らっている)
「間違っていませんか?順序が逆ですよ」
発表順が定まっていない場合(本来のものがなく、逆らっていない)
「今日はいつもとは反対に、後ろの番号の人から発表してもらいます」
【方向】
ゴルフボールを風に逆らって飛ばしたい場合
「逆風なので、飛距離は期待できない」
逆らっていない場合
「風向きが反対になる」
【あり方】
正しい物事が確定している場合(本来のものに逆らっている)
「正論を言ったのに、逆に怒られた」
正しい物事が不明な場合(本来のものがなく、逆らっていない)
「お互いに反対の意見のために対立する」
ちなみに、「逆」と「反対」を置き換えることで、全ての文章が成立しないということはでありません。
「逆」と「反対」は微妙な違いはあるものの、おおよそは同じ意味。
したがって、紹介した例文に限らず「逆」「反対」双方とも当てはまる文章は多々あります。
2.「逆」と「反対」の辞書での意味!
続いて、辞書による「逆」と「反対」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「逆」の辞書での意味!
【逆】
①順序や方向が反対であること。さかさま。
②「逆手」の略。「―を取る」
③数学の定理や論理学上のある命題の仮説と終結を入れかえたもの。「―もまた真なり」
引用元:旺文社国語辞典
正確には、3つの種類があります。
この説明だと、「反対」との違いはよくわかりません。
②「反対」の辞書での意味!
【反対】
①方向・位置・順序などが逆であること。あべこべ。さかさま。「―の方向」
②対になっているものの一方。「かばんを―の手に持ちかえる」
③ある物事・意見などに逆らうこと。「法案に―する」↔賛成
引用元:旺文社国語辞典
「反対」も、正確には意味が3つ。
意味③で「意見などに逆らうこと」となっているので、これだと混乱しますね…。
「意見などが対立する」と覚える方がよいのかもしれません。
3.「逆」や「反対」には似た意味の言葉がたくさんある!
「逆」や「反対」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「逆」と「反対」の意味の違いと使い分けについてでした。
「逆」は、本来の位置・順序・方向・あり方とは違う方のこと。
「反対」は、位置・順序・方向・あり方などが、さかさまの関係にあること。
大きくは、「本来のものに逆らっている」のが「逆」、「本来のものがなく、逆らっていない」のが「反対」です。