「祖語」と「齟齬」。
読み方はどちらも「そご」です。
日本語は、こういった同じ読み方の言葉は多いですね…。
では、この「祖語」と「齟齬」、いった違いはなにか??
実は、全く違う意味のようで…。
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
本記事では、「祖語」と「齟齬」の意味の違いと使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「祖語」と「齟齬」の意味の違い!
最初に、「祖語」と「齟齬」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「齟齬」とは、物事や意見などがくいちがう、かみ合わないこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「祖語」の意味とは!
「祖語」は、言語のことを指しています。
言語といっても、日本語やスペイン語といったものではなく、そういった言語のおおもとの言語のこと。
「祖語」の「祖」は、祖先の「祖」で、系統の元となるもののことです。
そして、「祖語」の「語」は、言語の「語」でそのとおり言語のこと。
ですから、漢字の持つ意味のとおり、系統の元となる言語ということですね。
たとえば、「ラテン語」があります。
この「ラテン語」が、フランス語やイタリア語やスペイン語へ変化していったといわれているのですね。
ですから、フランス語やスペイン語にとっての「祖語」が「ラテン語」ということ。
そして、ロシア語やウクライナ語、ベラルーシ語の「祖語」はスラヴ語といわれています。
ちなみに、日本語の「祖語」は様々な説があるようですが、「わからない」というのが実情。
もちろん、日本語には「祖語がない」といった説もあるようですよ。
②「齟齬」の意味とは!
「齟齬」は、物事や意見などが「くいちがう」「かみ合わない」こと。
「齟齬」の「齟」は、「かむ」「かみ砕く」という意味です。
「齟齬」の「齬」は、「くいちがう」という意味。
そのとおり、「かみ合わない」「くいちがう」ということですね。
たとえば、AがBのお店で買い物したとします。
Aは、Bの言葉使いに不快な思いをしたため、謝罪を要求したとしましょう。
ところが、Bは商品を返品して全て解決したと判断しました。
仲介にはいったCが、二人の意見を確認したところ意向がかみ合っていないことに気付きました。
A「言葉の使い方がダメ」
B「商品を返品したので解決」
Aは商品を返品したいのではなく、謝って欲しかったのですね。
これが、「お互いの意見に『齟齬』がある」という具体例です。
③「祖語」と「齟齬」の意味の違いを整理!
それでは、ここで一度「祖語」と「齟齬」の意味の違いを整理します。
同じ系統の言語の、おおもとの言語が「祖語」。
物事や意見などがくいちがう、かみ合わないことが「齟齬」です。
全く違う意味ということですね。
2.「祖語」と「齟齬」の辞書での意味!
続いて、辞書による「祖語」と「齟齬」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「祖語」の辞書での意味!
【祖語】
・同じ系統の言語の中で、もとになっていると考えられる言語。イタリア語、フランス語などに対するラテン語など。
引用元:旺文社国語辞典
説明どおりの内容ですね。
②「齟齬」の辞書での意味!
【齟齬】
・(上下の歯がくいちがう意から)意見や物事がくいちがって合わないこと。「意見に―をきたす」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、前の項目で説明したとおりの内容ですね。
3.「祖語」と「齟齬」の使い方!
最後に、「祖語」と「齟齬」の使い方を例文で紹介します。
①「祖語」の使い方!
・モンゴル語の祖語はアルタイ諸語といわれています。
・ゲルマン祖語から英語やドイツ語、オランダ語などへ分かれました。
・中央アジアのウイグル語の祖語もアルタイ諸語。
②「齟齬」の使い方!
・議論が白熱すると時々齟齬が生じることがある。
・論点に齟齬が生じないように整理する。
・ハッキリと主張しないことが齟齬の要因。
まとめ
以上が、「祖語」と「齟齬」の意味の違いと使い分けについてでした。
「祖語」は同じ系統の言語の、おおもとの言語のことで、「齟齬」は物事や意見などがくいちがう、かみ合わないことです。
読み方は同じ「そご」ですが、意味は全く違うということですね。