「遅延」と「遅刻」。
この違い…、まぎらわしいですよね…。
ですが、「電車が遅延する」とはいいますが、「電車が遅刻する」となるなんとなく違和感が…。
ということは、確かに「遅延」と「遅刻」には違いがあるということ。
では、どういった条件のもとで使い分けがされるのだろうか…?
そんなわけで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「遅延」と「遅刻」には決定的な違いがありました!
本記事では、「遅延」と「遅刻」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「遅延」と「遅刻」の意味の違い!
最初に、「遅延」と「遅刻」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「遅刻」とは、決められた時刻に遅れることで、人に対する言葉。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「遅延」の意味とは!
「遅延」は、予定された期日や時間に遅れること、また、長引くこと。
ただし、「人が、決められた時刻に遅れる」場合には使いません。
基本的に「遅延」は、「人」ではない「物事」に対して使います。
たとえば、「10時に名古屋駅に到着する電車が、遅延で10時15分に到着するらしい」といった使い方。
この場合は、電車が予定の時間に遅れて来るという意味。
それから、「遅れる」の他に「長引く」場合にも「遅延」が使われます。
具体的には、「14時で終了する会議が、議論が白熱して1時間以上も遅延してまだ続いている」といった使い方。
これは、会議が長引いてしまっているということです。
②「遅刻」の意味とは!
「遅刻」は、決められた時刻に遅れること。
そして、「遅延」は「人」以外の「物事」に対して使いましたが、「遅刻」は「人」に対して使います。
ですから、前項で紹介した「電車が遅れて到着する」場合に「遅刻」は使えません。
「人」が、電車の出発時間よりも遅れて駅に入り、電車に乗り遅れた時が「遅刻」となります。
その他にも、会議の開始時間に後れれば「会議に遅刻した」、学校の始業時間に遅れれば「学校に遅刻した」ということ。
③「遅延」と「遅刻」の違いを整理!
それでは、ここで一度「遅延」と「遅刻」の違いを整理します。
予定された期日や時間におくれること、また、長引くことが「遅延」。
「遅延」は、人以外の物事に対して使います。
決められた時刻に遅れることが「遅刻」。
「遅刻」は、人に対して使います。
2.「遅延」と「遅刻」の辞書での意味!
続いて、辞書による「遅延」と「遅刻」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「遅延」の辞書での意味!
【遅延】
・予定よりも期日・時間が遅れたり、長引いたりすること。「電車が―する」
引用元:旺文社国語辞典
この説明だとわかりにくいのですが、「人」が遅れる場合には使わないのが基本。
「学校に遅延して、先生に怒られた」とはいいません。
②「遅刻」の辞書での意味!
【遅刻】
・定められた時刻におくれること。
引用元:旺文社国語辞典
これもわかりにくいのですが、「人」だけに使うのが基本。
ですから、「会議の開始時間が遅刻している」とはいいません。
3.「遅延」と「遅刻」の使い方!
次に、「遅延」と「遅刻」の使い方を例文で紹介します。
①「遅延」の使い方!
・悪天候により、飛行機や新幹線に遅延や欠航が相次ぐ。
・鉄道の運転見合わせ等により、物流に遅延が生じる可能性があります。
・決算と監査業務に大きな遅延が生じる可能性が高まっている。
・工事に遅延が発生している為、工事終了予定時間が変更となります。
②「遅刻」の使い方!
・首脳会談で遅刻が多いことで知られるプーチン氏は2時間近く遅れて席につく。
・遅刻に厳しい一方でサービス残業を強いる職場の矛盾。
・8年間にわたり連日平均約5分の遅刻を繰り返したとして懲戒処分を受ける。
・イギリス・マンチェスターで行われた自身のコンサートにまたしても遅刻した。
4.「遅延」や「遅刻」には似た意味の言葉がたくさんある!
「遅延」や「遅刻」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
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ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「遅延」と「遅刻」の意味の違いと使い分けについてでした。
「遅延」は、予定された期日や時間におくれること、また、長引くことで、人以外の物事に対する言葉。
「遅刻」は、決められた時刻に遅れることで、人に対する言葉。
「人以外」と「人」、どちらを対象にするかの違いです。