「感心」と「感服」。
似ています…。
まぎらわしい…。
たとえば、「あなたのボランティア活動に感心した」といいますし、「あなたのボランティア活動に感服した」でもおかしくないですよね…。
同じような場面で使う「感心」と「感服」ですが、では、何がどのように違うのか?
ということで、この2つの言葉の意味を徹底的に分析してみましたよ!
やはり、「感心」と「感服」には確かな違いがありました!
本記事では、「感心」と「感服」の意味の違いと使い分けについて、具体例でわかりやすく解説していきます。
かなり深掘りしましたので、ご期待ください!
1.「感心」と「感服」の意味の違い!
最初に、「感心」と「感服」の意味の違いを簡潔にお伝えします。
「感服」とは、立派な行為や優れた技量などに心を動かされて、尊敬の気持ちを抱くこと。
一言で表現すると、こういった違いです。
それでは、さらに詳細に紐解いていきますね。
①「感心」の意味とは!
「感心」は、立派な行為や優れた技量などに心を動かされること。
つまりは、「あなたのその活動は素晴らしい!立派だ!!」という気持ちが「感心」です。
ただし、あくまでも「素晴らしい!」「立派だ!!」までで終わり。
そこから先の感情はありません。
たとえば、「あなたを尊敬します!」といった感情までは行きませんよ。
具体的には、「あなたがたの、日頃の清掃ボランティア活動には感心します」といった使い方をします。
まさに、活動している人たちを「素晴らしい!」「立派だ!」と思っているわけですね。
それから、通常の「感心」は「良い意味で」心を動かされるのですが…。
逆説的に、「あきれる」という悪い意味も含んでいます。
要するに、「感心」を皮肉や嫌味として使うということ。
たとえば、「あいつの図々しさには感心するよ…」といった使い方。
この場合、心が動いているのですが、「素晴らしい!」とか「立派だ!」と思っているわけではありません。
「あいつの図々しさは、自分には真似できない」という悪い意味で使っています。
②「感服」の意味とは!
「感服」は、立派な行為や優れた技量などに心を動かされて、尊敬の気持ちを抱くこと。
「立派な行為や優れた技量などに心を動かされる」までは、前項の「感心」と全く同じ。
ただし「感服」の場合は、そこから「尊敬の気持ちを抱く」まで進みます。
「感心」は、「あなたのその活動は素晴らしい!立派だ!!」で、終わっていました。
「感服」は、その後に「あなたを尊敬します!」までいきます。
たとえば、「監督は、たった4年間でバスケットボール部を全県チャンピオンにまで育て上げた。感服します」といった使い方をします。
この場合は、監督に対し「素晴らしい!」と思っていますが、その他に「尊敬します!」という気持ちが込められています。
③「感心」と「感服」の違いを整理!
それでは、ここで一度「感心」と「感服」の違いを整理します。
立派な行為や優れた技量などに、心を動かされるのが「感心」。
そして、立派な行為や優れた技量などに心を動かされて、尊敬の気持ちを抱くのが「感服」。
尊敬の気持ちを抱くかどうかが、違いになります。
2.「感心」と「感服」の辞書での意味!
続いて、辞書による「感心」と「感服」の意味がどうなっているのか確認していきます。
①「感心」の辞書での意味!
【感心】
[名詞]①立派なさま・見事さに深く心を動かされること。感服すること。
[名詞]②(逆説的に)驚きあきれること。「彼の図太さには―するよ」
[形容動詞]・りっぱで、ほめるべきであるさま。「―な子供だ」
引用元:旺文社国語辞典
説明したとおりの内容です。
「名詞」としての使い方と、「形容動詞」として使い方がありますが、意味的にはほぼ同じです。
②「感服」の辞書での意味!
【感服】
・深く感心して敬服すること。「―の至り」「見事な手並みに―する」
引用元:旺文社国語辞典
こちらも、説明どおりですね。
ちなみに、「敬服」には「感心して尊敬の念を抱くこと」「尊敬の念を抱いて従うこと」という意味があります。
3.「感心」と「感服」の使い方!
次に、「感心」と「感服」の使い方を例文で紹介します。
①「感心」の使い方!
・スノー路面で乗るとタイヤ性能の高さにはあらためて感心させられます。
・代表は人として見習うことが多く感心いたしました。
・全員が楽しそうにゲームや課題に挑戦している姿には感心させられました。
・ベテラン2人は、日本からやってきた17歳のプレーに感心しきりだった。
②「感服」の使い方!
・藤井さん「らしさ」を実感するとともに、改めて凄い人だと感服しております。
・オジュウチョウサンの精神力の強さに、担当の長沼厩務員は改めて感服していた。
・紳士的な行動と持ち前の実直さで審判団を感服させた。
・うな重を実食し伝説のお店と呼ばれる理由が分かり、高いプロ意識に感服した。
4.「感心」や「感服」には似た意味の言葉がたくさんある!
「感心」や「感服」には似た意味の言葉がたくさんありますよ。
下の関連記事も、覗いてみてください。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上が、「感心」と「感服」の意味の違いと使い分けについてでした。
「感心」は、立派な行為や優れた技量などに心を動かされること。
「感服」は、立派な行為や優れた技量などに心を動かされて、尊敬の気持ちを抱くこと。
心を動かされるのは「感心」「感服」とも同じですが、心が動いた後に尊敬までいくのが「感服」です。